Microsoft Clarity 解析事例 – Microsoft Clarity 研究所 https://clarity.kosgis.com Microsoft Clarity(マイクロソフト クラリティ)の機能や可能性を探っています Sun, 18 Aug 2024 14:27:38 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.6.1 https://clarity.kosgis.com/wp-content/uploads/2024/01/cropped-HEm0sWv4_400x400-32x32.jpg Microsoft Clarity 解析事例 – Microsoft Clarity 研究所 https://clarity.kosgis.com 32 32 Microsoft Clarity(クラリティ)を徹底的に活用するためのフレームワーク「UNCEAL」 https://clarity.kosgis.com/blog/clarity-cro-framework-unceal/ Sun, 18 Aug 2024 14:17:23 +0000 https://clarity.kosgis.com/?p=631

はい、ごめんください。少しずつ認知されてきたユーザー行動分析ツール「Microsoft Clarity(クラリティ)」が大好きなコスギです。 「興味はあるけど、具体的にどう使えばいいのかピンと来ない」「見たいところだけ見 […]]]>

はい、ごめんください。少しずつ認知されてきたユーザー行動分析ツール「Microsoft Clarity(クラリティ)」が大好きなコスギです。

「興味はあるけど、具体的にどう使えばいいのかピンと来ない」「見たいところだけ見てるけど、もっと活用できるんじゃ?」といった声を耳にすることが増えたので、ユーザーの認識変容をミクロに考えるためのフレームワーク「UNCEAL(アンシール)」と、それぞれのステップのヒントになるケーススタディをまとめました。

ユーザーの認識変容をミクロに考えるためのフレームワーク「UNCEAL(アンシール)」の図解

なお、UNCEAL は弊社カエルコムニスが提唱しています。Clarity を使うときはもちろん、ページに訪れたユーザー行動の促進を改善したいときに使ってみてください。

ただし UNCEAL は視野が狭まるリスクもあるので、ペルソナやCJM(カスタマージャーニーマップ)、VPC(バリュープロポジションキャンバス)、コンセプトダイアグラムなどなど、顧客視座を理解するための手法はたくさんあるので、それらと合わせて深めてくださいね。

「クラリティを活用してサイトを改善したい気持ちはあるけれど、ちょっと何言ってるかわからない」という方は、Microsoft Clarity の活用サポートをご検討ください。ペースに合わせてヒアリングしながら、必要なポイントをご説明します。大事なのは用語の理解以上に、ビジネスを良くすることですから。

Clarity 活用のポイントは「ユーザーの心の声」

Clarity は、ヒートマップツールでもレコーディングツールでもありません。ウェブサイトに訪問したユーザーと意思疎通できているか(インタラクション)を理解しやすい「行動分析ツール(behavioral analysis tool)」です。

ですから、Clarity を使うためには、ユーザーの動線に見通しを立てておく必要があります。これをしないでツールを見ちゃう方が多い(というかほとんど)ので、ユーザーの心の声に思いを馳せるだけでも大きな一歩ですよ。

ユーザーに思いを馳せるためのフレームワーク「UNCEAL」

さて「主要なページ」とは、ウェブサイトの目的を達成するために訪問者の背中を押すようなページのことを指します。資料請求フォームの前にあるページや、カートの前にある商品の詳細ページなどです。

もしウェブサイトの目的が定まっていない場合は、「ウェブサイトを通じて達成できたらいいこと」を考えておきましょう。できれば「お問い合わせ」という言葉は使わずに、具体的にするのがベストです(営業部の商談リストを増やす、など)。その達成のために必要なページを整えてから、UNCEALを使ってください。

そして以下の6つの項目で、該当ページに訪れようとするユーザーについて思いを馳せてみましょう。これを「UNCEAL(アンシール)」というフレームワークにしました。ちなみに User 以外は動詞なので「The user needs ***」といった文にできるとシンプルになります。

  1. User:このウェブサイトは、どんな人のためのものか
  2. User Needs:このページは、ユーザーのどんな期待に応えるのか
  3. User Catches:ユーザーは、このページでまず何を見るか
  4. User Engages:ユーザーは、このページでどんな気持ちでどう反応するか
  5. User Advances:ユーザーが、このページの次に求めるものは何か
  6. User Leaves:このページが、ユーザーを離してしまう理由まとめ
弊社カエルコムニスの公式サイトの場合

(前提)弊社は「ストレングスファインダーというアセスメントについてある程度認知している方」を対象にしています。アセスメントは海外のサービスかつ有料で、診断のためのアクセスコードの販売もしています。そのアクセスコードを購入してもらえることも想定した、診断の流れのページを取り上げました。

https://coaching.kosgis.com/service/assessment
  1. User:ストレングスファインダーというアセスメントについてある程度認知している方
  2. Need:ストレングスファインダーを受けたい(問題なくスムーズに)
  3. Catch:ハッキリとしたタイトルと、つらつら続く文章
  4. Engage:アクセスコードを買う方法や種類で迷いながら、アコーディオンをクリック
  5. Advance:最初のステップとしてコードの購入が必要だと理解して、コードの購入に進む
  6. Leave:選択基準がわからず迷ってあきらめるか、公式サイトに進んで終わる

公式サイトに離脱するのは想定していますが、ここまで考えただけでも、以下のような改善点が浮かびました。

  1. テキストばかりだしスクロールしないと全容がわからないから、流れをまとめた画像をファーストビューに置くと認識しやすそう(画像クリックが増えると予想)
  2. 画面を占有する写真は、書籍で購入する方向けのアコーディオンの中に入れるとスクロールを軽減できそう(アコーディオンを開いたあとの写真のクリックが増えると予想)
  3. アクセスコードの選び方はアコーディオンの上に配置し、その上に購入方法のメリデメを表にしておくと迷わなそう(メリデメの表はスマホだと横スクロールして見られ、アクセスコードの選び方への遷移が増えると予想)
  4. 弊社でコード購入に進むのはボタンにすると行動喚起できそう(クリック率が増えると期待)
  5. わからないことはX(Twitter)に連絡してくれてもいいことを記載してもいいかも……?(ただ、最初からそこまで関わりたくない方は多そうなので優先度低め)
  6. スマホで見る人が多そうだけど、企業向けにPDFを提供すると良さそう(流れの図の下に配置すれば、ダウンロードボタンのクリックが増えると予想)(フォームを用意するほどでもないかな)

上記の施策が済んだら、Clarity で改善効果を検証します。PDF以外は施策実施済み。

次のページに進んだあとや、再訪のケースも同様に考えていくと、2〜3回パターンでコンバージョンページに辿り着きます。もしコンバージョンまで5パターン以上が必要になる場合、サイトの構成を見直す必要があるかもしれません(ECサイトなど、経由するページが多いことはあります)。

大切なのは、いきなりツールを使うのではなく、UNCEAL のパターンを出しておくこと。ユーザーが想定どおりに動いてくれないのは当然としても、道筋を立てておかなければ点でしか捉えられません。

ビジネスを利用するのはどんなユーザーで、どんなニーズを持っているのか、そのニーズを満たすためにあるページが明確になっていればいるほど、UNCEAL は使いやすいです。その逆もしかりなので、何を目的にウェブサイトをつくったのかに立ち返ってください。

目の前の数字を大切にしながらも、ビジネスによってユーザーを幸せにし、社会がよくなることを目指したいですね。

各ステップの考え方と Clarity の活用ケース

以下は UNCEAL の関係を図解したものです。User が中央にあり、Need → Catch → Engage と進み、Advance(前進)するか Leave(離脱)するかを考え、次のページに前進したことで少し変化した Need からまた考えます。

ユーザーの認識変容をミクロに考えるためのフレームワーク「UNCEAL(アンシール)」の図解

Catch どころか Need のタイミングで Leave する可能性も十分あるので、Engage から Leave するとは限らないのですが、Leave はそのページでの離脱要因を総まとめするための思考のステップという位置づけです。

では、U/N/C/E/A/L それぞれのステップについて具体的にみていきましょう。

User:このウェブサイトは、どんな人のためのものか

ここは提供サービスや商品のビジネスモデルにおいて、ウェブサイトが果たす役割が関わってきます。「ホームページがあったほうがいいだろう」というフワッとした理由で作られているサイトは意外と多いのですが、目的や役割を具体的にしなければ始まりません。

ここは Clarity を使う以前の問題なので、しっかりやるなら VPC(バリュープロポジションキャンバス)でまとめると整理しやすいです。とはいえ、まずは簡単に設定するだけでも大丈夫。やっていくうちに欲が出てきますから、重たく考えるよりも手を動かしていきましょう。

ユーザーについて考えるのが困難な場合

現実問題として、VPCなど顧客理解のフレームワークを使っても企業視座から動けず、まったく手が動かないというケースは(地方に限らず)たくさんあります。

そういった場合にのみ、Clarity を使ってどんな人がウェブサイトに来ているのかを観察するところから始めてみても良いでしょう。画面の向こうにユーザーが存在しているという事実を受け入れるのに最適です。

以下の手順で Clarity を確認してみてください(全ページに設定が済んでいる前提です)。

  1. 期間を30日間にして、どれくらいのユーザーが来ているのかを確認する
  2. パソコン、タブレット、モバイルのどれが一番使われているのか確認する
  3. 一番見られているページのヒートマップをパソコン・モバイル別に確認する
  4. レコーディング(録画)を3件くらい確認する
  5. トップページのヒートマップとレコーディングを確認する

この5つを確認するだけでも、ウェブサイトの現状を知ることができます。ここで「へぇ〜」だけで終わるならウェブサイトの改善は不要ですし、最低限の運用でも良いと思います。

ただ、「えっ……思ったより全然読まれてない……」「ちょっとこのままだと、お金をかけてサイトを作った意味が薄いんじゃないかなあ……」と危機感を覚えたら、その思いをお聞かせください。せっかくなら、御社のビジネスを成長させてくれるウェブサイトにしたいじゃないですか。

\ 混乱と絶望を味わってからがスタート /

Need:このページは、ユーザーのどんな期待に応えるのか

この Need のステップで、上記で定義した User の意図と、それに応えられるページを UNCEAL の対象として設定します。

ユーザーは、何かしらの意図を持ってページに来ます。主要なページなら明確な意図を想定しているとは思いますが、もし曖昧な場合は「検索意図」から考えてみるとSEOにも役立ちます。どのみち、ユーザーとの最初の接点は検索からの流入であることが多いですしね。

  • 「◎◎とは?」など、言葉や内容の理解を意図している(インフォメーショナル・クエリ)
  • 「◎◎がほしい」など、購入の検討を意図している(トランザクショナル・クエリ)
  • 「メリデメを知りたい」と、購入の前の比較を意図している(コマーシャル・クエリ)
  • 「駐車場はある?」と、地理的な情報の確認を意図している(ローカル・クエリ)
  • 「Amazonを開きたい」と、特定のサイトへの訪問を意図している(ナビゲーショナル・クエリ)

「お、SEOにも役立つのか!」と検索意図に興味を持たれたら、SEOの第一人者であるボーディーの住さんの記事をご一読ください。ここまで丁寧にSEOを説明しているサイトは、Google の公式ドキュメント以外にまずないですよ。

https://www.bodhi.co.jp/user-search-intent

たとえば、コマーシャル・クエリの「メリデメを知りたい」という意図。この意図にそのまま応えてメリットとデメリットを掲載しておくのでも、Need を考えるうえでは問題ありません。

ただ、これだと競合との優位性がイマイチなので、可能な限り、もう一歩踏み込んでください。

「メリデメを知りたい」と言語化された意図の裏には、「後悔したくない」という「不安感」や「不信感」があると考えられます。こういった言語化されていない “不” を軽減できるよう、メリデメだけでなく選択基準やケース別のお客様の声が明記されていると、安心して信用しやすくなるでしょう。お客様の声は、独自性も高いですしね。これが、期待に応えるということ。

もちろん、こういったユーザーの期待は言語化されていないため、仮説でしかありません。ですが、ユーザーの言語化された意図だけでなく、その裏にある「不◎感」のユーザーの声と、それを払拭できるオリジナリティのあるコンテンツが用意できていると、ユーザーが言語化できていない期待に応えることができ、アドバンテージにもなります。ユーザーの心の声に寄り添った合わせ技が大事。

[Need]弊社カエルコムニスの事例

前提は先述していますので、ここではステップごとの具体的な説明をします。対象ページは以下です。

https://coaching.kosgis.com/service/assessment

*サービス名を知っていることを前提にしているため、選択と集中を徹底した結果「わかる人はわかるけれど、わからない人はサッパリわからない」になっています。事例としてはわかりにくくてすみません。

このページは、ユーザーの直接的な意図「ストレングスファインダーを受けたい」に応えられるよう、流れを説明したものになっています(トランザクショナル・クエリですね)。

ですが、初めての方は「ストレングスファインダーというものがいいらしい、けれど、どうやって受けたらいいのかわからない」と、ゴールは見えているものの、道筋がわからずモヤモヤした不安感を抱えていると想定できます。

流れを知って見通しが立つ以外にも、SNSや知恵袋などの情報からつまづきやすい「モヤモヤ」を洗い出し、一連のタッチポイントで役立つページに仕上げています。

ということをまとめると、

  • User:ストレングスファインダーというアセスメントについてある程度認知している方
  • Need:ストレングスファインダーを受けたい(問題なくスムーズに)

になります。モヤモヤを解消できるよう「問題なくスムーズに」がポイント。

Catch:ユーザーは、このページでまず何を見るか

Catch のステップは、ページを開いて目に入るものを挙げ、考察します。パソコンとスマートフォンの実機で開いたときに、何が並んでいるかを客観的に挙げてください。

Catch から Engage に進めるかどうかを Clarity で確認するなら、以下の項目が参考になります。

  • スクロールされているか?(スクロール率)
  • スクロールされずにホームやパンくずで戻っていないか?(クリックヒートマップ)
  • スクロールされずにグローバルナビゲーションが使われていないか?(クリックヒートマップ)
  • ファーストビューでデッドクリックしていないか?(デッドクリック)
  • 一瞬見られただけで離脱されていないか?(クイックバック)
  • そもそも読み込みまでに待たせていないか?(パフォーマンス指標)

第一印象で期待はずれだと認識されたらもったいないですよね。改善したら確認してみてください。

[Catch]弊社カエルコムニスの事例

以下のように、実機でスクリーンショットを撮って要素を確認してみても良いでしょう。

スマートフォンでの見え方
パソコンでの見え方

はい、見事に文字ばかりです。画像らしい画像なんて、ロゴしかありません。だから Catch は以下のように表現するしかありません。

  • Catch:ハッキリとしたタイトルと、つらつら続く文章

ページを読みこむユーザーには何の問題もありませんが、そうでなければ「難しそう」という心理的ハードルが上がってしまいます。ツールの特性として読むスキルは必要になるものの、Need で「問題なくスムーズに」と掲げているのだから、ハードルを下げる努力はしても良いでしょう。ということで改善済。

Engage:ユーザーは、このページでどんな気持ちでどう反応するか

Engage のステップは、ページに注目しているときの想定行動です。Catch で離脱しなければスクロールしながらコンテンツを読んだり、フォームを操作したりしている状況なので、コンテンツとニーズとの整合性が大切です。

Engage して Advance できるかどうかを Clarity で確認するなら、以下の項目が参考になります。なお、ユーザー心理をすべて理解することは不可能なので、最初に設定した主要なページの閲覧データに絞って確認しましょう。他のページを見始めると、時間が溶けます。

  • タイトルとコンテンツの関連性が不足していないか?(平均スクロール率)
  • 適当に読み飛ばされていないか?(過剰なスクロール)
  • 使い勝手に問題はないか?(デバイス別レコーディングデータ)
  • ページ内リンクや問題ないか?(イライラしたクリック)
  • 拡大を期待されていないか?(デッドクリック)
  • 画像のスライドショーは動作しているか?(JavaScript エラー)
  • コンテンツは期待に応えられているか?(アクティブに費やした時間)
  • 前の画面に戻ってしまっていないか?(カスタムタグ)

私は上記でも紹介した住さん「検索を終わらせろ」という言葉が大好きなので、このコンテンツとユーザーのニーズマッチを全力で満たしたいために項目が多めです。インターネットでは競合だらけなので、ビジネスでウェブサイトを持っているなら「自分ではいいと思っている」では通用しないのですよね。

だからこそ、Engage できずにユーザーを離脱させてしまわないよう、競合も確認しながらページを「育てる」意識が必要です。育てるのは大変だからこそ、重要なページに注力しましょう。

最重要項目は、コンテンツ以上にコンバージョン(成果)ですから。好奇心対応すると、時間が溶けます。

[Engage]弊社カエルコムニスの事例

ページを作り込んでいればいるほど、ユーザーのことが見えなくなるジレンマが起きます。弊社の事例のように、流れを示したページはユーザーの経験に応じてニーズが変わるのに、提供側としては「流れ」として出しているから、ちょっと考えにくいんですよね。

ですので、まずはゼロ経験のユーザーを想定して、新規ユーザーで絞り込んだ Clarity のヒートマップとレコーディングデータを20件くらい確認し、どこで迷いが生まれるのかを観察しました。

流れとしてコードを購入する必要があるため、そのあたりで迷うかもという仮説はあったのですが、結果、

  • Engage:アクセスコードを買う方法や種類で迷いながら、アコーディオンをクリック

となりました。アクセスコードの種類で迷うのはSNSでも話題になるので把握していましたが、購入方法は「お好きなように」でまとめてしまっていたことに気づきました……思い込みって怖いですね……。ということでこれも改善済。

Advance:ユーザーが、このページの次に求めるものは何か

Advance のステップは、次にどこに進むべきかが明確になっているかどうかです。「前進する」の意味を大切にして「アドバンス」としていますが、なじみがなくて忘れてしまいがちな場合は「アクション」や「アテンド」で覚えてもらってもOKです。大事なのは、ユーザーが離脱せずに次に進むこと。

Engage できているなら次に進んでくれるはずなので、確認するのはCTA(コールトゥアクション:次に進むべきリンク)が機能しているかどうか。Clarity で確認するなら、以下の項目が参考になります。

  • CTAが明確に示されているか?(クリックヒートマップ)
  • CTAが多すぎたり、少なすぎたりしていないか?(クリックヒートマップ)
  • CTAまでスクロールされているか?(スクロールヒートマップ)

Clarity でわかることはやったことの結果なので、ないものは検証できません。盲点になりやすいのは以下のようなポイントなので、「これくらいはわかるだろう」「こういうものだろう」のバイアスを排除して実機で確認してみましょう。

  • 関連の高いコンテンツへつながっているか?(ページの内容を分割したり統合したりするほうが良い場合もある)
  • そのページからのCTAは適切か?(何でもかんでも「お問い合わせ」につなげない)
  • CTAの表現方法は適切か?(広告と思われかねない)
  • 検索画面と結果の画面は変わっているか?(同じ内容が表示されたらユーザーは混乱する)
  • スクロールを止める要因があるのではないか?(クリックしてもらいたいリンクの優先度を整理する)
  • CTAはユーザーにフィットした言葉になっているか?(提供側と利用者との言葉が異なる場合がある)

例えば、メールマガジンを「購読する」のと「受信する」のとでは印象が違いますし、「無料」と「100%オフ」でも違いますよね。こういった、丁寧な言葉選びが差を生むことは往々にしてあるため、ページを見ているユーザーの心情に沿った言葉に合わせましょう。神は細部に宿ります。

[Advance]弊社カエルコムニスの事例

コードの購入が必要だと理解できれば、コードの購入画面に進めば良いとわかります。ただ、どこから購入したら良いのか迷わせてしまっていると、コンバージョンの手前で離脱させてしまうことに。

弊社の場合、購入方法は自サイトのショッピングカート・公式サイト・書籍の3つのパターンがあります。自サイトでの販売はコンバージョンポイントにはなりますが、その利益よりも、流れを解説したページが安心できるし役立つと感じてもらうことで信頼性の向上も意図しています。ですので、公式サイトへの離脱は折り込み済みで以下のようになります。

  • Advance:最初のステップとしてコードの購入が必要だと理解して、コードの購入に進む

ただ、UNCEAL を念頭に改めて画面を確認した際、自サイトへのCTAがわかりにくかったのでボタンにしました。改善済。

この Advance で生まれた新たな Need で、また (U)/N/C/E/A/(L) を考えてみてくださいね。コンバージョン後のサンクスページまでやれば、たくさんの改善ができるのではないでしょうか。

Leave:このページが、ユーザーを離してしまう理由まとめ

Leave のステップは、そのページでの離脱要因の総まとめです。これまで見てきた、Need・Catch・Engage・Advance の4つの離脱要因をまとめましょう。重要度と緊急度で優先順位をつけ、いつまでに何をやるかを決め、施策を実施して検証してください。戦略で疲れていては本末転倒です。

また、U/N/C/E/A まで考えている間に解決策はある程度まとまっていると思いますので、余裕があれば、より良くするために以下を考えてみてください。簡単にできるものではないので、どれかひとつでもOKです。

  • Need:ユーザーの意図だけでなく、その裏の声と期待に応えるとしたら、他に何ができそう?
  • Catch:このページの第一印象がポジティブだったら、どんな心の声が聴こえる?それを実現するには?
  • Engage:このページに、信頼性・専門性・権威性・独自性がプラスされるとしたら、それぞれどんなこと?
  • Advance:「これならクリックしたい!」と思える、CTAのサブメッセージは?

CTAの改善は、即効性も高いです。ボタンに添えて背中を押すためのコメント(サブメッセージ)は、できるところから付けてみてください。こんなかんじになります👇

\ わからないことがわからなくてもOK! /

サブメッセージは、ボタンと同じこと(「詳細はこちらから!」など)ではなく、ユーザーの不安や期待に沿っていることが大切です。PVが多いなら、A/Bテストもオススメ。

[Leave]弊社カエルコムニスの事例

これまでのことを振り返ってみると、以下のようにまとまります。

  • Leave:選択基準がわからず迷ってあきらめるか、公式サイトに進んで終わる

無理にまとめなくても良いのですが、重要度がはっきりしているとこれくらいシンプルにまとまります。アタマの中はこんな感じ。

  1. Need)「ストレングスファインダー_受け方」以外のクエリにも対応できるかも
  2. Catch)テキストばかりだしスクロールしないと全容がわからないから、読むのが面倒かも
  3. Engage)画面を占有する写真は大きすぎるので、心理的負担をかけて疲れさせてしまうかも
  4. Engage)アクセスコードの購入方法で迷って公式サイトを選ぶかも(自サイトへの誘導がイマイチ)
  5. Engage)流れが長めなので、スマホだと面倒に思われるかも
  6. Advance)公式サイトに離脱したら戻ってこないかも(特に企業で受ける場合)

「ストレングスファインダーを受けたい(問題なくスムーズに)」の Need に応えることが最優先です。あとはまあ、できることをやる感じで。

せっかくなので、より良くするための項目も考えてみました。

ユーザーの意図だけでなく、その裏の声と期待に応えるとしたら、他に何ができそう?

やっぱりPDFを作ったほうが、企業など大量に受けた方に使ってもらえるし、接点もできそうなんですよね。就業時間内にやるところもあれば、自由に受けてもらうところもありますし。

このページの第一印象がポジティブだったら、どんな心の声が聴こえる?それを実現するには?

「わかりやすっ!」「なるほど〜!」だと思うので、図解はしたけれど……漫画……?(予算オーバー)

このページに、信頼性・専門性・権威性・独自性がプラスされるとしたら、それぞれどんなこと?
  • 信頼性:動画で顔出ししてると信頼感増しそう。あとは被リンクをもらえる施策かなー
  • 専門性:このページで専門性を出すなら、企業向けに活用までを想定したPDFをつくると良さそう
  • 権威性:Gallup 認定コーチのバッジ?実績はあまり出してないので、うーん……
  • 独自性:これまでに実際にいただいた質問と回答とか?
「これならクリックしたい!」と思える、CTAのサブメッセージは?

ちょっとCTAが色々ある特殊なページなので、もし企業向けに出すなら「活用までを網羅した30Pが無料!」とかかなあ。この施策は重いので、やるなら研修サービスとの兼ね合いから考え直さないと。

SEOとCROには相関関係がある

……そうです。具体的なソースは、後ほど追記するとして。

SEO(Search Experience Optimization)は、検索結果の画面でのユーザー体験を最適化することです。AIが台頭しキーワードの順位を追うだけの時代ではなくなっています(だから私は Engine より Experience 推し)

そしてCRO(Conversion Rate Optimization)も「Customer Relationship Optimization」と言えるくらいには、ただ成果を得られれば良いのではなく、顧客との関係性を最適化すると考えたほうがビジネスは成長する時代でしょう。ユーザー(顧客)の側から考えたら、相関関係があっても不思議はありません。

Microsoft Clarity は、このCROのヒントをたくさん得られるツールですし、UNCEALは、特に主要なページを対象に考えることを前提にしたフレームワークなので、当然、CROに役立ちます。とはいえ、今回初めてつくったフレームワークなので、さまざまなケースを試しながら調整していけたらと思っています。

UNCEAL は個人でも使えるくらいにシンプルなフレームワークですが、オンライン/オフラインでワークショップもできますので、一緒に楽しみたい方はご相談ください。

\ UNCEALで自社サイトを改善したい! /

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【Microsoft Clarity 事例】ネット回線マニアさま(アフィリエイトサイト) https://clarity.kosgis.com/blog/microsoft-clarity-case-study-net-kaisen-mania/ Tue, 25 Jul 2023 11:27:01 +0000 https://clarity.kosgis.com/?p=224

はい、ごめんください。クラリティ大好きコスギです。 今回もアフィリエイトサイト、ネット回線マニアさまのサイトを解析してみましたので、ご紹介します。 ということで、アフィリエイトサイトの中でもページに特化した解析を行います […]]]>

はい、ごめんください。クラリティ大好きコスギです。

今回もアフィリエイトサイト、ネット回線マニアさまのサイトを解析してみましたので、ご紹介します。

https://net-kaisen-mania.com/

特に解析してほしいページはありますか?

「【戸建て向け】月額料金の安い光回線ランキング7選!5千円以下で利用可能!」 です。2カ月前はCVが多かったのですが、最近あまりこのページから注文が発生しなくなったため。

一番CVRの高いページはどれですか?そのCVRが高いのはなぜだと思いますか?

「GMOとくとくBB光は公式特設ページからの申し込みが1番お得!工事費&解約金0円」 ですね。ページに訪れる方の目的意識が、すでに購入したいとはっきりしているためだと思います。

ということで、アフィリエイトサイトの中でもページに特化した解析を行います。GA4もきっちり連携されていてさすがです。Microsoft Clarity でコンバージョンを取得するのは Microsoft 広告との連携くらい(の認識:2023年7月現在)なので、ボタンクリックを確認してみましょう。

ユーザーの背景をペルソナとして行動仮説を立てる

では、マーケティングの王道である「誰に」の部分です。ネット回線をどれにしようか迷っている相手に対してのサイトということはよくわかるので、あとはもっと具体的な背景でページごとの判断は変わりそうです。

ちなみに、こちらのサイトが Google にどのように見られているかというと、以下のようなトピックで構成されているようです。

  • 違約金
  • オンラインゲーム回線
  • ホームルーター
  • フレッツ光
  • 解約金
  • キャッシュバック
  • nuro光 …… など。

「違約金」や「解約金」が含まれていることから、Google からは「乗り換えの情報に強いサイト」と見られているフシがあります。……と、私は判断するのですが、こういったトピックは実際のサイト運営者が確認するのが一番ですね。競合サイトと見比べてみて、自分のサイトがニーズマッチできているかを考えるネタにしてください。

先日の住さんのセミナーで「今はエンティティと検索意図の時代」というのが印象的だったので、分析にもエンティティ(Google は「トピック」と表現しています)を考えてみようと思った次第です。ちなみに上記はサイト名を画像検索したときに出てくる項目。

ユーザーの背景からペルソナにする

今回も特定のページを解析するため、シンプルなニーズに基づいたペルソナを考えています。

今回は上記をふまえ「自宅のネット回線の乗り換えを検討しているユーザー」と想定します。こちらのサイトは意外と(?)パソコンからのアクセスも25%程度ありますが、ほとんどはモバイルなのでスマホから確認してみましょう。確認するのはこちらのページ。

https://net-kaisen-mania.com/cheap-ftth-ranking-home/

現在のユーザーニーズに寄せるのであれば、Google サーチコンソールなどを使って流入クエリを見てみるとわかりそうです。たとえば、すでに選択しようとしているサービスがあるのか、全体を知りたいのかでも少し変わってくるんですよね。CVRが落ちているのは、時期的に、後者が減っている可能性もあるかもしれません。「光回線」の検索トレンドを確認すると、確かに山があるようです。関連トピックに「ahamo」があって、そのボリュームが倍くらいあるので、回線を引くということそのものの全体ニーズが落ちている影響もあるかもしれませんね。

Google トレンドで見たときの傾向

とはいえ、今回はサービスを比較したいというニーズを持って閲覧したと仮定して、ページを見てみます。

  • 日付が最近だから、だいぶ更新されてるのかな(2023.6.10更新)
    〈心の声〉作成日がないのは気になったけれど、「新しいのね」と認識できたので問題ないと思います。
  • excite MEC光の月額料金高いけど、ランキングは1位なんだ?
  • 割引なしで利用できる?割引がなくても5000円以下っていうことかな?
  • 新規開通と乗り換えのポイントって何だろう
    〈心の声〉ここは結論が出てなさそうですが、情報量のおかげで忘れました……チェックポイントがある割には新規と乗り換えのところにはコメントがないのがちょっと気になります。
  • 高速料金っていうのがあるんだ。開通工事費は無料がいいね。
    〈心の声〉「すでに探していればわかる言葉」は、他のサイトを見る状況をつくる要因になるので、本当に初めての方を想定して情報設計しておくと、他のサイトを見なくても検索を終わらせることが可能になると考えられます。
  • 開通工事費と開通手続き料の違いって何だろう
    〈心の声〉情報量が多いとやりがちですが、お金が関わってくる言葉のゆらぎはなくしておくことをオススメしたいです。
  • ボタンと「詳しくはこちら」は、同じURLなんだろうな。
  • GMO光アクセスは高速通信規格が標準対応してるのはちょっと期待できそう。これは乗り換えにいいんだっけ??
  • Fonの提供エリア知りたいな。公式サイト行けばいいのか…(公式サイト確認)…新潟はないのかー
    〈心の声〉情報を載せないことでクリックを誘導できるのはとても良いと思います。
  • スマート光はキャンペーン特にやってないけど、開通工事費が無料?通常プランと格安プランで開通工事費が違うだけなのか。高速通信ができるv6は申し込みしないといけないのね、めんどくさそう。
  • enひかりは難しそうだな.。月額料金はそんなに変わらなそうだけど開通工事費とか地味に痛いし。
  • おてがる光は有料オプションつけるとまあまあそんなに他と変わらないけど、ちょっと情報が少ないかなあ。
  • so-netのは見る感じすごく良さそうだし安いけど、みんなが使うから混雑するんだね。夜に結構使うから、確かにこれはないかな。
    〈心の声〉ユーザーの立場になっているコメントに好感が持てます。
  • 高速通信がすごく気になるけど、そもそも高速通信に対応してない光回線のスピードってどれくらいなんだろう。
    〈心の声〉離脱を防ぐ意味でコメントがあっても良いのかも?とは思ったんですが、アフィリエイト戦略的に載せていないのかもですね。
  • なるほど、開通工事費は実質無料よりも普通に無料になっているところを選んだ方がよさそうね。
  • MEC光がなんかすごく良さそうだけど、本当に大丈夫なのかなって気がする。ソネット光の件もあるし。なんかデメリットないのかな。
    〈心の声〉ユーザーの立場からのコメントがあるだけに、サイトに誘導することを想定したうえで、ランキング上位の2つに関してもリスクになりそうな点はあっても良いのかも?
  • GMOとくとくBBとGMO光アクセスって同じなのかな。
    〈心の声〉これはもうサイトの問題……GMOってそういうとこあるよね!
  • 工事不要ってどういうことだろう。フレッツ光や光コラボレーションからの乗り換えが便利ってことね。
    〈心の声〉元々フレッツ光を使っているユーザーは多いと思うので、リスクでもあるけれど乗り換えは一番オススメとしても良いのかも。
  • エキサイトMEC光はそこそこ良さそうなんだけど、リスクがないからちょっと怖いな。もうちょっと知りたいな。
    〈心の声〉ここで公式ページに誘導しても良いのかも?
  • Fonは割と有名なのかな?安かろう悪かろうってあるよね。
  • 戸建て向けの料金がまとまってのは分かりやすいけど、他にかかるお金ってないのかな。
    〈心の声〉関連ページを見ればあるかもですが、もし乗り換えに関してかかるお金の総額がわかるページがあれば、内部リンクとして誘導しておいても良いかも。
  • 関連記事、画像で見やすいなあ……(クリックせず離脱)
    〈心の声〉メリデメ記事を最後に入れたら回遊を促せるかも。

全体的に、7つのサービスについて具体的に取り扱っているのでわかりやすいですが、excite MEC光とGMO光アクセスの情報が重複している印象を受けました。ここはMicrosoft Clarityでどんな動きをしているのか検証したいところですね。

行動仮説を振り返る

では、心の声をカテゴリーに分けて考えてみましょう。

検証できること

解析データを見て検証できるポイントです。後述します。

  • (Fonの提供エリアの)情報を載せないことでクリックを誘導できるのはとても良いと思います。
    → 実際にそれぞれのボタンがどれくらいクリックされているのか、見てみましょう。
  • excite MEC光とGMO光アクセスの情報が重複している印象
    → スクロール率と離脱ポイントを確認したいですね。

戦略によること

改善できそうだけれど、戦略としてそのように打ち出しているかもしれないポイントです。

  • 作成日がないのは気になったけれど、「新しいのね」と認識できたので問題ないと思います。
    → 更新日のみにしている経緯などがわかると、参考にしたい人がいそう笑
  • ここ(新規開通と乗り換えのポイント)は結論が出てなさそうですが、情報量のおかげで忘れました……チェックポイントがある割には新規と乗り換えのところにはコメントがないのがちょっと気になります。
    → 情報がないことは検証できないので、ユーザーのニーズ設定によるところかなと思います。
  • 離脱を防ぐ意味で(デメリットに関する)コメントがあっても良いのかも?とは思ったんですが、アフィリエイト戦略的に載せていないのかもですね。
    → 高速通信に対応してないことのデメリットがすでにあるなら誘導するのもアリです。YES/NOのフェーズではなく、WHICHのフェーズなら、比較のためにデメリット情報は知りたいですしね → 詳細がそれでしたか/(^o^)\

改善施策に使えそうなこと

コンテンツとコンバージョンにつながる気づきなので、施策案になるポイントです。

  • ユーザーの立場からのコメントがあるだけに、サイトに誘導することを想定したうえで、ランキング上位の2つに関してもリスクになりそうな点はあっても良いのかも?
    → テキストの方は内部リンクなので、「〜の詳しくはこちら」より「〜のメリット・デメリット」というアンカーテキストで誘導するほうが良いですね(まったく気づきませんでした)。
  • 元々フレッツ光を使っているユーザーは多いと思うので、(絞り込むことになるため)リスクでもあるけれど乗り換えは一番オススメとしても良いのかも。
    → 総合的なランキングとしての記事ですが、新規と乗り換えのニーズに対してはぼやけている印象があるので、ユーザーニーズによってはページを新規と乗り換えの2つに分けても良いのかもしれません。ページを増やさなかったとしても、新規と乗り換えのポイントが明確に記載されていると「比較」のニーズに応えられるのでは。
  • 関連ページを見ればあるかもですが、もし乗り換えに関してかかるお金の総額がわかるページがあれば、内部リンクとして誘導しておいても良いかも。
    → 見落としがちな費用はあるので、表の項目ですべてならそのように記載しておくと安心できます。もし他にもあってすでに記事があるなら回遊を促すと良いですね。
  • メリデメ記事を最後に入れたら回遊を促せるかも。
    → アンカーテキストが「詳細」だと公式サイトに行くイメージがあったので、オススメ2つのサービスのサムネイルを2つ並べると回遊を促せそうです。

シンプルに気になったこと

小さな盲点やバグっぽいところなので、確認してどうするか決めて対処するポイントです。

  • 「すでに探していればわかる言葉」は、他のサイトを見る状況をつくる要因になるので、本当に初めての方を想定して情報設計しておくと、他のサイトを見なくても検索を終わらせることが可能になると考えられます。
    → これは「誰に」でどこまでの相手を対象にするかにもよるのですが、違和感は本人も気づかないうちに溜まっていくのですよね。ただ、すでに文字が多いので、もっと入れるのか……と悩むくらいなら「この用語は知っている相手」と定めても問題ありません。自分で定めている、と自覚してるなら無問題です(このサイトも「Microsoft Clarityという言葉を知っている相手」にしています)
  • 情報量が多いとやりがちですが、お金が関わってくる言葉のゆらぎはなくしておくことをオススメしたいです。
    → さまざまな表現ができる名称がありますが、お金が関わってくる項目名は表示が揺らぐと「え?別の項目でお金がかかるの?それとも同じだから気にしなくていい??」と混乱を招きやすいです。サイトやサービスによって項目名が変わる場合は「同じものです」と注釈を入れておくと良いですが、基本的には統一しておいたほうが安心してもらえますね。
  • (追加)また知名度もそもまで高くありません。
    → また知名度もそこまで高くありません。(ただの誤字)

データを見て検証する

今回の記事は Google トレンドとGAのセッション数を見る限りでは内部行動の最適化よりもSEOの影響のほうが大きいと考えられるのですが、公式サイトへのクリック率を上げること(コンバージョンに一番近いKPI)を考えます。

  1. それぞれのボタンのクリック状況を確認して、オススメ2つを伸ばしたい。
  2. スクロール率と離脱ポイントを知って、回遊を促したい。
  3. その他気になった点をまとめる。

クリックヒートマップを確認する

過去30日間×該当ページ閲覧×モバイル で絞り込んだ221セッションのクリックヒートマップを確認します。モバイルのデータなので、「クリック」というより「タップ」なんですけどね。

「Fon光の公式サイト」ボタンのクリックが一番多いですね(8.74%)。やはりエリアは気になりますよね。クリック報酬があるなら、情報を絞るのは有効です。ユーザーは、選択肢に入るかどうかをここで判断しているのでしょう。

ボタンクリックの次点は「excite MEC光の公式サイト」(3.83%)で、「GMO光アクセス」に至ってはベスト7のランキングからのクリックが多いですね(5.46%)。

目次でも「Fon光:4,378円」のクリックが目立ちます。特に価格がクリックされているので、やはり安さで選ぶニーズが強そう。↑で公式サイトがクリックされているのも、安さが理由なんでしょう。そして、目次の「So-net光minico:4,500円」がクリック数で4番目。やはり安さか。

目次よりも上にあるランキングにクリックが集まっています。表示している文章を変えることで、読者のニーズに合わせて誘導しやすいと考えられますね。今回はオススメ2つを推したいので、項目の最後に[オススメ]などを入れて検証してみても良いかもです。

ランキング
目次

スクロール率と離脱ポイントを知る

過去30日間×該当ページ閲覧×モバイル で絞り込んだ261ユーザーのスクロールヒートマップを確認します。この記事を数日かけて書いているので数字は若干異なっていますが、大きなイベントなどもなく、目的は変わらないためこのままいきます。

画面上で固定表示している要素があると、Microsoft Clarityのヒートマップは高さの100%にならないかもしれない……ということで、数値を確認してみます。

スクロール率の5%から10%に進むところで、訪問者数が大幅に落ちていますね。「% Drop off」の数値を見ても、7.77%→24.72% と、とても多いです(ここ、比較の数値にしてくれると使いやすいんだけどな……)。

この、Drop off(離脱)したところのコンテンツを確認すると、ランキング(上とは異なるもの)がありました。ここもよくクリックされています。ただこれ、外部ページへのリンクではなく、ページ内リンクなんですよね。クリックせずに離脱している可能性もあるのですが、クラリティのスクロールヒートマップへの不信がまた高まりました/(^o^)\

あとで録画も見てみましょう……

ランキングを2つ載せた理由にもよるのですが、もしここでページを離脱しているのなら、ここではランキングではなく、それぞれのメリット・デメリット記事を載せて、回遊を促す場所にしても良いのかもしれません。

スクロール率
5%〜10%内でクリックされたところ

録画(の Copilot )で離脱をもう少し確認する

回遊のポイントがどんなところにありそうか、クラリティの録画(レコーディング)機能で確認してみます。

今回は過去30日間×該当ページ流入×モバイル×セッション数≧3 で絞り込んだ11件の動きを実際に確認しつつ、Copilot で得られたデータを確認することにします。直帰(離脱)したデータからは何も得られないので、解決できている行動から情報を得ようと判断した次第。

ちなみに今回、Copilot のデータを集めたものをCSVファイルにして ChatGPT の Code Interpreter を使ってみたんですが、「これだけじゃなんとも言えないっす(超意訳)」と言われたので、私の仮説立案がメインです。

  • モバイルですが、Yahoo! からの検索流入が多いです。一部は Google ですが、どちらにしても「光回線 比較 安い 戸建」がといったサジェストキーワードに最適化できていると判断できます(順位は不明なので、SEO視点での改善の余地はあるのかも)。
  • ページ内でかなり動いていることがわかりました。また、外部サイトや詳細を見て戻ってくる動きも多いので、やはり「詳細」という文言に改善の余地があるのでは?
  • 他のページを見て、月額料金以外にもかかる金額をチェックしている動きがありました。追加費用が詳細記事にあるなら、「追加費用も確認」などのリンクテキストで回遊を促せそうです。

私なら、該当ページからのCVRが低いのなら、回遊を促して詳細ページでCVしてもらえれば良いと考えます。買い切りの単発サービスではなく、継続課金するサービスなので、回遊によって安心を醸成することは悪くないですし。

何より「ページに訪れる方の目的意識が、すでに購入したいとはっきりしているためだと思います」という仮説のとおり、詳細記事への流入をサイト内から起こせるなら、このページは間接CVにつながるランディングページとして優秀だと考えます。

ダッシュボードでパソコンとモバイルとの流入傾向の違いを見る

今回は Google アナリティクスを確認していないので、クラリティで確認できるだけのマクロデータを見てみます。過去30日間のみで絞り込んだ11,885件のトータルセッションで、(上記で検証したこと以外に)パソコンユーザーとモバイルユーザーの違いで気になった点を挙げてみました。

パソコンからの閲覧が25%あり、Google からの流入が多くを占め、2022年7月1日の法改正にともなう光回線各社の変更点まとめ【電気通信事業法】SIMフリーのホームルーター『ドコモ home 5G』にpovo2.0やプリペイドSIMを挿してみた!が一番多く読まれていました。そこで、それらの記事の閲覧に絞ってみると、それなりに精読されているようです。クリックヒートマップを確認すると、テキストをコピーしている行動が多く見られたので、本人が他者に説明するための参考にしているのではないかと思われました。

奥行きもアクティブ時間もそこそこありますが、ほとんど回遊していません。

個人的に、想定しているユーザーではないたくさんの流入数は、判断を狂わせるのでオススメできません。モバイルユーザーとは異なるユーザー層のイメージですが、コンバージョンにつながる可能性があるのなら最適化できると良いですよね。

モバイルからの閲覧は70%ほどで、やはり Google からの流入が多く、解約済みのソフトバンクエアーを光回線のWi-Fiアクセスポイントにする方法 が20%ほどの流入を占めていました(昨年末の記事なので、安定して流入しているのかどうかは Google サーチコンソールなどを確認するのが一番です)。この記事もあまり回遊されていないですね。クリックヒートマップを確認すると、ページ内リンクや目次のクリックが目立ったので、設定方法をなぞっているユーザーが多いと思われます。数字の書いてある画像には、やはりクリック跡がありました。

この場合も、ユーザーの役に立っているものの……という印象は拭えませんが、メルカリのクーポンをコピーしたような形跡は1件見つかったので、CVにつながっていないとは限らない……とも考えられます。日付が古いので、更新してみても良いかもしれませんね。

ちなみに、ずっと検証してきた該当ページのデータはこちら。モバイルの滞在時間はパソコンよりも短くなる傾向はありますが、上記のデータと比べると全体的に「読まれていない」という印象があるのではないでしょうか。しかし時期やトレンドを見ながらSEO方面の改善をしつつ、CVにつながるページへのハブとして回遊を促すことを考えることもできます。ランキングは一定のニーズがあるので、(ニーズマッチする)流入数の多いページから誘導する施策もオススメです。

流入数(量)の多さは、コンバージョンの成功(質)があってこそ。どちらも大切にしたいですね。

ということで、施策案

()内は変化すると思われる指標です。

  1. 「詳しくはこちら」という表現を文脈に合わせた具体的な表現にする(セッション別のページ数↑)
  2. 画像はクリックすると拡大できるようにしておく(クリック数↑&エンゲージメント↑)
  3. 流入数の多いページから乗り換えのオススメランキングとしてリンクする(ページのセッション数↑)
  4. 新規ニーズと乗り換えニーズの両方にメリデメをまとめる(目次からのクリック↑&離脱↓)
  5. もし、お金の総額がわかるページがあるなら誘導する(セッション別のページ数↑)

すでにやれることはやっているアフィリエイトサイトなので、トレンドの影響を大きく受けている印象があります。少なくとも回遊を促すことはすぐにできると思うので、このページにこだわりすぎず、サイト全体でCVRの高いページを育てると良いのでは。

ページ内で頻繁に移動しているため、目次に移動する何かがあると良いのかなとも考えたのですが、ユーザーは慣れないインターフェイスは使わないので、悩ましいところです。

優位性のあるニーズに最適化しよう

今回は迷っているユーザーに月額5,000円以内という条件を出し、7つの選択肢を提示し、絞り込んでいく流れです。この流れは「買う/買わない」から「どれを買うか」に遷移させる、非常に良い戦略です。

ただし、キーワードはサジェストワードになっているため、競合も多いのではないでしょうか。つまり、みんな同じことを考えているわけですね。そこで違う観点を入れることができれば、一定のニーズに対する優位性ができます。

SEOは自らの専門性を発揮させることが大切ですが、アフィリエイトサイトといえどもそれは同じ。Google もE-E-A-Tを重視してランキング調整してますし。むしろアフィリエイトサイトは、本家が十分にカバーできない視点からの情報をフックにしてニーズマッチさせることが大切なので、キーワード選定もロングテール狙いになりますね。

キーワード選定や文章の構成は住さんの記事がとても参考になります。

https://www.bodhi.co.jp/content-planning-and-keyword-selection

前回の記事でもお伝えしましたが、日本アフィリエイト協議会(JAO)さんはたくさんのノウハウを提供しています。私も普通に学びたい内容が盛りだくさん。

ひとまず、今回の分析はここまでです。

Microsoft の方もおっしゃっていましたが、やはり Microsoft Clarity は定性分析がメインで、定量分析と合わせて効果を発揮するため、どちらも考えて量と質の両面から改善したいですね。

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【Microsoft Clarity 事例】華子のネイル時々コスメdiaryさま(アフィリエイトサイト) https://clarity.kosgis.com/blog/microsoft-clarity-case-study-hanazatsugaku/ Sat, 20 May 2023 23:29:34 +0000 https://clarity.kosgis.com/?p=213

はい、ごめんください。クラリティ大好きコスギです。 Microsoft Clarity の活用事例として、華子のネイル時々コスメdiaryさまのサイトを解析してみましたので、ご紹介します。アフィリエイトサイトですね。 と […]]]>

はい、ごめんください。クラリティ大好きコスギです。

Microsoft Clarity の活用事例として、華子のネイル時々コスメdiaryさまのサイトを解析してみましたので、ご紹介します。アフィリエイトサイトですね。

https://hanazatsugaku.net/

アフィリエイトサイトなので、正式なコンバージョンはサイト上では取れないのですが、A8メインでクリックを増やしていけたらと思っています。

ということで、アフィリエイトサイトの解析です。Google アナリティクスは導入されているようですが、記事執筆時には連携されていないので、ある意味クラリティのみでどこまで解析できるかという事例ですね。

ご相談にあるとおり、正式なコンバージョンはサイト上で取れないうえ、解析ツール上ではコンバージョンの設定もされていない(コレも改善点です)ので、今回は流入の多いページを中心にユーザーの流れを追い、外部ページへのクリック状況を探ります。

ユーザーの背景をペルソナとして行動仮説を立てる

アフィリエイトサイトといえど、流れは変わりません。むしろ、具体的な商材を扱うアフィリエイトのほうが、ユーザーをハッキリさせておく必要があります。

ユーザーの背景からペルソナにする

ペルソナの解像度をどこまで上げるかはケースバイケースですが、今回は特定のページから解析するため、シンプルなニーズに基づいたペルソナを考えています。

では、ユーザー目線でサイトを見るために、「ジェルネイルに興味を持ってスマホで検索している人」という想定でユーザーの行動仮説を立てます。

スマホで見てみないことにはちゃんとユーザーになりきれないので、実際にスマホで検証してみます。ただ、今回は一番流入の多いページを解析対象にするため、このページに入ってきたニーズを持ったユーザーになりきってみます。

対象ページはこちら。Google や Yahoo! からの流入が多いことは確認できたので「ショートネイル デザイン」で検索してきたと仮定しましょう。

https://hanazatsugaku.net/7003.html
  • (タイトル見て)22選って結構多いな、期待できそう
    〈心の声〉やっぱりタイトルに数字入れるのは効果的!……ん?21個?
  • (目次を見ながら)派手ポップと…シンプルの2パターンなのね。まあ上から見てみようかな
    〈心の声〉22選とあったのに2パターンしかないの?という印象。季節ごとのカテゴリを増やしてもいいかも?
  • 塗りかけネイルって汚く見えるんだよね…コツってないのかな?
  • 血色ネイル…あ、やり方書いてある。後で見てみよう
    〈心の声〉ここで次のページに遷移しても戻ってこれるから大丈夫かな。検証したい
  • ドロップ&ルチル、かわいい!きれい!こっちもあとで見てみたいな
    〈心の声〉見たいページがいくつかあるときは、行ったり来たりしてそう。
  • カラフルネイルは試し塗りくらいの気軽さでできそう。確かに〜
  • クリアパーツ、きれいなんだけど外れそうな気がするんだよなあ…
  • ドットはいいよね。こうやって、他のタイプと合わせるのもいいよね。シンプルじゃないんだ?
  • 花をつくるのって結構大変なんだけど、花びらならいけそう!後で見てみよう
    〈心の声〉こうやって見たいページが結構あるから、サイト内検索は結構使われているんじゃ?
  • オーロラは派手だから、確かに短いほうがいいのかも?服に合わせるのってどうだろう…
  • セリアで揃うのはいいよね
  • ブルーグラデにグリーンのせるのね。なるほど、後でチェックしたいな
  • あ、シンプルに来た
    〈心の声〉唐突感があったので、派手&ポップのネイルを詳しく説明しているリンクをテキストで入れても良いかも。
  • 囲みミラーか。統一感あったほうが好きだけど、こうやってランダムにするのもアリかも。
  • グラデは短いとなあ……あ、コツがあるのは後で見たいな
  • 黒もいいけど、ゴールドのドットもいいね。カラードットもありかも?
  • グレージュって目立たないけど爪がキレイに見えるんだよね。
    〈心の声〉「マオジェル」にリンクが入るなら入れても良いかも?
  • うねうねはアクセントにいいね
  • 秋か〜、今の時期には関係ないか
    〈心の声〉この辺りから時期に言及し始めたのでまとめたほうが読者は選びやすそう
  • クリスマスはカワイイけど、時期を選ぶよね
    〈心の声〉季節ごとのオススメネイルデザインの記事があってもよさそう
  • ベージュラメはシンプルであまり目立たせたくないときにいいよね〜
  • ラメが少し大粒だと存在感あるね
  • スキンカラーオンリーでもまあ確かにいいけど、なんかもうちょっとほしいな、次
  • 大理石ネイルも定番よね。説明みじかっ
    〈心の声〉だんだん適当になってきた気がする笑
  • シーグラス、夏っぽくて確かにこれからの時期によさそう
  • お、まとめだ。……手がキレイ?まだ続くのかな
    〈心の声〉まとめが短くてCTAが同じ画面に入っているのがとても良いので、スクロールが落ちていないか検証したい
  • ネイルしていると手をよく見るよね
  • グランジェネイルかあ、試してみたいけど他に情報ないならいっか
  • (スポンサードリンクの文字が目に入って)あ、終わりなのね。さっき見たかった記事どこだったけな〜(上に戻る)
    〈心の声〉画面が文字ばかりになるので、可能なら「グランジェネイルを見てみる」ボタンの下に商材用の画像を配置してリンクしたい

ページそのものが結構長いですが、画像があったので一つひとつ確認していった感じですね。ところどころ気になったやり方のリンクが貼ってあるのも好感が持てますが、どこだったかを探すのがちょっと面倒かも。

行動仮説を振り返る

では、心の声をカテゴリーに分けて考えてみましょう。

検証できること

解析データを見て検証できるポイントです。30日間のデータで確認しました。

  • ここ(塗りかけネイル)で次のページに遷移しても戻ってこれるから大丈夫かな。検証したい
    → 対象ページを閲覧したという条件での平均セッション別のページ数が1.08なので、むしろ、このページしか見られていないという状況でした。これはハウツーよりもデザインを見に来ている……?(の割に、デザインギャラリーへのアクセスは少ない)
    → ただ、クリックヒートマップを見ると関連ページをクリックしている数は少なくないので、GAのデータも確認したほうが良いかも。
  • こうやって見たいページが結構あるから、サイト内検索は結構使われているんじゃ?
    → 上記の仮説と合わせると、デザインでの検索が多いのかと思ったら「ベージュ」「フット」「サンディング」の単語が。ただし、そもそも検索が使われていないので、件数としては3件程度。ユーザーが検索に慣れていないだけで、UX/UIを調節すれば回遊改善はできそう。そもそも、WordPressがデフォルトで持ってる検索窓はシンプルすぎて拡張性が低いんですよね。結構可能性のある機能なんですが。
  • 見たいページがいくつかあるときは、行ったり来たりしてそう。
    → 全体の平均セッション別のページ数が1.19なので、基本は直帰。とはいえ、クイックバックは1%程度、スクロールの奥行きは40%以上なので、1ページだけ見て満足している可能性がとても高いですね。これなら、途中で何かを挟むより最後まで読ませてあげたほうがいいかも?
  • まとめが短くてCTAが同じ画面に入っているのがとても良いので、スクロールが落ちていないか検証したい
    → やっぱりスクロールヒートマップが役に立たないので、クリックヒートマップを確認しました。……が、CTAの文言が違う??クラリティはいくつかのスクショを確認できるので、他のデータを見てみたところ、30日以内に変更していたことがわかりました。クリックの状況だけを見るなら、CTAとなりうるリンクは早めに出しておいたほうが良さそうです。

戦略によること

改善できそうだけれど、戦略としてそのように打ち出しているかもしれないポイントです。

  • 「マオジェル」にリンクが入るなら入れても良いかも?
    → ところどころ商品名が入っている(ように思える)ので、テキストにリンクしておくのもアリかなと思いました。

改善施策に使えそうなこと

コンテンツとコンバージョンにつながる気づきなので、施策案になるポイントです。

  • (タイトルに)22選とあったのに2パターンしかないの?という印象。季節ごとのカテゴリを増やしてもいいかも?
    → これは派手ポップ(10選)、シンプル(10選)、季節別(2選)と、()で数字を入れておくと違和感がなくなります。やはり数字の説得力は大きいので、タイトルで数字に惹かれた方々の期待を受け止めるような流れになっていると良いですね。
  • (後半の)この辺りから時期に言及し始めたのでまとめたほうが読者は選びやすそう
    → 上記に関連して。季節感はデザインギャラリーでまとまっているようなので、そちらに誘導することで回遊率も高まりますね。
  • (CTA付近)画面が文字ばかりになるので、可能なら「グランジェネイルを見てみる」ボタンの下に商材用の画像を配置してリンクしたい
    → 上記で検証したデータを見る限り、CTAの上部にグランジェネイルへのテキストリンクは配置しておいたほうが良さそう。そのうえで、商材用の画像があるなら追加できるとベター。

シンプルに気になったこと

小さな盲点やバグっぽいところなので、確認してどうするか決めて対処するポイントです。

  • やっぱりタイトルに数字入れるのは効果的!……ん?21個?
    → 数字を使うなら、数字は合わせておいたほうが良いですね。増えるとわからなくなりやすい気持ちはわかります笑
  • 季節ごとのオススメネイルデザインの記事があってもよさそう
    → デザインギャラリーは季節感を出しているようですが……本文中に動線を入れていないのはなんでだろう?スマホではグローバルメニューが隠れているから、ギャラリーの存在はわかりにくいんですよね。
  • (シンプルデザインに入る際に)唐突感があったので、派手&ポップのネイルを詳しく説明しているリンクをテキストで入れても良いかも。
    → クリックヒートマップを見たら途中でもクリックはされているっぽいので、ここまではいらなそう。ただ、ちょっとしたまとめがあると良いかも。特に塗りかけネイルへの関心は高そうですし。
  • (一部のネイルのデザインに関して)だんだん適当になってきた気がする笑
    → デザインを見に来ているユーザーが多いのでコメントは少なくても良いのですが、「なぜこれが好きか」をあえて言葉にしておくと共感が起きやすいです。大理石なら「大理石とマーブルって一緒のことなんですよね。シンプルだけど高級感があって◎」みたいな感じで。リンクは見ればわかるので「やり方はこちら」の文言よりも大切です。

データを見て検証する

では、ひとまずわかりやすいところで最後のCTAである「グランジェネイルを見てみる」をクリックしたデータを確認します。ポイントは、以下。CVを直接確認できるものではないので、多くはないです。

  1. 行動に共通点があるかを探りたい。
  2. デッドクリックを具体的に確認したい。
  3. その他気になった点

録画(の Copilot )を確認する

クラリティの録画(レコーディング)機能はユーザーの行動が記録されているので、とても頼りになります。ということで、過去30日間×該当ページ閲覧×「グランジェネイルを見てみる」のテキストをクリック で絞り込んだ結果、4件の録画データがありました。すべて iPhone からのアクセスです。

その4件の動きを実際に確認しつつ、Copilot で得られたデータを ChatGPT にも確認して気づいた共通点やデッドクリックに関しては、以下の点です。

  • 「ショートネイル デザイン」で検索流入している。このキーワードで来ているユーザーがなぜCVまで行かないのかを確認したい。
  • 他のページに遷移せず、デザインをじっくり見ている。じっくりじっくり下まで見て、その流れでCTAまで進んでいると考えられる。
  • もっと見たい画像については、やはりタップされている。けれども画像は拡大しないので何度かクリックされている。デザインに興味を持って訪れたユーザーなので、拡大できるようにしておいたほうが満足度は上がりそう。

理想的なユーザー像ではあるけれども、回遊しないのは別問題。そもそも、ネイルデザインに関心を持って訪れたユーザーが、手に関心を向けられても違和感があるような。ということでこのページ、もともとのユーザーニーズとCV訴求がずれていると考えられるんですよね。

今回のユーザーのように「読むユーザー」より「見るユーザー」の方が多いと考えられる(私が上記のペルソナとして設定したのは「読むユーザー」でした)ので、検索流入ユーザーの動きを Copilot で確認してみましょう。

クラリティは特定のクエリでの絞り込みはできないため、該当ページ閲覧×チャネル:OrganicSearch×セッションページ数3以上×クリック数5以上×過去30日間 で絞り込んだ結果、12件のレコーディングが得られました。ヤフーの流入は除外されるのな……?

その12件の動きを実際に確認しつつ、Copilot も参考にしたデータから得られたことは以下のとおりです。

    • 共通して「セルフネイル デザイン」や「ショートネイル デザイン」で流入している。おそらく狙ってできているSEOだと思うものの、画面上部の2つのセルフジェルネイルに関する項目はクリックされていない。30日間のデータでも、モバイルで1件、PCで0件のため、カットする/小さくするなどして、画面を専有しないよう改善する余地あり。
    • 夏向けのデザインを探していた行動データがあったので、↑の枠は季節に応じたオススメ記事+(CVしやすい)ネイルお悩みにしても良いかも?
    • (ちょっと憶測が入りますが)ユーザーは形状よりも色や雰囲気でネイルデザインを探しているようです。もちろんじっくり見ているユーザーもいますが、スクロールの状況を見ると、赤系統や青系統で動きが止まるような様子が見て取れます。ただ、このデータからはCVには直接向かいにくいと思うので、参考までに。
    • とにかく画像がクリックされる。が、拡大されないために何度もクリックされる。ここは戦略的に見せていないのか、そもそも想定していなかったのかで考え方が変わるものの、後者ならやはり拡大できるようにしてあげたほうが良さそう。ちょっとイケナイ心理学的な話になりますが、画像をクリックする→拡大されるという認識ができると、商材の画像も(拡大を期待して)クリックしやすくはなります。その後が大切なので、前後の文言を調整し、クリックして後悔させない情報設計にしたいですね。

……まあ、だいたい4件見たときと同じような印象です。クエリは得られましたが、そもそもGoogle サーチコンソールを見ればわかるデータなので、今更感はあるでしょう。こういうことがあるので、クラリティは Google アナリティクスや サーチコンソールとセットで見ておく必要があるんですよね。

ダッシュボードを確認してみる

今回は Google アナリティクスを確認していないので、クラリティで確認できるだけのマクロデータを見てみます。過去30日間×該当ページ閲覧 で絞り込んだ2,626件のトータルセッションで、(上記で検証したこと以外に)気になった点を挙げてみました。

  • 平均滞在時間は2分ほどでも、半分以上はアクティブな状態。かつスクロールの奥行きは50%を超えているので、やはりじっくり見られているページとして優秀
  • デッドクリックは6.36%なので、多くはないけれどどこをクリックしているのかは気になりますね。画像のデッドクリックが多いなら、やっぱり拡大させてあげたいそして私がこのように細部を気にする読者なら、「ジェルネイルのキットってどれも一緒でしょ?」と思いつつも違いがあるなら知りたいので、アフィリエイトにおいては商材を実際に使ってみたページは必要なんだなと思った次第(あるならリンクさせたい)
  • 流入時に「ssp_iabi」のパラメーターがついている。これは Pinterest からの流入で、pinterest.com からの流入はヤフーより多いので絞り込んでみるとこれまたじっくり閲覧するユーザーが。意識して Pinterest を運用しているなら続けてほしいし、偶然なら運用しない手はないです。

以上から得られたことは、ほとんどが「まあ、そうだよね」だと思うのですが、ここで実現できているノウハウを他のページ、特に検索クエリ(ユーザーニーズ)と合致しやすいCVポイントのページで実現できるように応用することが大切です。

ということで、施策案

()内は変化すると思われる指標です。セッションページ数(回遊)と商材への遷移数アップ!

  1. ページ上部の「セルフジェルネイルやり方」の代わりに、季節に応じたコンテンツをまとめた記事もしくは、デザインギャラリーへの導線をつくる。CVに近そうなお悩みも入れてみて検証したい(セッションページ数↑)
  2. 画像はクリックすると拡大できるようにしておく(クリック数↑&エンゲージメント↑)
  3. (問題ないなら)テキストで商材へのリンクを入れておく(商材への遷移数↑)
  4. 商材の画像を使えるなら使う(商材への遷移数↑)
  5. (やってなければ)Pinterest を積極的に活用する(流入数↑)

さほど目新しいことはないと思いますが、12時間くらいかけてしまったので、やはりコンバージョンがハッキリしていないと解析も紆余曲折してしまうことを実感しました。というか、想定以上にCV遷移(「グランジェネイルを見てみる」のクリック数)が少なかったので、別のCVポイントを確認しておいたほうが良かったですね。

ユーザーニーズに応えて検索を終わらせよう

ネイルに関しては専門用語が多いので、クエリによってかなりニーズがわかりやすいと思います。アフィリエイターさんはSEOが命なので、Google サーチコンソールや Bing ウェブマスターツールを活用していただきたいですね。特に Bing ウェブマスターツールはSEOチェック機能がついているので、割とオススメですよ。

私はネイルに関してはド素人ですし、アフィリエイターではないですが、自分のサイトで自分のCVポイントを持っています。そんな身としては、やはりインフォメーショナルクエリ(情報を知りたいニーズ)に対しては惜しみなく情報を渡して、次に気になる疑問に回遊動線をつくり、サイト内で解決を求めるニーズにまで発展させたところで、CVにつながりやすいページまで動線をつくるのが王道だなと、改めて思いました。

要するに検索エンジンに戻らせず、サイト内回遊によって Know → Do → Buy を実現するような流れです。

このあたりは日本アフィリエイト協議会(JAO)さんのほうがノウハウがあると思うので、アフィリエイターさんは会員になっておいたほうが学びやすいし、成果も出しやすいと思いますよ。アフィリエイターさんが知ってて損はないセミナーも定期的に開催されているので、オススメです。

ひとまず、分析はここまで。

https://www.japan-affiliate.org/
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【Microsoft Clarity 事例】株式会社リクトさま(ウェブサイト制作・マーケティング) https://clarity.kosgis.com/blog/microsoft-clarity-case-study-lct/ Thu, 04 May 2023 07:22:43 +0000 https://clarity.kosgis.com/?p=185

はい、ごめんください。クラリティ大好きコスギです。 Microsoft Clarity の活用事例として、福岡市にある分析・提案型のWebサイト制作・ マーケティング会社、株式会社リクトさまのサイトを解析してみましたので […]]]>

はい、ごめんください。クラリティ大好きコスギです。

Microsoft Clarity の活用事例として、福岡市にある分析・提案型のWebサイト制作・ マーケティング会社、株式会社リクトさまのサイトを解析してみましたので、ご紹介します。

https://www.lct.jp/

紹介や補助金がらみでの受注が多いんですが、補助金や紹介以外の新規の見込み客の数を増やしたいんですよね。サイトのコンバージョンとしては、資料ダウンロード数を増やしたいと思っています。

こんなお話しをいただきました。ウェブ解析士つながりなので、まあ話の早いこと早いこと。Microsoft Clarity もすでに導入済みなうえ、Google アナリティクスとも連携されていらっしゃるので、早速解析できます。

ということで、事業課題に直結する「資料ダウンロード数」の向上を考えていきましょう。

ユーザーの背景をペルソナとして行動仮説を立てる

ユーザーの背景からペルソナにする

ペルソナをつくる際には社内共有の目的もあるので、本来はもうちょっと具体的にしますが、今回は私の脳内で「A子さん(総務・40歳)」をつくって、その経緯を想定します。属性情報は偏見で考えやすくなるだけなので、そんなに重視していません。

では、ユーザー目線でサイトを見るために、「会社(製造業)のホームページのリニューアルをすることになり、その会議の席にいた総務の担当者(更新したりはする程度)が業者を探すことになった」という想定でユーザーの行動仮説を立てます。

ですが「福岡 ホームページ リニューアル」などのキーワードで検索結果に出てこなかったため、ちょっとペルソナ設定ミスったかなと思い、少し調整。紹介で成り立っているような業種は、そもそもホームページに成果を求める概念が薄い文化が多いんですよね。そんな業界だと、紹介以外で入ってくるのは難しいかもしれません。
Google マップを見ても、ライバルが多いんだろうなあと思いますが、成功事例などのタイトルでSEO的に伸び代があるのかも?

だもんで、2回目。「店舗(サービス業)のホームページをリニューアルすることになった。お知らせをLINEで配信したり、SNSの運用も来店を促すものにしたい。そんな会議の席にいた総務の担当者が業者を探すことになった」という想定で、行動仮説を立てます。

……という想定をしてみても、業種的に「合わない」と認識されそうと判断した(シミュレーションしてみたんですが、トップページの下方や業種の並びで明らかに離脱すると判断しました)ので、業種を不動産にします!

ちなみに、ペルソナ設定をあえてリクトさまと決めていないのは、予定調和をなくしたい意図もあります。理想的な顧客なんていませんからね。

ということで、三度目の正直!「不動産会社のホームページをリニューアルすることになった。お知らせをLINEで配信したり、SNSの運用もイベントへの来店を促すものにしたい。そんな会議の席にいた総務の担当者(パソコンで更新はできるし会議の内容も大体把握している。スマホは主に動画を見たりママ友とLINEする程度)が業者を探すことになった」という想定で、行動仮説を立てます。

ユーザーになりきって行動してみる

ここからは、上記の背景を持っているユーザーになりきって、なんの忖度もせずに行動してみます。そして、脳内にコンサルの自分を召喚しておき、時々突っ込んでもらいましょう。

ええと、ひとまず、直接トップページにたどり着いたところから始めます。
〈心の声:検索流入はまだまだ伸び代がありそうだなと思ったものの、そもそも紹介前提のサイトになっている印象を受けたので、これはこれで良いのかも〉

  • トップページの「サポート」に目が行く。サポートがあるのはうれしいけれど、結果が出ていないというより、これからなんだろうなあと思いながら、トップページをスクロール。
    〈心の声:BtoBの業態なので、パソコンから閲覧する人が多そう〉
  • 「無料配布中」に目が行く。タダより高いものはないよね(スルー)
  • (Webマーケティング)より「Web集客」に目が行く。そう、集客が大事なのよね。お店に来てくれるといいなあ。
  • 認定登録パートナー?が色々あるので、予算的には高そう。ちゃんと集客してくれるならいいんだけど。
  • コンセプトワーク?気になるけどわからないからいいや(スクロール)
  • 成功事例は気になる。でも、建設・不動産業が多いのか……そういう業種に特化してるのかな?信頼できそうだけど、ライバル会社を扱っていないかが気になる。
    〈心の声:紹介なら問題なさそうだけど、新規の方を想定したら違う業種も出したほうが良いのかも〉
  • やっぱり、サポートしてくれるのはうれしいな。その分、高そうだけど……
  • サービスにSNSってあるけど、SNSの広告運用だけなのかな。リニューアルとSNS運用をお願いしたいんだけどな……
  • 業種別に不動産があった。見てみよう(ポチ)
    〈心の声:ここで制作事例に移ったことに気づきませんでした〉
  • へぇ〜……(各事例をポチポチ)(サイトのサムネイルをポチポチ)大きくならないのか。導入サービスにSNSないのかあ……
    〈心の声:ここらでまたペルソナ設定間違えたかなと思うなど。ただ、SNSがないのは個人的にはスコシフシギ〉
  • 相談内容と提案内容が掲載されているのは1件だけなのね(物足りなそう)
  • 「成功事例」か。どれくらい事例があるのかな([成功事例]をポチ)
  • ここにもSNSがないから、SNSには弱い会社なのかなあ?でもリニューアルってあるから、事例見てみよう……
  • ……ふむふむ。SNSの相談をすれば相談に乗ってくれはするんだ。でも広告かあ。まあ、広告のほうが楽だよね。
  • 割と、社長さんと知り合いという方が多いなあ。初めてだけど大丈夫かな……近くなら、顔合わせできるといいのかも。
  • ああ、LINEの成功事例もあるのね。やっぱり成果は出やすいのね。
  • ……ふむふむ。やっぱり実績をちゃんと出しているところからして、信用できそう。
  • 制作事例……(開く)業種別カテゴリーに不動産ってあるから見てみよう(ポチ)
  • ん?あれ?さっき見たページ?(詳細をいくつかクリックしてすぐ戻る)……なんだ、じゃあいいや。
  • お客様の声……(開く)不動産があるから見てみよう。
    〈心の声:ラベルの左マージンがないのが気になる……〉
  • 契約前に相談できて、補助金に関しても相談できるのね。使える補助金あるのかな。
    〈心の声:フッターが表示されないので、このページに資料請求のCTAがないのはもったいないかも〉
  • で、どんな会社だっけ?代表あいさつ……この人が山口社長かな?若いんだな。
    〈心の声:社長の名前の記載がないので、画像の下にでもあったほうが……〉
  • 事業コンセプトにはSNSって書いてあるから、できないわけじゃないんだ。
  • それなりにちゃんとしてそうな会社だな。個人じゃないし、信用できそう。
    〈心の声:沿革の年月表記の改行が気になる……っ!〉
  • チェックリストやポイントがわかる資料をもらえるんだ。無料でもらえる資料ってこれか(やっと認識し始めた)
    〈心の声:トップページの資料請求にある画像、フッターに持ってきてもいいかも?〉
  • 資料ダウンロード……あ、そのままダウンロードできるわけじゃないのね。(一度落胆)
    〈心の声:ここで前のページに戻ったり離脱したりしている可能性もありそう〉
  • どういうチェックリストなのか知りたいな……コンセプトワークのテンプレートとかどうでもいいんだけど、うーん……
    〈心の声:3つくらいチラ見せしておいても良いかも〉
  • 資料の内容って、なんだろう?これが12のチェックリスト??なにか違う気がする。よくわからないな(不信感)
    〈心の声:記述との整合性が取れていない可能性が高いので改善の余地あり〉
  • じゃあ、会議資料のためにもダウンロードしておこうかな……名前?私よりも社長がいいのかな?まあ、私でいいか。
  • メールアドレスは、総務のものにしておこう。みんなも見れるようになるんだろうし。
  • んー、プライバシーポリシーっていつも難しいからチェックでいいや。

ということで、送信。完了のページまでは確認していませんが、だいたい上記の流れで行動の仮説はできたかなと思います。何度か離脱しかけましたが、なぜ離脱したくなったのかを考えるのも必要ですね。

また、2つめまでのペルソナで気になったポイントも付記しておきます。そんなに役には立たないけれど、印象の可能性として。

  • (サービス一覧)文章を読んでいる最中にモーダルウインドウが出てくるのは、正直邪魔だな……(上記では出てこなかった)
  • 絞り込むくらい(お客様の声が)あるんだ。実績豊富だなあ。こっちはリニューアルとかのカテゴリはないのね。
  • ええっと、会社概要……(スクロール)あれ?ない?サブメニューあったっけ?(グローバルメニュー確認)……ないなあ……(スクロール)って、最後かー!

行動仮説を振り返る

まず、心の声で確認できるところは確認します。ちょっとカテゴリーに分けて考えてみましょう。

確認できること

解析データを見て判断できるポイントです。

  • BtoBの業態なので、パソコンから閲覧する人が多そう
    → Clarity の30日間データとしては、デスクトップが8割でした。モバイルが約2割。ただ、連携しているGAだとデスクトップが半分で、Otherが3割あるんですが……なんぞ?
  • ここ(資料ダウンロードページ)で前のページに戻ったり離脱したりしている可能性もありそう
    → Clarity のデータを見る限り、30日間はサンキューページに進んでいないことと、表示したセッションが52件、このページで終了したセッションが25件。予想は合っているようです。問題発見のやりがいがありますね。

資料ダウンロードページの仮説が検証できたので、今回はここを重点的に解析していくことにします(後述)。

戦略によること

改善できそうだけれど、戦略としてそのように打ち出しているかもしれないポイントです。

  • 紹介なら問題なさそうだけど、新規の方を想定したら違う業種も出したほうが良いのかも
    → ここはリクトさまの戦略によるので何とも。
  • ここら(各事例)でまたペルソナ設定間違えたかなと思うなど。ただ、SNSがないのは個人的にはスコシフシギ
    → ここもリクトさまの戦略によるのでなんとも。もし施策をやるなら、「やらないこととその理由」をどこかに入れてもいいのかも。お客様の多くが「SNSはやったほうが良いと思っているけれど正直面倒くさい」と感じているなら、そこに寄り添って、広告をオススメしているって考え方もあるので。
  • フッターが表示されないので、このページ(お客様の声)に資料請求のCTAがないのはもったいないかも
    → ブロックをスクロールによってフローティングさせて表示する弊害が出ている印象です。事例を見ている状態でCTAが見れないのは機会損失なんじゃないかなと思うので、フッターはそのまま表示させたほうが良いのかも。
  • トップページの資料請求にある画像、フッターに持ってきてもいいかも?
    → フッターは文字ばかりなので、トップページにある資料の画像を配置しても良さそうな。あと、「資料ダウンロード」よりも何が得られるのかに興味がわいたので、「25の改善ポイントチラ見せ」とか、すぐにダウンロードするものではないという認識合わせをしておくことも考えたいですね。

改善施策に使えそうなこと

資料ダウンロードページに関する気づきなので、施策案になるポイントです。

  • (チェックリストや改善ポイントを)3つくらいチラ見せしておいても良いかも
    → 初回ユーザーの心理状態では「コンセプトワーク」の重要性がイマイチ飲み込めなかったので、チェックリストや改善ポイントをチラ見せして、続きをダウンロードしてもらえると良さそうです。第1話を無料公開するようなやり方ですね。イイトコロで続きに誘導するのがポイント。
  • 記述との整合性が取れていない可能性が高いので改善の余地あり
    → 少し考えれば、これが内容だということはわかるのですが、「12のチェックリスト」「27の改善ポイント」という文言で認識しているので、混乱してしまいます。認識レベルに合わせた表現が望まれます。

個人的に、「コンセプトワーク」の重要性は め ちゃ く ちゃ わかります。制作やリニューアルという手段が目的化している状態では、成果が出ないためです。だからこそコンセプトに向き合う必要性があるのですが、新規の方にとってコンセプトワークは「よくわからない、面倒くさいもの」と思ってしまいがちなんだろうなと。そこのギャップを埋めるためのステップをつくる必要性を感じました。

シンプルに気になったこと

小さな盲点やバグっぽいところなので、確認してどうするか決めて対処するポイントです。

  • ここで制作事例に移ったことに気づきませんでした
    → 制作事例って書いてある割には目に入っていないので、トップページの「業種別で探す」を「業種別制作事例」とかにしてもよいのかも……漢字が多いな。
    (セッション中の直帰を促しそうな状況だなと思ったけれど、クリティカルではないと思うのでこのカテゴリーに)
  • ラベルの左マージンがないのが気になる……
    → これはお客様の声の一覧ですね。成功事例と制作事例の一覧は問題ないです。
  • 社長の名前の記載がないので、画像の下にでもあったほうが……
    → お客様の声などで社長の名前が出てくるので、会社案内の写真で入っていないのは違和感あります。
  • 沿革の年月表記の改行が気になる……っ!
    → 解像度の関係かもしれませんが「月」だけ下がると……ねえ……

データを見て検証する

では、資料ダウンロードページに絞り込んだデータを確認します。見るポイントは、以下。

  1. 資料の内容を認識できるまでスクロールされていないかも? → なら、ファーストビューに資料の画像を入れるとか
  2. 画像のデッドクリックがあるのでは?(拡大して見たいニーズ)→ なら、画像を見せたり内容のチラ見せは有効
  3. PCとスマホでの行動に違いはあるか調査
  4. その他進まない理由を録画(の Copilot )から調査

ヒートマップを確認する

①と②はヒートマップで確認すると良いため、過去30日間で確認してみます。

スクロールヒートマップ

30日間・閲覧済みURLに資料ダウンロードのページURLを設定

この設定をして得られたデータが、右。

結論から述べると、スクロールヒートマップの信憑性がだだ下がり😂
ページとしては黄色の部分で終わってるですが、ヒートマップはその倍もある下まで続いています。色だけで見れば「最後まで見てくれている人が多いんだ〜」になるんですが、んなわけないやろー!

アテンションヒートマップの実装が待たれますね……。

Clarity には別のスクリーンショットを利用して観察する機能もあるので、いくつかのパターンを見てみたら、関係者と思われるスクショが入っていました。つまり関係者排除されていない可能性が高いので、ここは社内で見直したほうが良いでしょう。IP制限だけでなく、Cookie 使うなどしたほうが良いかもですね。

ここで①を検証したかったのですが、録画で確認することにしましょう……。

スクロールヒートマップ

クリックヒートマップ

気を取り直して、クリックヒートマップです。

左のデータを参照すると、仮説にあった「画像のクリック」は見当たりませんでした。仮説がはずれるのはよくあることなので、あとで録画を確認してみましょう。

また、送信ボタンのクリックが8件あるのですが、資料請求後のサンクスページにアクセスしたデータを絞り込むと、ちょっと様子が変なんですよね。

サンキューページの表示の目標が正しいとしたら、セッション別のページが1ってことは、関係者が直接そのページを確認したと考えるのが一般的でしょう。

データがおかしい時は関係者アクセスのことが多いので、実数を確認する必要があります。

クリックヒートマップ

PCとスマホの違いをクリックヒートマップで確認する

そもそもスマホでのPVが少ないので、どういう状況なのかの確認程度です。ヒートマップでは比較機能が使えるので、デバイス以外は同じフィルターを設定してみました。

「スマホで入力の跡があるけれど、おそらく関係者が動作確認したのかな」という印象でした。なぜなら、6タップ、つまり迷いなく入力欄に進んでいるためです。こういうのは、録画を見るまで決めつけないほうが良いので、あくまで印象として考えておきます(実際、ユーザーぽかったですし)。

録画(の Copilot )を確認する

クラリティファンとしてはあまり言いたくないのですが、ヒートマップ機能がほとんど役に立たないので、レコーディングを洗いざらい確認します。GWも始まっているので、14日間×資料ダウンロードのページ閲覧×2ページ以上閲覧 で絞り込んだ結果、14件の録画データになりました。うち、1件は管理画面のスクリーンショットになっており、明らかに関係者と判断して省きます。CVは2件ありました。

その13件のデータの録画と Copilot を確認しながら気づいたのは、以下の4点です。

  • (少なくともここ2週間くらいの)「資料ダウンロード」に興味を持っているほとんどのユーザーは、ウェブ制作に興味を持っているユーザーではなく、直前にあったセミナーなどの資料を求めている。一応、確認はするものの、やはり違うと判断して離脱する。
  • パソコンで1件、制作スケジュールに課題感のあるユーザーが資料ダウンロードに進んだものの、サンクスページ後も滞在しているため、同業者の可能性があるのでは?(これはCVしているので反証の余地あり)
  • モバイルで1件、資料ダウンロードに進んでいました。Twitterからの流入でスムーズに進んでいたことと、成功事例を確認しているので、事例にあった企業の知り合いかも?
  • モーダルウインドウは速攻消されるので、別途検証して効果がなければ辞めたほうが良いのでは。

一番大きいのは、「資料ダウンロード」の「資料」に期待する認識違いが起きている、ということです。こういった認識違いは無意識レベルで起きるので、中の人だと気づきにくいかも。そりゃ、そもそもセミナー資料を求めていたら画像をクリックはしないでしょうな……。

ということで、「資料ダウンロード」という文言を変えたほうが良いかもしれない、という仮説が浮上したんですよね……。ちなみに、ChatGPT さんに聞いてもイマイチなネーミング(成功の設計図、成長の秘訣とか)なので「中小企業向けハンドブック」とかにするのもアリ……?(私も大概かも)

あとは、あくまで私のユーザーテストとしての直感で、データとして確認できていないのですが、という前置きで。

「資料ダウンロード」が自分には関係ないと認識されている場合、この資料に価値を感じられるタッチポイントは、やはり事例のページだと思いました。そこで機会損失をしている印象があります。フッターのフローティングはそのままでも、成功事例、制作事例、お客様の声の3つで、この資料の良さを伝えられると良いのではないかと思います。一応、モバイルCVでは成功事例を経由していますし。

ということで、施策案

()内は変化すると思われる指標です。DL数アップ!

  1. 「資料ダウンロード」の文言を再考する(資料DLページのPV↑)
  2. 成功事例、制作事例、お客様の声の3つに、「ホームページを活用した売上UPのためのノウハウをまとめた、中小企業向けのハンドブックをプレゼントいたします」など記載して誘導してみる(資料DLページのPV↑、DL数↑)
  3. 資料ダウンロードページで、内容をチラ見せする(クリック数↑)

これだけ見ると、めちゃくちゃシンプルな話ですが、ここに至るまでは上述のとおりです。ちなみに、(この記事も書きながら)6時間くらいかかっています。

俺たちの冒険はここからだ

リクトさまの担当者である山田さんと打ち合わせした際、印象的だったのは、このセリフ。

やる前にあれこれ言うより、任せてやってから考えたほうが成果になりやすいですよね

ほんとこれです (σ・ω・)σ
大企業のような影響力のあるサイトはともかく、中小企業は手を動かしてみてなんぼです。もちろん、ある程度の仮説は必要ですが、仮説の決断に何日もかけてしまうのは本末転倒なので、サッと見てサッと改善してサッと検証するサイクルを回すほうがオススメ。

実際は、解析よりも施策を行うほうが時間かかったりもするんですが、致命的な盲点って、意外と施策自体は簡単だったりします。こんなことやってなかったのか……!って。

それは今回のように、認識違いで起きていることも多いので、ユーザーの行動分析は録画を見たほうが早いんですよね。簡単にユーザーテストするようなものですし。

ひとまず、仮説の解析フェーズはここまでです。実際に施策を行って、その結果をまた検証します。

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