Microsoft Clarity(クラリティ)の使い方 – Microsoft Clarity 研究所 https://clarity.kosgis.com/ Microsoft Clarity(マイクロソフト クラリティ)の機能や可能性を探っています Mon, 02 Mar 2026 06:12:38 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.9.1 https://clarity.kosgis.com/wp-content/uploads/2026/02/cropped-favicon-claritylabo-32x32.png Microsoft Clarity(クラリティ)の使い方 – Microsoft Clarity 研究所 https://clarity.kosgis.com/ 32 32 ウェブサイトのKPIを実行に移すための実践フレームワーク(和訳+α) https://clarity.kosgis.com/blog/make-website-kpis-actionable/ Mon, 02 Mar 2026 06:12:37 +0000 https://clarity.kosgis.com/?p=1304

はい、ごめんください。Microsoft Clarity(クラリティ)大好きコスギです。 この記事は Microsoft 社の公式記事「A Practical Framework for Making Website K […]]]>

はい、ごめんください。Microsoft Clarity(クラリティ)大好きコスギです。

この記事は Microsoft 社の公式記事「A Practical Framework for Making Website KPIs Actionable」を和訳しつつ、私の考えなども入れたものです(公式記事の和訳許可を得ています)。ノイズなく読みたい方は以下からどうぞ。

https://clarity.microsoft.com/blog/make-website-kpis-actionable/

以下に、要点を3行で。

  1. KPIは「何を測るか」より「測った後にどう動くか」が難しいので、KPIは実行してこそ
  2. よくあるパターンに名前をつけると、数字の裏にあるユーザー行動を理解しやすい
  3. まずは1ページのKPIの確認→録画で検証→改善を1つ実行→行動の変化を観察、からやってみよう

ウェブサイトのKPIを実行に移すための実践フレームワーク

何十ものダッシュボード、グラフ、アラートが注意を奪い合う中で、ウェブサイトのKPIを追いかけることは、いつの間にか受け身の作業になりがちです。指標を定義し、ダッシュボードを作り、そして時間が経つにつれて、確認する頻度は減り、信頼度は下がり、行動に結びつくことも少なくなっていきます。

問題は「何を測るか」ではありません。「測った後にどうするか」です。

より難しく、そしてより重要な課題は、KPIを常に目に見える状態に保ち、定期的にレビューし、実際のユーザー行動に基づいて運用する仕組みと習慣を作ることです。その仕組みがなければ、正しい指標を選んでいても、チームが忙しくなるにつれて背景に埋もれていきます。

この記事では、ウェブサイトのKPIを継続的なフィードバックループに変えるための実践的なフレームワークを紹介します。具体例として Microsoft Clarity を使いますが、原則はどのアナリティクスツールにも当てはまります。目的は、より多くの指標を追うことではなく、すでに気にかけている指標を理解しやすく、無視しにくくすることです。

コスギ注

GA4を設定して、レポートを自動化して、気づいたら誰も見ていない……ウッ(頭を抱える)

KPIって「パフォーマンスを判断する超重要な指標」のことなんですが、「とりあえず見ておきたい指標」になってしまうことって、あるんじゃないでしょうか。

そもそも、私が担当するのは月間1万セッションもない小規模サイトがほとんどなので、解析した結果の提案と施策のサイクルが回らなくなることは多いです。特に、過去に独自開発したシステムほど、そのハードルが高いと感じます。

たとえば「商品一覧の画面に一文を追加して、注意事項のページをリンクする」といった程度の提案も、改修に10万円以上の見積もりをいただくこともありました。これは環境設定費用が圧迫していたので5つくらいの依頼をすることで進めましたが、当然、実装完了までの時間がかかり、要因が複合的になるため検証が難しく、そもそも母数が少ないと効果があったかどうかの判断も難しいです。

上記については、該当ページへのPVは増えましたが、利益に貢献できたかどうかまでは追えていません。そこにかける金額として妥当かどうかというのは、いつも頭を抱えます。規模や契約内容によっては、10万が高いとは限らないことも多いですから。

私が WordPress の制作と運用を請け負っているのは、「これくらいなら月額メンテ費用内で全然イケる」「なんなら担当者が対応できる」と、小さな改善を一緒に回せるためです。Clarity は担当者さんにもわかりやすいので、GA4よりとっつきやすいようです。

個人的には「見られている」という意識ができないと、顧客の視座に立てないと思うんですよね。その点で、Clarity は「こんなふうに見られているんだ」が直感的にわかるので、改修施策への投資意識は出てくると思います。

だから、「KPIを設定する」ということは「改善を前提にする」ことなので、まずは特定のページから始めたらいいんじゃないでしょうか。

1. ダッシュボードではなく、行動から始める

ダッシュボードやレポートに触れる前に、KPIを数字よりも具体的なものに紐づけておくと効果的です。それは、繰り返し観察されるユーザー行動です。

意味のあるKPIはすべて、あるパターンの代理指標です。ユーザーがスムーズに進んでいるか、それとも苦戦しているか。明確な導線を見つけているか、迷子になっているか。自信を持って行動しているか、途中でためらっているか。そういったパターンを反映しています。

よくある行動パターンに名前をつける

いきなり「直帰率」や「コンバージョン率」に飛びつくのではなく、まず目に見える行動に名前をつけることから始めましょう。

  • ウロウロ(迷子)(Confusion loops)…ページ間を行ったり来たりする、メニューを何度も開く
  • モヤモヤ(ためらい)(Hesitation patterns)…繰り返しのクリック、過度なスクロール、フォームの途中放棄
  • イライラ(摩擦)(User friction)…デッドクリック、レイジクリック、繰り返されるエラー

チーム内でこれらのパターンに共通の言葉ができると、KPIは抽象的なものではなくなります。数字を追うのではなく、「特定の行動が増えているか、減っているか」を追うようになるのです。

コスギ注

Clarity のダッシュボードには「Dead clicks(デッドクリック)」「Rage clicks(イライラクリック)」「Quick backs(クイックバック)」などが最初から使えます。これがまさに、原文で言う「行動パターンに名前をつける」の実装です。

私のサイトは長文テキストが多いのですが、そのテキストを選択して読んでいるユーザーが一定数いるのだというのは衝撃でした(デッドクリックとイライラクリックが多くなる)。最初は、コピーしているのかな?と思ったので、コピーチェックのカスタムタグも入れてみたんですが、コピーしている人は基本的に全文コピーしているので、やっぱり読み方のクセなんだなって。デッドクリックが問題とは限らないので、録画を見ないと判断できないわけです。

また、クイックバックはわかりやすい直帰なので、広告のランディングページでは重宝しています。広告のクリエイティブとファーストビューのクリエイティブが違うと、ユーザーはすぐに帰ります。当たり前といえば当たり前なんですが、「その答えはこれです」と結論を出すより、「あなたが見たいのはこれですね?」のワンクッションが必要なのね……と、「自分の当たり前」が崩されました。

中小企業の中の人には、まず Clarity を導入して1週間くらい経ったら、デッドクリック・イライラクリック・クイックバックのそれぞれで絞り込んでみることを勧めています。リンクが機能していなかったり、ボタンがわかりにくかったりという問題は、見つけやすいし改善もしやすいですから。

2. 定期的な観察を促すダッシュボードを設計する

ダッシュボードは単にKPIを表示するだけではありません。チームがそれをどう見るか(あるいは見ないか)を地味に左右しています。

散らかったダッシュボードは、読み飛ばすか無視する習慣を作ります。目的を持って整理されたダッシュボードは、正しいデータに自然と目が向きます。

ダッシュボードのカードをカスタマイズする

ダッシュボードの小さな調整が、大きな効果を生むことがあります。追いたいKPIに直接関係しないレポートやデータは、移動するか、優先度を下げるか、非表示にしましょう。

Clarity でできる主な変更は以下の通りです。

  • デフォルトのカードタブを設定して、最も意味のあるビューが最初に表示されるようにする
  • 意思決定に役立たない優先度の低いカードを非表示にする
  • ページやファネルのステップだけでなく、行動ごとにカードをグルーピングする
Microsoft Clarity のダッシュボード
これはカエルコムニスの30日間のデータ

たとえば、ブログのパフォーマンス改善に取り組んでいるとします。ブログへの流入に広告を出していないのであれば、広告カードはあまり価値がありません。非表示にすれば、ダッシュボードのファーストビューに、リファラルやチャネルのカードなど、読者がどこからコンテンツを見つけているかを示す、より関連性の高いカードを表示できます。

コスギ注

正直なところ、私はザーッと全部見る派なので、カードの並び替えはそこまで頻繁にやっていません。

ただ、JavaScript のエラーはクリックエラーさえなければ運用上は問題ないので非表示にすることが多いですし、ボットトラフィックやパフォーマンススコアも原因がわかっているなら優先度を下げています。(ウォッチリストは最初使っていましたが、日付の設定がセグメントとズレるので使いにくくてですね……)

とはいえ、最初から整理するよりも、まずはデフォルトのまま見てみるのがいいと思っています。しばらく使っていると「このカードはよく見るな」「これはあんまり見ないな」が自然にわかってくるので、よく見るものが下にあるなら上に移動させればいい。カスタマイズの前に「自分が何をどう見ているのか」を意識するほうが大事です。

カードの並び替えや非表示はいつでも戻せるので、気軽に試してみてください。

3. セッション録画をKPIトラッキングの一部にする

グラフは便利ですが、すべてを語ってくれるわけではありません。

KPIが「良い方向」に動いていても、その裏でユーザー体験が地味に悪化していることがあります。もっと背景を理解しなければ、誤った結論を出しやすくなります。

だからこそ、セッション録画はたまに深掘りするものではなく、KPIトラッキングの定常的なプロセスの一部であるべきです。

軽めの「録画を見る」習慣を作る

何時間も動画を見る必要はありません。やるべきことはシンプルです。

  • KPIに紐づいた少数のサンプルを、定期的にレビューする
  • 指標の変化を解釈する前に、セッションを見る
  • 数字が示していることを、録画で裏付ける

さらに、Clarity のハイライト機能を使えば、セッション録画をユーザー行動の重要な瞬間だけに凝縮した短いリールにまとめられるため、このプロセスを高速化できます。

この考え方を実践している良い事例が、AllEvents チームの取り組みです。プロダクトのユーザー体験を刷新する中で、チーム全員でセッション録画を毎日見る習慣を作りました。イベントデータとセッション録画を組み合わせて分析するこの日課が、主要な課題の特定と、よりスムーズなデジタル体験の設計に役立ったとのことです。

コスギ注

……いうても、中小企業の一人担当が毎日録画を見るのは現実的ではないですよね。私自身も、規模が小さいこともあり毎日は見ていません。

ただし、必ず録画を見る場面はあります。

たとえば、デッドクリックやイライラクリックが多いとき。これは録画を見ないと何が起きているのかわからないので、問題かどうかを判断するために確認します。それと、CTAの改善を考えるとき。ボタンがどう押されているか(押されていないか)、CTAの次の画面でユーザーがどう動いているかを確認します。

特にファネルがわかりやすい場合(確認画面→送信画面など)は必ず録画を確認します。そうするとね、確認画面で離脱しているパターンが少なくなくてですね……。もったいなさすぎるので「確認画面をなくしましょう」という提案になることが多いです。保険の申込みなど重要なケースはともかく、お問い合わせなどフォームが1画面しかないなら、確認画面は不要のほうが良いケースは多いですね。

最近は Copilot がセッションの傾向をまとめてくれるので、全体像の把握にはそちらも使っています。ヒートマップで特徴的な動きをしているユーザーを見つけたら、そこから個別の録画に入るという流れが増えました。ハイライト機能は、正直なところ録画がそれほど長くないので、直接見たほうが早いです。私の場合。

4. セグメントを使い、流入の変化に合わせてKPIの精度を保つ

サイト全体の平均値は、オーディエンス(訪問者全体)が安定しているときにしか機能しません。流入元や意図のレベル、ユーザーの期待値が変化すると、ひとつのKPIが行動の重要な変化を隠してしまうことがあります。

ここで登場するのが、セグメントです。

ひとつのグローバルな数値を追って「現実を反映しているだろう」と期待するのではなく、セグメントを使えば、KPIが異なるタイプのユーザーに対しても成り立つかを確認できます。そのKPIが実際に誰の行動を表しているのか、そして誰の行動を覆い隠しているのかが見えてきます。

セグメントを使えば、より的確な問いを立てられます。

  • 新規ユーザーとリピーターで行動は違うか?
  • 目的意識の高い流入が最も苦戦しているのはどこか?
  • どのオーディエンスが最も摩擦を経験しているか?

例:AI経由の流入をトラッキングする

AI経由の流入の行動パターンは、従来のチャネルからの流入とは異なる傾向があります。これらのユーザーは、サイトの深い階層に直接着地したり、ナビゲーションを完全にスキップしたり、コンテンツを素早く消化したりすることがあります。

ChatGPT やその他のAIツールからの流入でセグメントを作成すれば、KPIを文脈の中でトラッキングできます。以下のようなことが可能です。

  • 従来のリファラルとエンゲージメントのパターンを比較する
  • AI経由のユーザーを混乱させているコンテンツ、あるいは満足させているコンテンツを特定する
  • このオーディエンスに対する体験が時間の経過とともに改善しているかをトラッキングする
コスギ注

私が一番使っているセグメントは、「過去7日間」と「過去30日間」に設定したものです。規模が小さいとデフォルトの3日間じゃわからないことが多すぎてですね……ざっと見るときはコレです。

概要を知りたいなら「デバイス別(PC vs スマホ)」とか「新規 vs リピーター」のほうが気づきが多いと思います。「コンバージョンした vs 途中までは来た」とかも、ファネル機能を使えば確認できます。

以下は過去の記事ですが、セグメント設定の参考にどうぞ。

正直、小さな規模ではAI経由の流入はまだ数が少ないでしょうが、どうも Microsoft さんはAIとウェブサイトの関係をかなり重視していて、β版でAIの流入が見える機能もつくっているので、AIを介したウェブサイトにおける主要な5つのKPI(和訳+α)も参考にどうぞ。

5. ループを閉じる:KPIの観察から実行へ

KPIトラッキングで最も見落とされがちなのは、計測そのものではありません。計測後の継続的なフォローです。

KPIの定義、ダッシュボードの構築、定期的な観察まではやっているチームは多いです。しかし、観察から行動への明確な道筋がなければ、指標は停滞します。ミーティングで話題にはなり、認識はされるものの、次のミーティングまでサラッと先送りされるのです。

効果的なKPIトラッキングと受け身のレポーティングを分けるのは、繰り返し可能なループです。見たことを、変えることにつなげるループです。

成果を出しているチームは、シンプルだけれども規律のあるサイクルを回しています。

  1. KPIを観察して、何が変わったか、何が停滞しているかを見つける
  2. セッション録画でパターンを検証し、その理由を理解する
  3. 改善すべき行動をひとつだけ決める(長い修正リストではなく)
  4. その行動に紐づいた具体的な変更を実行する
  5. 次のデータと録画で、行動がどう変わったかを観察する

このループがあれば、KPIは実際のユーザー体験に根ざしたものであり続けます。「指標は動いたか?」ではなく、「ユーザーの行動は本当に改善したか?」と問うようになるのです。

KPIトラッキングがこのように機能すると、ダッシュボードはステータスレポートではなくなります。早期警告システムとなり、より良い意思決定を促す仕組みになるのです。

コスギ注

この5つのステップは、いかにラクに回せるかが重要なんですよね。アクションは1つだけでもいいんです。むしろ「仮説の詰まった1アクション」で、サイクルを回せるようになると、ついでに他のこともできるようになります。

目的によってやり方も頻度も変わってくると思いますが、1つの(タイプの)LPをどんどん改善していくのはわかりやすいです。「最初からこれをやっておけば……」と思うこともあるかもしれませんが、これは小学生時代のテストを大人になってから受け直すようなものですからね。ある程度の事例は参考になるかもしれませんが、自社に当てはまるとは限りません。

また、新しいコンテンツに関しては、公開してから1週間後に問題がなければ、月次のミーティング前に全体を把握して仮説検証・現状把握・改善提案をまとめる、というサイクルで回しています。あまりレポートはつくらず、この3つの裏づけとしてデータのスクショを貼るくらいです。

ただ、継続的に積極的な施策をするときは Looker Studio でKPIのレポートをつくります。伸びなければ手を加えるし、伸びたら放置。まあ1年も放置していたら、さすがに競合に抜かれるんですけどNE

まとめ

ダッシュボード、KPI、指標は、行動に移せるストーリーを語ってくれるときにだけ意味を持ちます。ダッシュボードにセッション録画と適切なセグメントを組み合わせることで、受け身の数字が実際に意思決定を導くシグナルに変わります。パターンが見え、知見が明確になり、すべてのKPIが月に一度ちらっと眺める数字ではなく、改善のためのツールになります。

2026年、成果を出すサイトは最も多くのデータを持っているサイトではありません。ユーザーの行動を見て、理解し、それに応えるチームによって形作られるサイトです。

余談:小さいサイトだからこそ、このフレームワーク

  • レポートつくってもらったけど、結局誰も見てないんだよね
  • クラリティは面白かったけど、もう見てないよ、時間かかるし
  • とはいっても改善はしたいから、プロから見て直せそうなところない?

……なんて声は、よく聞きます。今なら、アクセス解析データからすぐに問題点を指摘してくれますが、それもプロセスの一部分でしかないので、改善サイクルはまわりません。

で、この記事のフレームワークも「全部やらなくていい、回すことが大事」と言ってくれているんですよね。そんなにいっぺんにできませんて。1個ずつ回していけば十分なんです。慣れたら頻度を上げれば良いだけ。

大規模サイトなら専任のアナリストがいて、データを見る仕組みが組織に組み込まれていることでしょう。でも月間1万セッションもないサイトでは、他にやることがたくさんあります。ウェブの改善を提案しても、改修にコストがかかりすぎて施策が回らないことも珍しくありませんし、そもそも効果を見込めるとも限りません。

特に BtoB ならセッション数よりも、サイトに来てくれた人を優雅にエスコートできるかどうか、笑顔でしつこく追えるかどうかがキモになりますしね。だからこそ、仕組みはラクじゃないと続きません。人間はナマケモノですから。

ラクにするためには、「せめてこれだけは」という観点で見たら良いんです。たとえば、

  • 来店型のショップで、メインは Instagram
  • Google ビジネスプロフィールは登録済み
  • ホームページは独自ドメインを持っている
  • ビジネスの存在証明として持っているだけで、更新していない

なんてケース。来店型ということは「とにかくお店に迷わず来てもらう」ことがホームページの目的になりますから、徹底的にわかりやすくするだけでいいんです。地図はもちろん、写真で道順を伝えたり、動画を載せたり。これだけ手をかけたら、見てくれた人の反応が気になりますよね。それを確認するだけでもいいんです。

あとはむしろ、Instagram や Google ビジネスプロフィールの数値のほうが重要になるので、同じように改善サイクルを回していきましょう。

今はホームページだけでなく、SNSやLINEなどのマルチメディアで横断的にユーザーとの接点を保ち続ける必要がありますよね。そういった動線設計もやっていますので、「色々やりたいけれど、何から手をつけたらいいのかわからない」「WordPress(ワードプレス)をもっとどうにかしたい」という方は、そのままの言葉でご相談ください。わからないことがわからない方は少なくありません。

「どうしたらもっと良くなるか」を、一緒に考えるパートナーになりたいと願っています。

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AIを介したウェブサイトにおける主要な5つのKPI(和訳+α) https://clarity.kosgis.com/blog/kpis-for-an-ai-mediated-web/ Thu, 26 Feb 2026 07:58:26 +0000 https://clarity.kosgis.com/?p=1323

はい、ごめんください。Microsoft Clarity(クラリティ)大好きコスギです。この記事は Microsoft 社の公式記事「The Top 5 KPIs for an AI-Mediated Web」を和訳しつ […]]]>

はい、ごめんください。Microsoft Clarity(クラリティ)大好きコスギです。
この記事は Microsoft 社の公式記事「The Top 5 KPIs for an AI-Mediated Web」を和訳しつつ、私の考えなども入れたものです(和訳公開の許可を得ています)。ノイズなく読みたい方は以下からどうぞ。

https://clarity.microsoft.com/blog/kpis-for-an-ai-mediated-web/

以下に、要点を3行で。

  1. 従来のアクセス解析は検索が前提で、人が訪問してからの行動しか捉えられていなかった
  2. 現在は「AIが探し、読み、選んだあと」に人が訪問する構造へ変化している
  3. AI経由の流入・AI経由のCV・ボットの動き・AIによる引用・AIレコメンドといった新しいKPIが重要になる

AIを介したウェブサイトにおける主要な5つのKPI

アクセス解析に、奇妙な現象が見え始めています。

流入は横ばい、あるいは減少傾向。にもかかわらず、特定のソースからのコンバージョンは伸びている。「パフォーマンスが悪い」ように見えるコンテンツが、なぜか意思決定に影響を与え続けている。

このズレは、計測のバグではありません。ウェブの使われ方そのものが変わっているのです。

人々はもはや、検索結果やホームページから始めるとは限りません。AIツールや大規模言語モデル(LLM)から始めるケースが増えています。AIが読み、比較し、要約し、どの情報を伝える価値があるかを判断する、つまり、ユーザーがあなたのウェブサイトにたどり着く前から、AIがあなたの会社に対する認識を形作っているのです。

これは、アクセス解析にとって新たな課題を生み出します。

従来のKPIは、訪問中や訪問後の成果を測るには優れています。セッション数、直帰率、コンバージョンなどです。そしてオーガニック検索やリスティング広告など、ほとんどの流入チャネルは、インプレッションやクリックに関する詳細なデータを提供してくれます。それに対して、LLMはインプレッションやレコメンドに関するデータを一切提供しません。

AIを介したウェブサイトにおいて、サイト運営者や事業者が直面する最大の課題は、このブラックボックスの中で何が起きているかを理解し、それがビジネスの収益にどう影響しているかを定量化する方法を見つけることです。

この記事では、それを実現するための実践的なKPIを紹介します。今日からチームが計測できるシグナルから、より先を見据えた指標まで、AIがビジネスの「見つけられやすさ(discoverability:ディスカバラビリティ=発見性)」にどう関わっているかを理解するためにトラッキングすべき指標を探っていきます。

コスギ注

前回の記事は「AIにどう見られているか」でしたが、今回は「AIを通じてどうビジネスの成果につなげるか」という話ですね。

Microsoft がここまでAIの動きを可視化しようとしているのは、「今後、人の意志決定を左右するのがAIになるから、AIボットの動きを見ていくのは当然」という立場なんだと腑に落ちました。

ですから、GA4やサーチコンソールからわかることは「検索エンジンがオススメしてくれる示唆」であり、「AIがおすすめしてくれる示唆」として、Microsoft Clarity(の「AIの可視性」機能)を使えるようにしていきたいのでしょうね。

この考え方は今後のスタンダードになると思うので、Google もそのうち出してくるんだろうなあ……というのがホンネです。すでに、サチコで一部見れたような?夢?

それにしても横文字が多い世界ですが、「セッション」や「インプレッション」と同様に「レコメンド」も一般的になるのでしょうか……?

トラフィック→流入と訳せるにしても、レコメンド→紹介ってのは、やっぱり違和感しかなくて。しいていえば提案……は、サジェストですしね。トラッキング→追跡とするのもニュアンスがちょっと違うので、記事中ではそのまま使ってるんですが。悩ましい〜〜〜

1. AI経由の流入(AI Referral Traffic)

何を測るのか

AI経由の流入は、AIツール上のリンクをクリックして訪問者がサイトに来たセッションをトラッキングします。ChatGPT、Copilot、Gemini、Claude、Perplexity などからの流入であり、従来の検索・SNS・直接流入とは異なるものです。

なぜ重要なのか

AIツールが情報への主要な入口になるにつれ、発見のあり方そのものが変わりつつあります。生成AIツールがクエリ(特に情報収集系のクエリ)に答える最初のステップとなることで、従来の検索クリックは減少すると予測されています

この環境では、単にページビューを測るだけでは不十分です。AIツールがいつ実際の人間の訪問者をサイトに送っているかを知る必要があります。AI経由の流入を把握することで、AIによる発見(見つけられやすさ)を可視化し、アクションにつなげられるようになります。

  • あなたのコンテンツがAIの提案結果に表示されているか
  • AI経由の訪問がどれくらいの頻度でサイトにアクセスしているか
  • これらの訪問者が他のチャネルと比べてどう行動しているか

このシグナルは、AIがファネルに影響を与えている最初の実証的な兆候です。たとえ流入量がまだ少なくても。

トラッキング方法

AIツールは参照元のリンクにUTMを付与するため、この指標の計測は非常に簡単です。多くのアナリティクスツールは、既存のチャネルレポートでこのチャネルからの流入をすでに計測できています。

Microsoft Clarity のチャネルグループ
チャネルに「AIPlatform」があります

Clarity は、AI経由の流入を2つの専用チャネルグループに分けることで、さらに詳細なレベルの情報を提供します。AI Platform(AIとの自然なやり取りからのアクセス)と Paid AI Platform(AIとのやり取り上に表示される広告からのアクセス)です。ChatGPT が広告を導入するという噂が広がる中、これは特に重要になってきています。

コスギ注

ChatGPTで表示されたURLをクリックすると、そのURLに「?utm_source=chatgpt.com」といったパラメータがついていることに気づいている人も多いのではないでしょうか(2025年5月以降のアプデによるもの)。こういったものが「AIPlatform」として計測されます。たまーに、ついていないこともあるんですけどね。

ですので、まず Clarity のチャネルで「AIPlatform」があれば、少なくともAIがあなたのサイトに言及している+相手が興味を持ってアクセスしていることがわかります。

問い合わせの理由に「AIにオススメされたので」と答える方も珍しくなくなってきていますから、ここが増えていくのはわかりやすい KPI になりうるとは思います。これからでしょうね。

ちなみに、Clarity は折れ線グラフのように時系列で追うようなビジュアライズが苦手なので、定期的に追いたければ GA4 + Looker Studio あたりでやるのがイイんじゃないかと。

2. AI経由のコンバージョン(AI Referral Conversions)

何を測るのか

AI経由のコンバージョンは、AI経由の訪問者がサイト上で意味のあるアクション(会員登録、デモ依頼、購読、購入など)を完了した頻度をトラッキングします。

AI経由の流入が「AIは訪問者を送ってくれているか?」に答えるのに対し、AI経由のコンバージョンはより重要な問い、「その訪問者は実際にビジネスに貢献しているか?」に答えます。

なぜ重要なのか

AIを介したウェブサイトでは、サイトへのアクセス数だけでは誤ったシグナルになります。AIはユーザーがサイトに到達する前に「事前選別」を行い、選択肢を要約し、絞り込み、特定の次のステップへ誘導することが多いのです。

その結果、AI経由の訪問者は以下の傾向があります。

  • より明確な意図を持っている
  • 意思決定プロセスのより先の段階にいる
  • すぐに行動する準備ができている

AI経由のコンバージョンを測ることで、単なる好奇心のクリックではなく、この新しいチャネルをリード・売上・成果に直接結びつけられます。これは、AIからのアクセスを単なる「興味深い流入元」から「信頼できる成長の手がかり」に変えるKPIです。

懐疑的な見方も、ここで覆ります。AI経由の流入が全セッションの中で小さな割合であっても、コンバージョン率が高ければ、その重要性は再定義されます。訪問者数は少なくても、最も重要な指標でより高いコンバージョンを達成するチャネルは、量の多い流入元を上回る可能性があるのです。

トラッキング方法・概算方法

AI経由のコンバージョンは、AI経由の流入をセグメント化すれば、今日から完全に計測可能です。

実際には以下のように行います。

  • AI Platform の流入でセッションをフィルタリング
  • 検索・SNS・直接流入のチャネルとコンバージョン率を比較
  • AI経由の訪問者がどの目標を最も多く達成しているかを評価
コスギ注

とはいえ「AIからの流入数が少なくてもCVRが高いならオッケー!」と盲目的に信じることはできません。分母が増えなければビジネスインパクトも小さいですからね。ウチみたいに30日で1件あって、それがCVしているなら100%ですが、そもそも n=1 でしかないわけですし。

ただし「AIに聞いた上でわざわざクリックしてきた人の “質” は高い」という仮説は直感的に納得しやすいので、今のうちにAI経由の流入を意識した施策は行っておきたいですよね。「すぐに成果につながるとは限らない」という可能性も視野に入れつつも、Clarity はユーザーIDで追えるので、AI流入の前後は(一応)確認できますし。

個人的に、AIが出した結果に表示される広告効果には懐疑的なんですが、リスティング広告の効果が認められている以上、過渡期はあっても馴染んでいくものなのかもしれません。

AIへの対応はロングテールSEOと同じようなものという考え方がしっくり来ているので、やることは結局、目新しいことではないかなとも思っています。むしろ、期待を裏切るほどに泥臭いでしょうね。

3. ボットおよびクローラーの活動(Bot and Crawler Activity)

ボットおよびクローラーの活動は、インデックス用ボット、AIクローラー、LLM がコンテンツにアクセスする頻度をトラッキングします。Copilot や ChatGPT を動かすような有用なボットと、それほど有用でないスクレイピングボット(ページの情報を自動収集するボット)の両方を含みます。人間のセッションに注目するのではなく、流入やコンバージョンが発生する前に、AIがあなたのコンテンツをどれだけ見ているかを示す指標です。

このタイプのサイト上の動きを監視することで、AI経由の流入やコンバージョンの背景にある「なぜ」を理解するための、ファネル上流のデータが得られます。

たとえば、AI経由の流入が少なく、増加していないとしましょう。ボットとクローラーの活動を分析すれば、根本的な問題を特定し、対処する手がかりが得られます。

クロールは多いのに流入が少ない場合:AIシステムはコンテンツを読んでいますが、流入できるようにはしていません。このパターンは多くの場合、関連性がない、あるいは明確さが足りないことを示しています。AIはあなたを見ているものの、回答を合成する際にあなたのコンテンツを「優先」していないのです。これはページのメッセージング、構造、またはセマンティックな明確さに問題がある可能性を示唆しています。

クロールが少ない場合:あなたのサイトは、そもそも推薦してくれるかもしれないシステムに見られていません。解決策は「見つけられやすさ(discoverability:ディスカバラビリティ=発見性)」の向上に集中することです。つまり、内部リンクの改善、スキーママークアップ、技術的な構造の整備、あるいはAIクローラーにページを訪問させるきっかけとなる外部シグナルの強化などです。

さらに一歩進めて、各LLMごとにクロール活動とAI経由の流入の関係を分析することもできます。

このプロセスは、SEOチームがクリックやコンバージョンを気にする前に、検索のインプレッション指標を使って表示の問題をトラブルシューティングするのと同じです。同様に、ボットとクローラーの活動は、流入やコンバージョンが発生するよりもっと前の段階で、AIからの見え方を診断するのに役立ちます。

トラッキング方法

ボットやクローラーの活動は、従来サーバーログ、CDN、ボット管理プラットフォームなどのインフラレベルのツールでしか確認できませんでした。これらはすべてのリクエストをキャプチャし、有益なAIエージェントと汎用ボットを区別できます。

現在では、行動分析ツールがこれらのシグナルをダッシュボードに直接統合し始めており、チームが単なるクロール量だけでなく、AIのインタラクションが人間の行動やコンバージョンとどう相関しているかを確認しやすくなっています。インフラデータと実用的なサイト分析の橋渡しが進んでいます。

Clarity はボットとAIクローラーのシグナルを直接アナリティクスに表示和訳記事)するようになり、以下を区別できます。

  • AIエージェント(既知のLLMインデックスやAIツールに関連するもの)
  • 従来のボット(検索エンジンクローラー、スクレイパー、汎用の自動化)
  • 人間の訪問者

これにより以下が可能になります。

  • ボット活動全体のトレンドを時系列で測定
  • ページごとのAIボットヒット数をセグメント化して、AIシステムがどこに時間を費やしているかを把握
  • ボット活動とAI経由の流入トレンドを比較して、情報収集(ingestion)がどこで終わり、紹介(recommendation)が始まるかを確認
  • クロール率が高いのに流入が少ないページを特定 → 典型的な診断パターン
コスギ注

「AI Bot Activity」の導入は Microsoft Clarity「AI Bot Activity」の使い方とサイト改善につなげる方法 にまとめておきました。

よく「AIに最適化するために構造化データ(FAQとか会社情報とか)を整備しよう!」とよく言われていますが、実はこれ「クロールはされるけれど流入にはつながりにくい」になりかねないんですよね。AIが回答を完結するから。

そもそも「クロールされていない」のなら、robots.txt などでブロックしているとか、コンテンツがロボットに読まれにくい(コンテンツすべてをJSレンダリングされるなどの)構造になっている可能性があります。こういうサイトは最初からSEOを想定していないことが多いので、AIに見つけられなくても問題ないですね。

この辺は、SEOのクロール → インデックス → ランキングと同じような考え方です。

4. AIによる引用(AI Citations)

  • 実際の画面は公式記事の「AI Citations」のセクションをどうぞ。私は実際に使えるようになってから画面の説明をします。

何を測るのか

「AIによる引用」は、ユーザーがサイトにクリックして訪問しなくても、あなたのコンテンツをAIが生成する回答の中で使われたり、参照されたり、根拠として利用されたりしている状況をトラッキングします。人間による訪問を捉える「AI経由の流入」とは異なり、「AIによる引用」は上流での影響力を明らかにします。つまり、AIが回答、要約、レコメンドする際、その情報源としてあなたのコンテンツを使っていることを示してくれます。

なぜ重要なのか

ゼロクリックのAI体験が、「可視性(見つけられやすさ)」の定義を変えつつあります。あなたのコンテンツは、流入やクリック数といったアクセス解析の結果にまったく反映されないまま、ユーザーの問いに答えているかもしれません。AIによる引用の状況を知ることは、水面下で行われているやりとりを表面化させ、事業者やブランドが以下のことを可能にします。

  • どのコンテンツがAIの回答に意味のある貢献をしているかを把握できる
  • コンテンツがAIの情報源になっているのに出典元として明示されていない箇所を特定できる
  • 競合がより多く認知を獲得しているトピックを検出できる
  • 明確さ、構造、権威性を改善するための更新を優先できる

トラッキング方法

AIによる引用は、まだ新しい計測分野です。現時点では、ウェブ全体で統一された計測基準は存在していません。

多くのツールは、いくつかのプロンプトを用意し、AIに回答を生成させ、その出力にブランド名やURLが含まれるか、といった方法で引用を推定しています。これらの方法は傾向を把握する助けになりますが、AI内部で実際にどの情報が参照されたのかを直接観測しているわけではありません。あくまで「再現テスト」に近いアプローチです。

一方で、より構造的な方法も登場し始めています。AIの回答生成を支える「情報取得と根拠づけの仕組み(retrieval and grounding layer)」と連携し、実際の参照・引用の活動を集約して可視化する考え方です。

たとえば Clarity の新しいAIによる引用機能では、AIが生成した文章を後から解析するのではなく、Microsoft の情報検索基盤(retrieval layer)を通じて、あなたのコンテンツがどの程度参照・根拠として使われたかが表示されます。

コスギ注

ちょっと難しいセクションですね〜

「ゼロクリックのAI体験」とは

そもそも「ゼロクリック(Zero-click)」というのは、SEO用語です。「検索結果の一覧を見たら、特定のページをクリックしなくても、知りたかったことが解決できた状態」のこと。

これは、今に始まった話ではありません。たとえば「忖度 読み方」と検索すると、「忖度(そんたく)とは?」みたいなタイトルが並ぶわけです。ただ読み方を知りたいだけなら、「あ、そんたくって読むんだ」で解決して終わります。

現在は、そのあたりをAIが配慮して、「忖度」の読み方や意味も検索結果に表示してくれるんですよね。これが「ゼロクリックのAI体験(Zero-click AI experiences)」です。

AIを使う流れと本記事のポイント

ユーザーと生成AIとの流れを追うと、こんなふうに該当すると考えてみるといいかも?

  • コレがすべてではなく、機能が関わるポイントとして。
  • Grounding とRAGの違いとか全然わかっていないので、厳密に知りたい方は別途調べてください。
  1. ユーザーが質問(プロンプト)を入力する
  2. AIが関連情報を探す(Retrieval)← ボットおよびクローラーの活動・AIによる引用
  3. AIが情報を取り込む(Ingestion)← ボットおよびクローラーの活動
  4. AIが根拠として使う(Grounding)← AIによる引用
  5. AIが文章を生成する ← ここでレコメンドされる
  6. ユーザーが生成された文章を読む
  7. ユーザーが生成された文章内のリンクをクリックする ← AI経由の流入/CV

AIが何をやっているのかはまだまだブラックボックスなので、何が起きているのかを知れるのはこれからですね。こういうのは英語圏のほうが先でしょうが、AIにおける Google サーチコンソールみたいなものなので、どうなるか楽しみです。つまり、サチコにも入ってくるかも。

5. AIレコメンド(AI Recommendations)

現状:北極星(North Star)/将来に向けた指標

何を測るのか

AIレコメンドは、購買目的や意思決定系のプロンプトに対して、AIシステムがあなたの製品、サービス、ブランドをどのように提案しているかを定性的に測定するものです。

AIによる引用とは異なります。引用はあなたのコンテンツを情報源として出典元を明らかにすることです。しかしレコメンドは、それよりも深い意味を持ちます。つまり、AIがあなたの提供するものを「ソリューション」として位置づけているのです。

なぜ重要なのか

情報収集を目的とした従来の流入が、AIによる回答によってゼロクリックにますます移行する中、本当の戦略的価値は参照されること(知識提供=上流)から推薦されること(行動促進=下流)へと移行しています。

最も重要になるのは、AIシステムが以下を行うかどうかです。

  • 比較の中であなたの製品を提案する
  • 候補リストにあなたのサービスを含める
  • 「○○に最適なツール」の回答であなたのブランドに言及する
  • 購入検討シーンであなたのソリューションを推薦する

これが新たな戦場です。

もしAIがユーザーとウェブを仲介するなら、そのレコメンドに影響を与えることは、かつて検索で1位を取ることと同じくらい重要になります。AIレコメンドは、流入の測定から説得力の測定への転換を示しています。

現時点で把握する方法

今のところ、AIレコメンドを本格的に計測できる標準化されたウェブ解析ツールは存在しません。クロールデータや引用とは異なり、レコメンドされているかどうかを直接確認することは難しいためです。

しかし、私たちは以下の方法で疑似的に把握する方法があります。

  • 購入される文脈を整理する(例:「中小企業向けの最適なCRM」「Xの代わりに使える安いツール」など)
  • 主要なAIツールで、比較や意思決定段階のプロンプトをテストする
  • 自社のブランドが表示されるか、どのように説明されるか、競合がどう位置づけられているかを観察する
  • コンテンツ、SEOの順位、権威性の進化に伴う変化を時系列でモニタリング

AIレコメンドは、AIを介したウェブサイトにおけるウェブ解析の最先端領域です。丁寧な定性調査によって、ビジネスに関わる意図に対してAIがどう影響しているかを理解し、知見を広げていくことも可能です。

その気づきを数字で測れて改善に使える指標に変えることが、これからの分析の新しい領域になります。ユーザーへの影響は、クリックする前、ページを見る前、アクセス解析ツールに記録される前に、すでに起きていますから。

コスギ注

ここは、「AIレコメンドを解析する機能」よりも「AIにレコメンド(オススメ)されるとはどういう意味を持つか、そのために何ができるのか」という話です。そもそも、そんな機能がまだないので。とはいえ Clarity はここも目指していきたいという思いを感じますね。だから “北極星としての将来的な指標” です。

ということでポイントは以下。

  • 「AIに推薦される」ことは「信頼できる知人からの紹介」に近くなるので、検索1位よりも強い購買シグナルになりうる
  • 中小企業にとっては、自社がAIにどう説明されているかを把握することが第一歩
  • 実際に ChatGPT などに「(自社の業種)に最適なサービスは?」などと聞いて、どんな結果が返るか試してみよう

「人に価値を届けられているか」が問われる時代ですね。

参考:AIにオススメされるかどうか、現時点でできること

AIレコメンドの、現時点で把握する方法の具体例です。

ただこれ、自分の使っている生成AIだと情報が偏りかねないので、ログアウトして使ったり利害関係のない相手に確認してもらうと、より精度の高い回答が出てきますよ。

① お客さんがAIに聞きそうな質問をリストアップする

自社を知らないお客さんが抱えている悩みや比較の言葉」で考えるのがポイント。それぞれは自社のサービスなどに変えてくださいね。

  • 課題起点
    「小規模オフィスの防音対策、何から始めればいい?」「従業員5人の会社で使える勤怠管理の方法は?」
  • 比較・検討
    「税理士に頼むのと会計ソフトで自分でやるの、どっちがいい?」「○○と△△のサービスの違いは?」
  • 地域+ニーズ
    「○○市で相続の相談ができるところは?」「○○駅周辺でランチ会議に使える場所は?」
  • 条件指定
    「月額1万円以下で使える○○ツールは?」「初心者でもできる○○の方法は?」
  • 不安・懸念
    「○○を導入して失敗するケースは?」「○○のデメリットは?」
  • 過去の問い合わせメールや電話の内容を見返すと、お客さんが実際に使う言葉が見つかりやすいかも。
  • 営業担当に「最近よく聞かれることは?」と聞くのも有効です。
  • 自社サイトのFAQやお客様の声に書いてあることは、そのままAIへの質問になりやすいですね。
  • 最初から完璧なリストを作ろうとせず、思いついたものからでOK。やりながら増やせばいいんです。

② 複数のAIに実際に聞いてみる

リストアップした質問を実際に聞いてみます。同じ質問でもAIごとに回答の傾向がかなり違うので、お客さんが使っていそうなAIを想定して2個以上は試してみてください。

  • ChatGPT
    知名度の高いサービスを挙げやすい。具体的な社名・サービス名を出す傾向
  • Gemini
    Google 検索の結果を参照しやすく、SEOが強いサイトが反映されやすい
  • Copilot(Bing)
    出典リンク付きで回答するため、ウェブ上に情報があるかどうかが直接影響する
  • Claude
    慎重で、根拠が弱いと「一般論」に留まる傾向。逆に言えば、推薦されたら信頼度は高い
  • Perplexity
    検索結果をベースに回答するため、最新の情報が反映されやすい
  • 「○○(自社サービス名)って知ってる?」「○○についてどう思う?」と直接聞いてみるのもよいかも。まったく知られていないのか、情報はあるが推薦に至らないのか、の切り分けに使えます。
  • 日本語と英語で結果が変わることが多いです(そもそもの文脈が違うので)。日本語での情報発信が少ない分野は、海外の競合ばかり出てくるケースもあるかもしれません。

③ 結果を記録する

スプレッドシートにでも記録を残しておきましょう。これこそ、AIに記録させるのでも良いのですが。

  1. 質問した日付
  2. 使ったAIツール
  3. 質問文(そのまま)
  4. 自社名が出たか(Yes / No)
  5. 出た場合、どう紹介されていたか(正確か、古い情報か、間違いはないか)
  6. 競合としてどこが挙がったか(上位3つ程度)
  7. 気づいたこと(自由メモ)
  • 「うちの名前はまったく出ない」→ そもそも自社サイトに十分な情報がないかも。
  • 「名前は出るが説明が古い・間違っている」→ サイト上の情報を更新すれば改善する可能性があります。
  • 「競合A社がどのAIでも挙がる」→ A社のサイトやコンテンツの出し方を参考にしてみましょう。
  • 「地域名を入れると出やすくなる」→ 地域密着のコンテンツを強化するのが良いのかも。

④ 定期的に繰り返す

AIの回答は変化します。ただでさえ固定化しないのに、学習データの更新、アルゴリズムの変更、情報の更新によって変わるので、1回やって一喜一憂して終わりではなく、定点観測しましょう。SEOと同じですね。

  • 重要な質問を3つ × 3回 × ChatGPT・Gemini でやってみるのが基本
  • 月1回以上、同じ質問リストを同じAIに投げる
  • 大きなサイト更新やコンテンツ追加をした後にも、臨時で確認してみると変化が見えやすい
  • 結果の記録と改善アクションはセットで考えること(ただの好奇心対応にしない)
  • サイトに情報を追加したことが、翌月のAI回答に反映されるか確認しましょう。
  • 競合がどんどん挙がるようになったら、相手が何をしたのかを分析しましょう。
  • 業界全体の認知がAI上でどう形成されているかのトレンドがわかります。
  • 「何をしても変わらない」ことがわかるのも価値です。別のアプローチが必要ですね。

余談:受け身のままではいられない

「数年前までは、わざわざサイトにアクセスして内容を見て、それで判断していたんだよね」なんて振り返る時代が来るかもしれません。

そもそも「流入」は、その行動を前提にした概念ですもんね。今後、AIが意志決定に関わるのであれば、この概念そのものが変わるわけで、パラダイムシフトと言えるのでしょう。

一昔前は、「ホームページから問い合わせてもらえれば答える」のが一般的だったために、「お問い合わせの送信」がコンバージョンになっていたんですよね。これはまだ、知りたい情報がどのカテゴリにあるのかを人力検索していた時代でした。判断の負荷はそこそこありましたが、それが当たり前だったわけです。

今では、「問い合わせるためには、せめて興味を持ってもらわないとアカン」とさまざまな情報を公開するようになり、検索エンジンがどんどん進化して人の意思決定に介入するようになりました。SNSもアルゴリズムによってフィルターバブルがかかるので、自分の意思がなんなのか曖昧になってきた時代のようにも思います。余談ですが、自己分析とか昔からあったものの、SNSも相まって今ものすごく “流行っている” ように感じていたのですが、「選んでいるようで選ばされている」ことへの直感的な警鐘でもあるんですかね。考えすぎか。

人は1日に3万回以上も意志決定しているそうなので、意志決定コストをラクにしたいというのが本能だとしたら、このまま行けば、ほとんどの人はAIに頼るようになるのが当たり前になるでしょうねと。

テクニカルに考えたらSEOのロングテール×SNSの口コミのハイブリッドな感じもしますが、AIに選ばれるために特別なことをするのではなく、人に選ばれる理由を明確に言語化することが本質だと思うんですよね。

出すべき情報と出すべきではない情報のバランスを見極めながら、AIの向こうにいるお客さんに届けましょ。

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Microsoft Clarity「AI Bot Activity」の使い方とサイト改善につなげる方法 https://clarity.kosgis.com/blog/microsoft-clarity-bot-activity/ Fri, 06 Feb 2026 02:10:29 +0000 https://clarity.kosgis.com/?p=1240

はい、ごめんください。Microsoft Clarity(クラリティ)大好きコスギです。先日公開された「AI Bot Activity」(日本語では「AIの可視性」)について、Clarity の公式ドキュメントに基づきつ […]]]>

はい、ごめんください。Microsoft Clarity(クラリティ)大好きコスギです。
先日公開された「AI Bot Activity」(日本語では「AIの可視性」)について、Clarity の公式ドキュメントに基づきつつ、導入方法や費用、具体的な見方や考え方についてまとめました。

すでに(有料で)CDNを導入している中規模サイト、もしくは WordPress で Clarity のプラグインを導入しているウェブサイト担当者向けです。

結論を3行で。

  • AI Bot Activity でわかるのは「AIがどう振る舞っているか」という観測データ
  • 「守り」か「攻め」のどちらかを決めておくと使いやすい
  • 攻めを考える前提として、「人にとっても整理されたサイトか」が先に問われる

「うーん……まあ難しいことはわかったけど、せっかくなら、なんかイイカンジで使えない?」という方は、最後に分析用のプロンプトを紹介したので、思考停止して使ってみてください。個人的には、知識を覚えるより行動してなんぼだとも思うので。AIを使うたび、人の仕事が増えていく……!

Clarity の AI Bot Activity とは

検索エンジンのクローラーなど「ボット」によるアクセスは、ほとんどの場合「ノイズ」として扱われていました。人によるアクセスではないため、マーケティングに活用しにくかったんですよね。

しかしAI時代の昨今、「AIボット」が検索・要約・補助回答・学習などの目的でウェブサイトにアクセスするケースが急増しています。それはAIが自動的に収集するものもありますが、人の代わりにAIが収集するため、改めて注目されている背景があります。

背景や概要については、以下の記事をご覧ください。

https://clarity.kosgis.com/blog/ai-bot-activity-in-clarity/

ということで、具体的な話です。

AI Bot Activity の注意点

大事なことが公式ドキュメントの冒頭に書かれているので紹介します。

https://learn.microsoft.com/en-us/clarity/ai-visibility/bot-activity

Bot activity represents requests made to your site and doesn’t indicate that content was retrieved, grounded, cited, or surfaced in AI generated responses. These metrics reflect observed bot behavior and may not translate into traffic, attribution, or downstream outcomes.
ボットアクティビティはサイトへのリクエストを表すものであり、コンテンツが取得、グラウンディング、引用、またはAI生成レスポンスで表示されたことを示すものではありません。これらの指標は観測されたボットの行動を反映したものであり、トラフィック、アトリビューション、またはダウンストリームの成果には反映されない可能性があります。

つまり、とても勘違いしやすいし期待したくなるんですが、以下のことはわかりません。

  • AIに紹介される
  • AIに引用され、要約や回答に使われる
  • AIから成果(流入・CV)につながる

AI Bot Activity でわかることは、あくまで「ログ」であって「答え」ではないんです。「東京スカイツリーの高さは634mです」という情報と大差ありません。「なんだ、じゃあいいや」と、ここで読むのを辞めてもらっても問題ありません。むしろ、やるべきお仕事に戻ってください。

読み進めるなら「自分は何を期待しているのか」を問いかけてくださいね。

AI Bot Activity の導入方法

まず、AI Bot Activity は、Microsoft Clarity を導入しているだけでは使えません。AI Bot Activity を使うには、追加の条件が必要です。

  • Microsoft Clarity が正しく導入されている
  • Clarity のプロジェクトが有効である(データが取れている)
  • CDN(もしくは WordPress の Clarity 公式プラグイン)が導入されている/導入できる ← コレ

「CDN」とは、ものすごくざっくりいうと「主に表示を速くするための、サイトの入口ゲート」です。建物の出入口に監視ゲートを設置して、疑わしいものはブロックし、安全と判断したものはファストスルーするみたいな機能です。つまり、たくさんの何かが通れば混雑して大変なので、ある程度は無料だとしても、ほとんどの場合は従量課金で使える機能なんですよね。

AI Bot Activity は、この CDN などの入口で記録されたアクセス情報をもとに表示されます。

CDN を使う際の注意点(費用感)

AI Bot Activity を有効にする方法はいくつかありますが、CDN を使う場合は CDN 側の仕様や料金体系が関係します。Clarity 自体は無料でも、CDN の「ログ取得」や「リクエスト処理」に関する料金がかかる場合が想定されます。従量制なので。

  • WordPress:Clarity の公式プラグイン自体に追加費用は発生せず、コストはホスティング環境とトラフィック量に依存します(レンタルサーバー+プラグインだけなら追加費用なく利用できました)
  • Fastly:Bot Activity 連携を有効にすると、リクエスト数・ログ配信・データ転送量に応じで Fastly 側の従量課金が発生する可能性があります
  • Amazon CloudFront:リクエスト数に加え、Firehose 取り込み・ログ配信・失敗ログの S3 保存などが AWS 側コストとして積み上がります
  • Cloudflare:LogPush が前提となり、有料プラン+ログ量ベースの課金が発生する点を考慮する必要があります

……それなりに従量課金が必要になりますね。Cloudflare の無料版では LogPush が使えないので有料版に対応しているのですが、Cloudflare 側でAIボットの確認やブロックもできる(「守り」の活用方法)ため、個人的には疑問が残ります。今後「攻め」の活用方法として、AIボットの流入をセグメントとして使えるようになることを期待。まだβ版ですしね。

WordPressのプラグインならカンタン

WordPress サイトの場合、Microsoft Clarity の公式プラグインでカンタンに導入できる場合があります。すでに Clarity をプラグインで導入しているのなら、話は早いです。以下の流れで有効化しましょう。

  • エックスサーバーのレンタルサーバーで確認できているものです。契約状況によっては実行できないケースもあるかもしれません。
  • プラグインが有効なら、自動的に有効化されている可能性がなきにしもあらZoo……

導入のステップ

STEP
Microsoft Clarity の[設定]→ [AIの可視性]に進む
Microsoft Clarity の設定→AIの可視性(AI Visibility)

設定画面の左メニューの一番下にある「AIの可視性」から、「ボットアクティビティのセットアップ」の[開始する]をクリックします。

STEP
[+プロバイダーを追加]ボタンから進む
Microsoft Clarity AIの可視性(AI Visibility ):[+プロバイダーを追加]ボタンから進む

何も設定されていなければ、追加しましょう。

STEP
使用しているサーバーもしくはCDNを選ぶ
Microsoft Clarity AIの可視性(AI Visibility ):使用しているサーバーもしくはCDNを選ぶ

使用している CDN を選べますが、今回は「サーバー WordPress(WordPress server)」を選びます。

  • ウェブサイトが WordPress で構築されている
  • Microsoft Clarity の公式プラグインが有効化されている
  • Microsoft Clarity のデータを WordPress の管理画面で確認できている

という3つの条件が揃っていれば、表示されます。

表示されない場合は使えません。AIボットの挙動を見たいだけの場合は、Cloudflare の無料版でも十分です。後述の「守りの使い方」も参照してください。

STEP
[セットアップの確認]ボタンから進む
Microsoft Clarity AIの可視性(AI Visibility ):[セットアップの確認]ボタンから進む

① Microsoft Clarity の WordPress プラグインのバージョンを確認してください

・Microsoft Clarity プラグインの最新バージョンがインストールされていることを確認してください。インストールされていない場合は、こちらから更新してください。

インストールされている Microsoft Clarity のプラグインが最新版(執筆時バージョン:0.10.15)になっていればOKです。[セットアップの確認]から進みましょう。

STEP
WordPress Integration を「現在の統合」として確認できる
Microsoft Clarity AIの可視性(AI Visibility ):WordPress Integration を「現在の統合」として確認できる

STEP2 と同じ画面です。ここに Connected された WordPress Integration が表示されていれば、AI Bot Activity の機能を使えます。

水色の「dashboard」か、ヘッダメニューの「ダッシュボード」で「AIの可視性」を選んで進みましょう。

Microsoft Clarity AIの可視性(AI Visibility ):ヘッダの[ダッシュボード]から選べる
STEP
Bot Activity を確認できる
Microsoft Clarity AIの可視性(AI Visibility ):Bot Activity の画面

こんな画面が表示されます。開けたら、まずは色々と確認してみましょう。

AI Bot Activity(AIの可視性)をどう使えばよいのか

Microsoft Clarity AIの可視性(AI Visibility ):30日間+All traffic にしたデータ
「All traffic」を選ぶと全データが出てきます

AI Bot Activity ダッシュボードの画面を大きく分けると、以下の3+1の要素で構成されています(和訳の違和感は御愛嬌……)。

  • ボット演算子(Bot operator)+ AI要求(AI requests)
  • ボット アクティビティ(Bot activity)
  • パス要求(Path requests)

それぞれを見ることで、AIボットのアクセス状況を俯瞰できるようになっています。詳細は後述しますが、以下の順番で見ていくのがオススメです。

  1. 大きな傾向(AI要求)をまず見る
  2. どんなAIがアクセスしているか(ボット演算子) を確認
  3. アクセスの性質(ボット アクティビティ) を俯瞰
  4. 具体的なページ(パス要求) をチェック

どのように意思決定して活かすのかは、「守り」と「攻め」の2つの考え方があります。

守りの活用

CDN は従量課金制なので、不要なボットに何度もアクセスされると、そのぶんお金がかかります。シンプルに困りますよね。

また、自分のコンテンツをAIの学習から守りたいということもあるでしょう。AIに紹介されないリスクを軽減するなら「NotebookLM のボットからは守る」など、用途を想定してブロックする方法もあります。(個人的に、時代を考えたら焼け石に水のいたちごっこだろうと思うのですが……)

こういった「ボットからアクセスされることで困ることをなんとかする」のが守りの活用。現状がわからないことには判断できませんので、Clarity の Bot Activity を使うことで、何が起きているかを把握することは可能です。

ただ、その後の施策は別なので、本当に守りたいのであれば CDN という「監視ゲート」を導入して、検知したものをブロックするような使い方がオススメです。どのみち CDN でブロックできれば、Clarity には反映されませんし。

この使い方は、アクセス解析ツール初期の使い方に似ています。いろんなボットがありましたよねえ……(遠い目)コメントスパムとか、リファラースパムとか、よくわからない User-Agent があったような。コメントが閉じられるのが当たり前の時代になって滅亡したのかもしれませんが、おそらくそういったボットも検知できるのでは。

攻めの活用

守りの活用がボットを「ノイズ」として除外する方法なら、攻めの活用はボットを「代弁者」として積極的に活かすことです。今の時代、ほとんどの方が知りたいのはこちらでしょう。Clarity の AI Bot Activity も、どちらかというと「攻めの活用」です。とはいえ、現在はただの情報でしかないため、過度な期待は禁物です。β版ですし。

CDNを使うか、WordPress のプラグインを使うという前提での話になりますが、興味があるなら Clarity 以外の方法もある(今後出てくる可能性も高い)ので、調べてみてください。

攻めの活用をするには、以下の3段階です。

  1. AIが何をしに来ているか(役割)を定義する
  2. 重視したい役割に合わせた仮説を立て、AIのアクセスが多いページを調整する
  3. 調整したページを中心に、人とAIのアクセスを検証する

ということで、次から攻めの活用を前提にした画面説明です。画面左上の設定を少し変えておきましょう。

Microsoft Clarity AIの可視性(AI Visibility ):対象期間と対象トラフィック
期間を長めにして、「All traffic」を選んでおくとわかりやすいです

ボット演算子(Bot operator)からわかること

「ボットオペレーター」という言葉はあるのですが、和訳がそもそもわかりにくいので「ボット」で進めます。

「どんな会社のどんなシステムがどれくらいアクセスしているか」を把握できるものです。

Microsoft Clarity AIの可視性(AI Visibility ):ボット演算子(Bot operator)

AI要求(AI requests)

画像で「5.44%」と表記されている箇所の数値です。これはすべてのアクセスのうち、AIが関係するアクセスの割合です。内訳を見るとわかるのですが、AIが学習のためにアクセスするケースもあれば、人がAIに依頼してアクセスするケースもあります。

基準値はないのでなんとも言えませんが、内訳と合わせ、守りの活用を検討すべきかどうかも判断してください。サイトの性質や業種などにもよりますが、公式の数値などを見ると、だいたい5〜15%くらいが一般的でしょうかね。

ボットの一覧(Bot operator)

どんなボットがアクセスしているのかがわかります。画面の左上で「AI bots」を選ぶとAIボットのみに絞り込まれ、「All traffic」を選ぶとすべてのアクセスが表示されます。すべてのアクセスのうち「Likely Human Traffic(たぶん人間のアクセス)」が一番多くなるのでは。

  • namecheap ってなんだ?と思いますよね。どうも WordPress の標準的な内部通信が namecheap として検出されているようです。一旦スルーしておきましょう。有識者の方がいらしたらXなどにてコメントください。
ボットの具体的な解説(一部)

それこそ「このボット、何?」とAIに尋ねてみると早いのですが、代表的なものを少し紹介しておきます。

OpenAI 系

参考:Overview of OpenAI Crawlers

  • ChatGPT-User
    ChatGPT がユーザーの質問に答えるためにページを取得したアクセス。AIアシスタントとしての回答生成(要約・引用・説明)をしているので、AIに参照されている可能性を示す、最も価値の高いシグナルといえそう。
  • OAI-SearchBot
    OpenAI の検索・情報収集用ボット。AI回答のための事前インデックス/情報探索が目的で直接引用されているわけではない。ChatGPT 等で参照される「候補」に入っている可能性はある。
  • GPTBot
    OpenAI の学習・評価・モデル改善向けクローラー。学習を目的としたアクセスなので、嫌ならこのボットをブロックして影響を見てみても?

Google 系

参考:Google クローラー(ユーザー エージェント)の概要 | Google クロール インフラストラクチャ  |  Crawling infrastructure  |  Google for Developers

  • そもそも、AIよりも検索用のクローラーや広告系がメインなので、めっちゃ多いです
  • GoogleBot
    Google 検索の中核となるクローラー。検索インデックス作成が主目的で、SEO に直接影響する最重要ボット。AI要約(AI Overviews)や検索結果表示の土台となるため、検索に載る/載らないを左右する存在。だいじ。
  • Google Read Aloud
    Google 検索や Google アシスタントで、ユーザーがページ内容を音声読み上げている。視覚障害者向け・音声UI向けのアクセシビリティ用途が主。内容の要約・再構成よりも「そのまま読む」用途に近い。
    参考:Google Read Aloud ユーザー エージェント
  • Google NotebookLM
    ユーザーが NotebookLM プロジェクトのソース(URL・PDF等)として指定した場合に発生するため、価値の高いアクセスと解釈できる。価値を感じてくれている表れなのに、モヤッてしまうのはなぜだろう。

Anthropic 系

参考:Anthropicはウェブからデータをクロールしていますか?また、サイト所有者はクローラーをブロックするにはどうすればよいですか? | Anthropic Privacy Center

  • ウチに Anthropic 系のボットが来ないのは、Claude がエンジニア向けだから……?こういうAIの性格みたいなところ、出ますよね。
  • ClaudeBot
    Anthropic が運用する学習・評価・安全性向上のためのクローラー。学習用途に使われる可能性があるアクセスなので、学習させたくない場合はブロック対象として robots.txt による制御を尊重すると明記されている。ここまでハッキリしているのはなかなかないと思う。
  • Claude-User
    ユーザーが Claude に対して URL を入力・共有した際に、その内容を取得するアクセス。「ユーザー主導」で発生する点が最大の特徴で、Claude が要約・説明・質問回答を行うための参照取得。AI に“意図的に読ませている”アクセスであり、Clarity 上では価値の高いシグナルと解釈できる。
  • Claude-SearchBot
    Claude が回答精度を高めるために行う検索・情報探索フェーズで使用されるボット。直接の引用や表示を保証するものではないものの、情報源として参照されている。こちらも価値は高そう。

Apple 系

参考:Applebotについて – Apple サポート (日本)

  • Applebot
    Apple が運用する公式クローラー。近年は Apple Intelligence との連動が明示されており、AI文脈での重要度が上昇。Apple の検索・AIエコシステムに参照される候補に入っている可能性がありそう。

ボット アクティビティ(Bot activity)からわかること

上記の「ボット演算子(Bot operator)」が誰(どのAI・どのシステム)が来ているかを示すものに対し、この「ボット アクティビティ(Bot activity)」は何をしに(どんな目的で)来ているかを示すものです。

要するに、「目的別ボットの一覧」ですね。

Microsoft Clarity AIの可視性(AI Visibility ):ボット アクティビティ(Bot activity)

Bot activity で分類される「目的」とは

Bot activity で分類されている目的(Intent)は「このページが ChatGPT からアクセスされている」といった具体的なことはわかりません。

しかし、サイト全体の傾向を知ることで、

  • 自社サイトが「どの文脈でAIに見られているか」の仮説を立てられる
  • 守るべきアクセス(過剰なクロール等)と、活かせるアクセス(検索・要約目的など)を切り分けられる
  • AI時代において、どの情報を強化・整理すべきかの判断材料になる

といった「意思決定のヒント」を得ることができます。あくまでヒント。

代表的な目的の解説(一部)

私のサイトにある以下を、備忘録も兼ねてメモ。内訳を見ると誤解が少ないです。ウチはAIからのアクセスが検索ボットより少ないんですよねえ……Microsoft Clarity 公式の画面は、AI Assistant のほうが多いんですけども。

  • Search Engine Crawler(検索エンジンクローラー)
    検索エンジンが自動的にウェブサイトのページを巡回し、コンテンツを収集して検索エンジンのインデックスに登録するプログラムのこと。ページの発見・更新情報を検索結果に反映させるために重要。
  • Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)
    SEOツールのボット。自分が使っていなくても、競合が使っていたりすることもあります。
  • AI Assistant(AIアシスタント)
    「ChatGPT-User」同様、ユーザーの入力や指示に応じて情報提供や操作補助を行う、AIに参照されたことを示唆するアクセス。
  • Page Preview(ページプレビュー)
    SNSやメッセージアプリでリンクが貼られた際に、小さい画像やタイトル、説明が表示される機能。内訳を見ると、SNSが並んでいるのがわかります。
  • AI Search(AI検索)
    「OAI-SearchBot」同様、AIによって検索されたアクセス。検索結果として表示されているものの、ここからクリックされたかどうかは別。
  • AI Crawler(AIクローラー)
    「GPTBot」同様、AIモデルの学習や回答生成のためにウェブサイトを巡回し、コンテンツを収集する自動プログラムによるアクセス。

「AI bots」で確認すると割合が大きくなるため、絶対値も多く見えてしまいがちですが、「All traffic」にすると全体の割合として数%程度しかないことがわかるので、どちらも把握しておきましょう。

パス要求(Path requests)からわかること

「ボット演算子(Bot operator)」が誰(どのAI・どのシステム)が来ているかを示すもの、「ボット アクティビティ(Bot activity)」は何をしに(どんな目的で)来ているかを示すもので、「パス要求(Path requests)」は、どのURLに来ているかを示すものです。

Microsoft Clarity AIの可視性(AI Visibility ):パス要求(Path requests)

具体的とはいえ、どのボットがどのURLに来ているかまではわからないため、「All traffic」を「AI bots」に変えて(AIのアクセスのみに絞り込んで)確認することをオススメします。

URLにはリンクが張ってあるので、クリックすると確認できます。

Clarity にも「人気ページ一覧」がありますが、ここでの対象は人ではなくAIボットです。人のアクセスとは、少し異なる傾向が見られるのではないでしょうか。

ウチはコラムへのアクセスが目立ちますが、これは人のアクセスでもよくあることです。もともとSEOを想定してつくっていますし。そしてAIがアクセスしているURLのコンテンツは「ちゃんと読みたい」より「これなんだっけ?」に応答している印象もありますね。ファストアンサー。

よくありそうな質問と回答

というか私が気になった備忘録も兼ねて。

Bot Activity が示している数値は、SEOの評価に使えますか?

いいえ。

Bot Activity はあくまで「AIボットによるリクエストのデータ」であり、検索順位やSEOを評価できる指標ではありません。SEOをしたいなら、AIOではなくSEOをしましょう。

ボットのアクセスが増えると、サイトのパフォーマンスに悪影響がありますか?

これは「守りの活用」の考え方なので、何がどのくらいになれば悪影響といえるのか、の判断軸が先に必要です。

データを見れば、明らかに不要だと感じられるケースの方がほとんどで、少なくとも、月間2万セッション以下の一般的なサイトであれば、そこまで深刻に捉える必要はないと思います。

ただ、CDNを導入していて、ボットアクセス増加 → リクエスト増加 → コスト増につながる可能性はあります。このような「守り」が必要な場合、Clarity でデータを見ているよりも、直接 CDN(Cloudflare など)の機能でブロックしましょう。

GA4 など他の分析ツールと数値が合わないのですが

そもそもデータの取得方法が異なりますので、合わないと思っておいたほうが良いのでは。Microsoft Clarity 内のデータとも合わないことも想定されます。GA4とサーチコンソールのデータが合わないのと同じようなものです。

結局、絶対評価よりも相対評価をすることになるため、どのツールをどんなときに「正」として運用するかですね。

Bot Activity の数値が「高い=悪い」のでしょうか?

一概に悪いとは言えません。というか、必要な部分を見極めて仮説を立てることしかできません。

不要なボットによる大量のアクセスは、コスト面で問題になることがありますが、AIアシスタントや検索系のボットによるアクセスは、「攻めの活用」として使える可能性はあると考えています。

Bot Activity のデータを、改善施策の KPI にできますか?

オススメしません。そもそも「Likely Human Access(おそらく人のアクセス)」のほうが圧倒的に多いはずです。先にやることがあるのなら、まずはそちらから。

アクセス解析ツールで得られるのは、結果でしかないんですよね。しかも Bot Activity で得られるのは「結果指標」ではなく「観測指標」です。施策をしたから上がった、と判断できることがゼロではないにしても、コンバージョンにつながるかどうかは曖昧です。

自己満足の好奇心対応に流されないように。そして、高額なAI対応施策に騙されないように。

Microsoft Clarity の Bot Activity は無料でできますか?

「Microsoft Clarity の Bot Activity」自体は無料です。

ですが、この機能を使うために有料のCDNを利用する必要が想定されます。Cloudflare は logpush の機能を必要としますが、これは有料版でないと使えません。

WordPress のプラグインを使えるようなら無料で対応できますので、試してみては。

「良いボット」と「悪いボット」はどう見分けたら?

目的次第です。

Clarity の Bot Activity は、ボットの「種類(Bot operator)」と「行動(Bot activity / Path requests)」を組み合わせて判断できます。だいたい、こんな感じでしょうか。

  • 目的が明確で、正体が分かるボット(検索エンジン、AIアシスタント、公式クローラーなど)
    → 情報収集・要約・検索用途が想定できる → 管理対象(攻めの活用に活かせる)
  • 正体不明で頻度が異常、特定のパスに集中してアクセスしてくるボット
    → スクレイピングや不正挙動の可能性がある → 警戒対象(守りの活用に活かせる)

自社にとってコスト・リスク・価値のどれに当たるかで判断できるといいですね。ボットの種類がわからなければ、それこそAIに調査してもらってください。

AIに学習させたくない場合はどうすれば?

現時点では、完全に防ぐ方法はありません。学習させたくなければ、インターネットにアップロードしないこと。なぜなら、Claude のようにユーザーを尊重するAIもあれば、「AIに学習させないのは世界の損失!」というスタンスのAIもあります。

ただし、以下のような「抑制策」はあります。

  • robots.txt で学習を目的としたクローラーを拒否する
  • CDN(Cloudflare 等)で特定 User-Agent をブロックする
  • APIや構造化データの公開範囲を制御する

完全防御を目的にするより、どこまで公開し、どこを出さないかの線引きを決める方が現実的です。まだ過渡期なので、いろんな考え方があって良いんじゃないでしょうか。

まとめ:中小企業サイト担当者の方へ

色々と書き連ねましたが、大前提として「Bot Activity は無理に使わなくてもいい」のです。判断材料が増えることは、必ずしも良いとは限らないですし。

それでも導入できたのなら、これだけは知っておこう、というものをまとめました。

Bot Activity から「考えるといいこと/誤解しやすいこと」

考えるといいこと

  • AIが情報源の候補としているページは?
  • 構造化・整理を進められるページは?
  • おかしな挙動をしているボットはないか?

誤解しやすいこと

  • AIにアクセスされている=評価されている
  • 数値が高い=成果が出ている
  • Bot Activity を直接 KPI にする

現実問題、限られたリソースの中でできることはシンプルです。

  1. まずは「何が起きているか」を知る
  2. コストやリスクがあるなら、守る
  3. 余力があれば、攻めの仮説を立てる

Bot Activity は、AI時代の健康診断になりうるものですが、本格的に使えるのはもう少し先ですかね。

おまけ

Bot Activity のデータは、CSV でダウンロードできます。つまり、AIに分析してもらえます。そのデータと合わせて、以下のプロンプトで依頼してみてください。

この Bot Activity のデータから、このサイトはどんなふうにAIから認識されていると仮説が立ちますか?

私のカスタムプロンプトはかなり厳しめに入れているので、上記だけでこれだけ出てきますが、もし意図と異なるようなら「仮説を5つ以上」とか「私に3つ質問してから分析して」などと依頼をカスタマイズするのもオススメです。

出力したものを見たい方は以下をどうぞ。タグなどは全部抜いているので参考程度に。

ChatGPT(5.2)の回答例(テキストのみ)

仮説1:このサイトは「定義・解説の一次情報源候補」として集中的に読まれている

根拠

AIリクエストの約 47% が AI Assistant、約 27% が AI Search

/column/strengthsfinder-◯◯/ や /faq/ 系ページへのリクエストが分散・継続的

トップページよりも個別解説記事が多く叩かれている

解釈(仮説)

「StrengthsFinder/CliftonStrengths の用語説明」「資質ごとの意味」などを
“質問に答えるための材料”としてAIが参照している可能性が高い

=ストーリーや思想ではなく、定義・整理された知識として認識されている

仮説2:AIはこのサイトを「人が読む導線のある専門ブログ」と見ている

根拠

AI Crawler(25.9%)と AI Assistant(46.8%)が拮抗

/robots.txt や /sitemap.xml も定期的に取得されている

解釈(仮説)

単なるデータ吸い上げ用の辞書ではなく、
人間向けに構造化されたサイトとしてクロールされている

記事単位で完結しており、引用・要約しやすい構造だと判断されている可能性

仮説3:「誰のサイトか」より「何が書いてあるか」で消費されている

根拠

トップ(/)へのアクセスはあるが、突出してはいない

著者ページ・プロフィール系への集中は見られない

解釈(仮説)

AIは

「この人(コスギ)に聞く」
ではなく
「StrengthsFinderの◯◯とは何か」
というトピック単位で認識している

ブランド人格・思想の引用元としては、まだ弱い

仮説4:日本語のStrengths系コンテンツとしては“安定した補欠席”

根拠

OpenAI由来が 92%超

ただし Clarity上の「Query volume / Citation rate」はまだ 0

解釈(仮説)

学習・補助・裏取り用途で頻繁に見られているが、
AIの最終回答に名前が出る“主語ポジション”にはまだ立っていない

=「参照されるが、紹介されない」段階

総合仮説(一文で)

このサイトは現在、
「StrengthsFinder/VIA系の概念を日本語で正確に説明する、信頼可能な“裏方の知識ベース”」
としてAIに認識されている可能性が高い。

厳しめの指摘(意図的に言います)

思想・立場・独自フレームは、AIから見るとまだ弱い

情報は使われているが、あなたの名前や視点が“引用理由”になっていない

つまり今は
「良質なWikipedia的サイト」>「この人の見解を紹介したいサイト」

これは価値が低いという意味ではありません。
ただし、「AIに紹介される人」になりたいなら、現状は明確に未達です。

必要であれば次に進めるモードとして、以下が考えられます(選択制):

分析深化:この仮説を裏取りするために、どの指標を見るべきか

AIO設計:AIが「この人の意見として答える」状態に近づける構造

あえて放置:知識ベース特化として割り切る戦略の是非

どれを選ぶかで、設計思想は真逆になります。

これを受け、施策にまとめたのが以下。

AI向け施策まとめ(カエルコムニスの場合)

最優先(A)

  1. 「この人の見解」明示
    • 各主要記事に「コスギの見解/立場」を1セクション追加(結論→理由→注意点)。
  2. AI向け要約ブロック設置
    • 記事冒頭に3–5行の要点要約(定義/前提/結論)を固定フォーマット化。
  3. 著者一貫性の強化
    • 全記事に著者情報・専門領域・実績を同一構造で明示(フッター固定)。

次点(B)

  1. 比較・反証コンテンツ追加
    • 「よくある誤解」「反対意見」「適用外ケース」を明文化。
  2. Q&A構造の強化
    • 1記事=3–5問のFAQを必須化(短文・断定)。
  3. 内部リンクの意図設計
    • 定義→応用→意思決定の3層で相互リンク。

補助(C)

  1. 更新シグナルの定期化
    • 主要記事を四半期更新(更新日・変更点を明示)。
  2. 引用可能な一文の固定
    • 各記事に「引用用1文(定義)」を設置。
  3. サービス文脈の最小接続
    • 記事末に「判断基準」だけ提示(売り込み禁止、判断材料のみ)。

よくあるAIOの施策は、以下のようなことが言われているので、だいたい合ってますかね。個人的には、ちょっとしたコツ+愚直な E-E-A-T という認識です。AIの出力に寄せている印象もあるので、人間らしさを出せるのは一次情報くらいですYO

  1. 冒頭に結論+根拠を伝える
  2. 見出しの構成を「Q&A形式」にして情報を整理する
  3. 独自の一次情報(事例や体験談)を含める
  4. 構造化データを整備して、著者・運営者情報を明確に
  5. 重要ページへの内部リンクを設計、1ページ1テーマ

この5つの観点から、注力したいページをAIに評価してもらっても良いのではないでしょうか。人間の仕事だけが増えていきますねえ……

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Microsoft Clarity で AI ボットのアクセスを可視化しよう(和訳+α) https://clarity.kosgis.com/blog/ai-bot-activity-in-clarity/ Wed, 04 Feb 2026 08:10:46 +0000 https://clarity.kosgis.com/?p=1234

はい、ごめんください。Microsoft Clarity(クラリティ)大好きコスギです。この記事は Ihab Rizk さんによって書かれた Microsoft 社の公式記事を和訳しつつ、私の考えなども入れたものです(和 […]]]>

はい、ごめんください。Microsoft Clarity(クラリティ)大好きコスギです。
この記事は Ihab Rizk さんによって書かれた Microsoft 社の公式記事を和訳しつつ、私の考えなども入れたものです(和訳公開の許可を得ています)。ノイズなく読みたい方は以下からどうぞ。

https://clarity.microsoft.com/blog/ai-bot-activity-in-clarity/

以下に、要点を3行で。

  1. AIボットのアクセスが「見える化」できるようになりました(AI Bot Activity)
  2. ボットのアクセスは「ノイズ」から「判断材料」へ
  3. 利用はCDN連携が必要、WordPress ならプラグインを入れるだけ
AI Bot Activity で確認できること
AIボットのアクセスがわかるようになりました

Microsoft Clarity での AI Bot Activity:AI が実際にどのようにサイトにアクセスしているかを見る

従来の解析ツールでは、人間のユーザーがサイト上で何をしたか(クリック位置、スクロール位置、コンバージョンなど)だけが見えていました。しかし、今や大量に発生しているAIシステムや自動化されたエージェントによるアクセスは、ほとんど可視化されていませんでした。

これらのAIシステムやクローラーはページを読み込み、リソースを取得し、継続的にサイトを訪問します。このようなアクセスはインフラ負荷に影響するだけでなく、コンテンツがAIによってどのように要約・引用・表示されるかにも関わってきます。つまり、ユーザーが情報を発見する方法そのものに影響を与える可能性があるのです。しかし、従来の分析ツールではこれらを捉えることができませんでした。

そこで Microsoft は AI Bot Activity(AIボットアクティビティ) を Clarity に導入し、これらのアクセスを「見える化」できるようにしました。

コスギ注

アクセスの負荷分散を必要とするほどのサイトなら、ボットアクセスの量は無視できません。とはいえ小規模なサイトでも、「検索クローラーが理解しやすい構造にしましょう」とか「人間以外のアクセスはノイズなので排除しましょう」くらいは言われていたものです。要するに、それほど注目されていませんでした。

ですが、AI時代に突入した昨今、AIに引用されることで得られるメリットが無視できなくなってきたわけですね。だから対応しましたよ、という話です。

AI時代にボットの活動が重要な理由

かつてクローリングといえば、主に検索エンジンがインデックス作成のためにコンテンツを収集することを意味していました。

しかし現在、ボットによるクローリングは、コンテンツがAIシステムによって後でどのように使われるか(要約、引用、AIアシスタントでの表示など)を示す最も早い段階で観測できるシグナルとなっています。従来のクローラーとは異なり、AIシステムは複数のプラットフォームにわたって大量かつ継続的にコンテンツにアクセスします。

これにより、事業主やサイト運営者には新たな疑問が生まれます。

  • どのシステムが自社のコンテンツにアクセスしているのか?
  • このボットによるアクセスは価値あるものか、それとも単なる負荷なのか?
  • どのページが最も頻繁にアクセスされているのか?
  • (エージェントなどによる)自動化されたアクセスは、将来の表示・エンゲージメントにどう関係するのか?

こうした疑問には、アクセスそのものを測定できないと答えようがありません。Bot Activity は推測に頼らず、これらの動きを把握できるよう設計されています。

コスギ注

背景はリード文とほぼ同じです。そして提示されている「新たな疑問」に答えるべく Microsoft Clarity の Bot Activity を設計しました、と読んでも良いと思います。

いわゆる、GEO(Generative Engine Optimization:生成エンジン最適化)とかLLMO(Large Language Model Optimization:大規模言語モデル最適化)とかAIO(Artificial Intelligence Optimization:人工知能最適化)とか言われていることができるといいよね、という話ですね。個人的には「AIO」推し。AIって入っているからわかりやすい分、視野が狭くなりがちでもあるんですが。

AIアクセスの可視性を新たなレベルへ

AI Bot Activity は、認証済みボットがコンテンツにどのようにアクセスしているかを明らかにします。クローラーのトラフィックをノイズとして無視するのではなく、Clarity はそれを測定・分析可能なデータに変えます。

AI Bot Activity で確認できること:

  • どの AI システム/プラットフォームがサイトへアクセスしているか
  • どれくらいの頻度・規模でクロールしているか
  • 最も自動化されたアクセスが多いページ、パス、リソースはどこか

これは推測やモデル化に基づくものではありません。AI Bot Activity は、CDN連携を通じて収集された実際のサーバーサイドログを利用しており、クライアントサイドのアナリティクスでは取得できないデータです。

その結果、インフラに実際に到達しているリクエストに基づいた、信頼性の高い自動アクセスの全体像を把握できます。

コスギ注

GA4 も Microsoft Clarity も基本はウェブビーコン型(ホームページにタグを埋め込んで情報を取得するタイプ)なんですが、元々アクセス解析ツールはサーバーログ型(主に異常を検知するために取得しているアクセスログを分析するタイプ)から始まってるんですよね。

本文で言われている「クライアントサイドのアナリティクス」がウェブビーコン型なんですが、サーバーログ型と比べて不安定なところがあります。それをサーバーのログを用いて補完するのがハイブリッド型。

今回の機能は、Microsoft Clarity もハイブリッドにしていく一歩という印象です。データを AI 連携するとはいえ、無料で使えるのは資本力の違いですねえ……

AI Bot Activity で確認できること

AI Bot Activity で確認できること
この画面は私のサイトのデータです

Clarity の Crawling Activity(日本語では「AIの可視性」)ダッシュボードでは、以下を確認できます。

  • AI クロールリクエストの割合
    人間のトラフィックを含む全リクエストに対して、AI ボットが占める割合
  • 目的別ボット活動
    アクセスしたボットを主な用途(検索インデックス用、AI学習用など)別にグループ化
  • オペレーター別リクエスト
    どのプラットフォーム/組織がどれだけアクセスしているか
  • パス別リクエスト
    自動化されたシステムが頻繁にアクセスしているページやリソース

これらにより、単なるノイズだったボットのアクセスを、測定可能なオーディエンスとして理解できるようになります。

コスギ注

もう少し具体的に、ダッシュボードの画面に合わせて説明します。実装できてから確認してみてください。

  • AI クロールリクエストの割合
    → これは3つのカードのうち左にある「ボット演算子」の「AI 要求」の割合を示しています。ウチのサイトなら 4.37% です……こんなにあったんか。内訳もわかりますね。
  • オペレーター別リクエスト
    → 左のカード「ボット演算子」それぞれを示しています。具体的な内訳もわかりますよ。ウチは Anthropic(Claude)全然来てないですね……
  • 目的別ボット活動
    → これは真ん中のカードの「ボット アクティビティ」です。どんな目的でボットアクセスがあるのかを把握できます。ウチは「AI Assistant」が多いのでユーザーのリクエストに応じるケースが多そうです。「ChatGPT-User」とも同じ数値ですし。
  • パス別リクエスト
    → 右のカードの「パス要求」です。自動化されたシステム(エージェントなど)にアクセスされているページがわかります。どうでしょうね、SEOの結果と大差ないのではないでしょうか。

なお、公式記事では「オペレーター別リクエスト」が3つめになってますが、左のカードの話なので2つめで説明しました。また、わかりやすくダッシュボードは「AI bot」に絞り込んでいます。

具体的に説明した記事を公開したので、こちらもどうぞ。

https://clarity.kosgis.com/blog/microsoft-clarity-bot-activity/

実際のサーバーサイドデータに基づく設計

AI Bot Activityの特徴は、その背後にあるデータにあります。

クライアントサイドのスクリプトや推測に頼るのではなく、接続されたCDNからのサーバーサイドログを使用して、高精度でクローラーの動作を識別します。これにより、オペレーター、目的、リクエストパターンごとに信頼性の高い分類が可能になります。

その結果、自動化システムがコンテンツにどうアクセスしているかを、より明確かつ正確に把握できます。

コスギ注

ここは裏でどうなっているかという話なので、よくわからない人は「なるほどわかった(わからん)」くらいで問題ありません。

少し専門的な話になります。

一般的なアクセス解析ツール(GA4 など)は、ブラウザ上で実行される JavaScript(ウェブビーコン)を通じてユーザーの行動を取得します。そのため、JavaScript を実行しないボットやAIクローラーのアクセスは原則として計測できません(これにより、ノイズが省かれていたメリットもありました)。

一方で、サーバーログ型のツールは、人間・ボット・AIを含むすべてのアクセスログが残ります。

イメージとしては、「店内の防犯カメラ(JS)」ではなく、「建物の正面ゲートの入退館記録(サーバーログ)」を見る感じ……わかります?

Clarity の Bot Activity はこの入退館記録を保持しているCDNというシステムと連携することで、具体的にAIやボットのアクセスを監視できるよ、ということですね。

なお、WordPress のプラグインなら無料で実施できますが、CDNを使う場合は有料になることが多いです。以下の記事(英語)で費用感について言及されています。田中さん、ご指摘ありがとうございます!

https://learn.microsoft.com/en-us/clarity/ai-visibility/cost-considerations-bot-activity-integrations

盲点から情報に基づいた意思決定へ

AI Bot Activity 自体は、ボットのアクセスをブロックしたり制御したりする機能ではありません。代わりに、次のような意思決定のための情報として活用できます。

  • パフォーマンスとインフラの計画
  • クロールポリシーとアクセス戦略の策定
  • コンテンツの優先順位づけと最適化
  • 自動化されたアクセスのコストと影響の評価

可視化されたデータに基づき、推測ではなくデータに基づく意思決定が可能になります。

コスギ注

ここで言われているのは「直帰率がわかるようになりました!」と同じようなものです。つまり、「直帰率がわかるようになったので、○○という施策が効果的です!」とは言われていません。

あくまで、使える判断材料が増えたよ、というものです。まだβ版なので、これからどんな施策が提案されるかは Clarity が内包しているAIが関わってくるのではないでしょうか。AIのアクセスをAIが分析する時代か……

AI Bot Activity をはじめる

AI Bot Activity は、Microsoft Clarity の ダッシュボード → AIの可視性(AI Visibility)から「AI Bot Activity」として利用できます。

機能を有効にするには、プロジェクト設定の AI Visibility セクションで対応する CDN を接続します。サポートされている CDN は Fastly、Amazon CloudFront、Cloudflare などです。

WordPress サイトで最新版の Clarity プラグインを利用している場合は、自動的に機能が有効になります。古いプラグインを使っている場合は更新が必要です。

  • 注釈:具体的には公式ドキュメントを参照してください。
https://learn.microsoft.com/en-us/clarity/ai-visibility/bot-activity
コスギ注

CDNがいるのか〜……と思っていたんですが、WordPress で Microsoft Clarity のプラグインを使っているならCDNに WordPress を選べるので、拍子抜けするくらいカンタンに使えてしまいました。厳密にCDNではないけれど、何らかのフックを使っているのかも?

ですが私、Google タグマネージャーで Clarity を導入してるんですよね。試しにプラグインも入れてみたんです。つまり、タグが重複している状態。そしたら、データの重複もなく動いているようなんです。ユーザーIDでデータの重複を回避している……?

カスタムタグを使用したり、GDPRに対応したりする想定がなければ、プラグインオンリーが安全だと思います。

これは始まりに過ぎない

AI Bot Activity は Microsoft Clarity の AI 可視化機能の第一歩です。

今後、より深いインサイトや関連性の高い指標を追加し、事業主やマーケティングチームが自動化されたアクセスをより深く理解できるよう進化していきます。

余談:AI Bot Activity は AI を使う人に思いを馳せられるツール

ここからは私の感想です。

今回紹介した AI Bot Activity は、「AI向けに何をすればいいのか」を教えてくれるツールではありません。ですが、AIを使う人のことを考えるための材料にはなります。

いま巷では、「AIに読まれないサイトはアブナイ!」「AIに紹介されるかどうかが重要だ!」といった煽りも散見されます。冷静に考えたら、んなわけあるかい(アブナイって、いつ何がどうなるって?)と思いますが、わからなければ不安になりますよね。

そもそも、AIに読まれる前に人に読まれていないサイトも少なくありませんし、「誰の、どんなときに、どんな価値を提供しているのか」を言葉にできていないままでは、AIの話だけが先行してしまいます。これは、本末転倒です。

AI Bot Activity で現状把握しておくことは重要ですが、これを見て「AIからアクセスされていない!ヤバい!」と焦る必要はありません。業界の基準も示されていないので、「今、ウチはこうなんだな」と把握するだけで十分です。

Microsoft 公式でも「これは始まりに過ぎない(This Is Just the Beginning)」とあるとおり、これからなんです。見えないものまで見えたつもりになると、かえって判断を誤ります。過剰な期待をする前に、まずは人を見ましょう。

これまでの情報の流れは

人 → ウェブ → ビジネス → 人

だったのが、これからもっと

人 → AI → ウェブ → ビジネス → 人

になっていくでしょう。CtoC から BtoB が生まれた過程を考えたら、人の存在そのものが見えにくくなるのは自然な流れかもしれません。

ですがビジネスをする限り、その先には必ず人がいて、社会があると思うんです。AIを意識することは、その前提を忘れるためではなく、むしろ「誰に、どんな価値を届けているのか」を問い直すためのきっかけだと、私は思います。

何でもかんでも可視化されると、目を背けたくなることもありますが、想定が通用しなかったときこそ面白いんじゃないでしょうかね。

導入から活用の考え方を記事にしたので、こちらもどうぞ。

https://clarity.kosgis.com/blog/microsoft-clarity-bot-activity/
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実際のユーザー行動を見ると崩れ去る、6つのウェブサイト神話(和訳+α) https://clarity.kosgis.com/blog/website-myths-that-fall-apart/ Sat, 27 Dec 2025 06:23:19 +0000 https://clarity.kosgis.com/?p=1212

はい、ごめんください。Microsoft Clarity(クラリティ)大好きコスギです。この記事は Ryan Loftus さんによって書かれた Microsoft 社の公式記事を和訳しつつ、私の考えなども入れたものです […]]]>

はい、ごめんください。Microsoft Clarity(クラリティ)大好きコスギです。
この記事は Ryan Loftus さんによって書かれた Microsoft 社の公式記事を和訳しつつ、私の考えなども入れたものです。ノイズなく読みたい方は以下からどうぞ。

https://clarity.microsoft.com/blog/website-myths-that-fall-apart/

実際のユーザー行動を見ると崩れ去る、6つのウェブサイト神話

デジタルマーケティングは、すでに約30年の歴史があります。その中で、「マーケティングやWebサイトはこうあるべき」「ユーザーはこう行動するはずだ」という、強く信じられてきた考え方が数多く生まれてきました。

公平を期すなら、それらの多くは一定の真実に基づいています。たとえば、「説明的なCTA(コール・トゥ・アクション)」が「詳しくはこちら」のような曖昧な表現よりも優れたユーザー体験を提供すること。明確な価値提案が重要であること。そして、表示速度の速いサイトほどコンバージョン率が高い傾向にあること。

しかし、広く受け入れられている考え方すべてが、精査に耐えうるわけではありません。では、「本当に正しいもの」と「単に慣れ親しんだ思い込み」を、どうやって見分ければよいのでしょうか。

そこで登場するのが 行動分析(Behavior Analytics) です。

行動分析は、集計された数値や社内の意見だけに頼るのではなく、実際の人が、あなたのサイトで何をしているのかを観察することを可能にします。どこで迷い、何を無視し、どのように摩擦を回避しようとするのか。

そして、実際のユーザーが実際のWebサイトを使う様子を見ていると、非常に一般的な前提が、次々と崩れていきます。

コスギ注

Microsoft Clarity は行動分析ツールですからね。

「一定の真実」については、ベイジさんの記事でキッチリまとめられているので、こちらも基本知識として知っておくに越したことはありません。上記は型破りの話であって、型無しの話ではないので。

https://baigie.me/officialblog/2021/04/15/9_principles_of_web_usability/

行動分析のための基本チェックポイント

  • サイト全体や各ページの目的は?
  • グローバルナビの配置の理由は?
  • ユーザー動線の想定は?

行動分析には、訪問者がどんなページを見て、どんな行動をするかの仮説があるほうが効果的です。たとえばこの記事のように「公式記事の和訳として内容を期待する」「著者の意見が気になってアコーディオンを開く」程度から始めても大丈夫。ここで「著者の意見が気になる」まで進んだ人は中の人への興味が出ているので、Microsoft Clarity の見方もコメントしておくと「なるほど」と納得感につながる=価値を感じられると想定されます。

神話1:私たちのナビゲーションはわかりやすい

なぜそう思ってしまうのか

多くのチームは、自分たちのナビゲーションはわかりやすいと信じています。なぜなら、内部的には意味が通っているからです。ラベルは明確に感じられ、構造も論理的に見えます。関係者の間では「よく整理されている」という認識で一致していることが多いでしょう。チームの誰もが目的の情報を見つけられるのであれば、ユーザーも同じようにできるはずだ、と考えてしまいます。

実際のユーザーはどうしているか

しかし、セッションレコーディングを見ると、まったく違う様子が見えてきます。ユーザーは複数のメニュー項目の上を行き来し、あるページをクリックしては、すぐに戻るボタンを押し、別の選択肢を試します。中には、ナビゲーション全体を無視するユーザーもいます。また、「正しい使い方」でナビゲートすることをやめ、スクロールしたり、検索を使ったりする人も少なくありません。

私が関わったあるプロジェクトでは、およそ30%のユーザーがナビゲーションに問題を抱えていることがわかりました。彼らはページを開いては「違う」と感じて戻り、それを何度も繰り返した末に、必要な情報を見つけるか、あきらめるかのどちらかに至っていました。

実務で意味すること

内部でのわかりやすさと、外部でのわかりやすさは同じではありません。チームは製品や用語、構造を知りすぎているため、初めて訪れるユーザーと同じ視点でサイトを体験することができません。ナビゲーションのわかりやすさは、前提として信じるものではなく、観察によって確認されるべきものなのです。

コスギ注

この話、「関心動線」と通じるんですよね。

私が関わらせていただいているウェブサイトで、力を入れ始めた関連サービスのページがないから、新しく作る提案をしようと思っていたんです。そしたら「コスギさん、それもうあるし、グローバルナビから行けます……」と言われ、横転。

そんな場所にあるのに、アクセス数は全体の0.1%未満……なぜなら、流入のほとんどが広告経由、つまりサイトに流入する目的が限られていたことが大きかったんです。主要なページの動線は太かったし、そこを回遊する改善もできていたからこそ、少しズレた関連サービスへの動線に(途中からとはいえ1年以上関わっている私ですら)気づかなかったほど……CVRより低いなんて。

関連サービスは現在のユーザーと直接関わるものではないからこそ、「太い動線から回遊の道を作ればいいじゃない」と安易にできるものでもないので、現在のビジネスモデルから引き直しているところです。仮説検証真っ只中。

ナビゲーションがわかりやすいかどうか?の基本チェックポイント

Microsoft Clarity:グローバルメニューのクリックマップの例
トップページで使われることが多いです
  • グローバルメニューのページごとに確認
    • そもそも使われているかどうか、セッション数やユーザー数を確認
    • 使用を想定しているページのクリック(タップ)ヒートマップを確認
    • そのページを起点として、前後のページを確認
  • サブメニューも同様に確認
    • 特にモバイルで、タップしないと出てこないメニューは使われにくい
    • ただ並べているだけでアクセスされないのであれば、必要な下層ページからの動線がない可能性も

なお、特定のページは主に関係者が使っていることもあります。それ自体に問題はありませんが、サイトの目的の検証のために影響を考慮・対処しておく必要はありますよね。

神話2:もう誰も文章なんて読まない

なぜそう思ってしまうのか

私たちは日常的に、「注意力は短くなっている」「ユーザーは流し読みしかしない」といった話を耳にします。そのため、長文コンテンツは価値がなく、短いほうが常に良いのだと考えてしまいがちです。

実際のユーザーはどうしているのか

ユーザーはすべてを読むわけではありませんが、自分にとって関係があり、信頼でき、理解しやすいと感じた内容はきちんと読みます。

ユーザーはスクロールし、立ち止まり、自分の疑問に答えてくれるセクションに時間を使います。構成が整理された長文コンテンツは、今でも非常に高い成果を出しています。実際、平均読了時間が8〜10分に達する長文記事も数多く存在します。

もう一つ、ユーザーが読むかどうかに大きく影響する重要な要素があります。それが「可読性」です。500語にも及ぶ長い段落を目にして、「これは読む気がしない」と感じた経験はないでしょうか。ユーザーも同じです。

短い段落、狭めのコンテンツ幅、目次のような機能は、ページ滞在時間に大きな影響を与えます。こうした工夫があることで、ユーザーは必要なセクションを素早く見つけ、そこに深く関与することができます。

実務における意味

問題は文章の長さではありません。有用性です。ユーザーが避けているのは「読むこと」ではなく、「関係がなく、情報密度の低いコンテンツ」です。価値があり、理解しやすいと感じられる情報であれば、ユーザーは時間を割いて向き合います。

コスギ注

「最近、AI 生成の文章が増えているよな〜」と思いながら読んだセクションです。笑って読んでいたんですが、だんだん真顔になりました。

AI は平均的な出力をするので、とても無難なんですよね。わかりやすいですが、それだけ。

「平均的に出力されたものに価値はない」と断言することはできませんが、スマホネイティブの子どもたちが動画で情報を仕入れているのを目の当たりにしていると、少なくとも AI ネイティブの時代は来るはずで、それまでに提供価値に向き合う必要があるのだろうなって。「価値」って、人間にしか出せない「異常値」であり、「約束された変化量」だと思うのです。だから、これからは今よりもっと、経験を積んできた人の言葉が貴重になります。

これまで私はわかりやすさを重視してきましたが、それだけじゃダメなんだよなと薄々感じていたところに、「アクセス数の継続的でゆるやかな減少」「典型的なヒートマップへの変化(今までアテンションの強かった部分が薄まってファーストビューで終わりつつある)」という事実を突きつけられています。

確かにまだ終わってはいませんが、想定される未来のためには、今のうちに向き合うしかないですね……。

文章が読まれているか?の基本チェックポイント

Microsoft Clarity:アテンションマップの例
アテンションマップでページの下部が赤い場合
  • 記事の目次のクリック(タップ)ヒートマップを確認
    • 長い記事は目次から注目箇所がわかる場合も多いです
    • 部分的に読まれているなら、そのセクションからの動線も検討できます
  • スクロールマップとアテンションマップも確認
    • そのページに価値を感じている箇所がわかります
    • 目次が長すぎると離脱されるケースも少なくありません

長いから読まれないのか、価値が伝わる前に離脱しているのかを見極めるところから。

神話3:ファーストビューがすべて

なぜそう思ってしまうのか

この考え方は、理解しやすい前提から生まれています。ユーザーがすぐに目にしないものは、存在しないのと同じだと感じてしまうからです。そして、これまで述べてきたように、注意力は短くなっていると言われています。

実際のユーザーはどうしているのか

データは一貫して、ユーザーがスクロールしていることを示しています。しかも多くの場合、ページに到達してから数秒以内にスクロールが始まります。

重要な文脈、裏付けとなる情報、意思決定に必要な材料は、ファーストビューよりもはるか下に配置されていることが多く、ユーザーはそれらを積極的に探しにいきます。

実務における意味

この神話が本当に破綻するのは、チームがページ上部だけを最適化し、実際にユーザーを納得させている下部のコンテンツを軽視してしまうときです。どちらも重要ですが、その役割は異なります。

ファーストビューは期待値を設定し、ファーストビュー以下のコンテンツが信頼を獲得します。ページが失敗するのは、ファーストビューをスタート地点ではなく、ゴールとして扱ってしまったときです。

コスギ注

ファーストビューが、ゴールではなくスタートというのは、本当にそう。

なんですが、神話というほど強固な偏見かな?と思うくらいには、私のまわりで「ファーストビューだけやっていればいい!!!」という人を見たことがありません。

なんなら、まだファーストビューを軽視している人のほうが多いくらいの印象です。スタートにすらなっていないというか。トップページのファーストビューで、自己満足で抽象的な「わかるようでわからないスライドショー」を掲載しているサイトは山ほどあるし、それを疑問に思わない制作者もたくさんいるんじゃないでしょうか。はいブーメランブーメラン

これは、評価基準が明確でないことにも起因していると思います。ファーストビューで、注視やクリック(タップ)を生み出せないか、もう少し考えてみてもいいかもしれませんね。そういう仮説のある施策なら、検証も捗りますよ。

ちなみに、マーキーでヘッダーに出したキャンペーンのお知らせは、ファーストビュー改善施策の中でも一番スベったことを報告しておきます。みんなスクロールしたいんだきっと。

ファーストビューが機能しているか?の基本チェックポイント

Microsoft Clarity:スクロールマップの例
ファーストビューの赤から急に色が変化する場合
  • そもそもスクロールされているかを確認
    • スクロールマップとアテンションマップでユーザーの停止箇所をチェック
    • スクロールされていなければ、直帰しているかグローバルナビで移動しているかのどちらか
  • ファーストビューにおける行動を確認
    • クリックかスクロールか、それ以外の何かがあるか?
    • それは想定している行動か?

ファーストビューは期待をつくる箇所なので、ページの目的ごと(トップ/ページ/記事/フォームなど)に仮説検証してみると見えてくるものがありますよ。

神話4:自分にとって速い=みんなにとっても速い

なぜそう思ってしまうのか

自分のノートパソコンでページが素早く読み込まれれば、それが「誰にとっても速い」と考えてしまうのは自然なことです。

実際のユーザー体験

Webサイトのパフォーマンスは、使用しているデバイス、ネットワーク環境、所在地、そして訪問者が新規かリピーターかによって大きく異なります。キャッシュの影響により、社内のメンバーには高速に感じられるサイトでも、初めて訪れたユーザーには大きな遅延が発生していることがあります。

もう一つ重要な要素があります。検索エンジン(そしておそらくAIプラットフォームも)はモバイルファースト・インデックスを使用しています。つまり、検索エンジンはモバイル版サイトを基準に評価を行い、デスクトップ版サイトは見ていないということです。そして多くの場合、モバイルのパフォーマンススコアは、デスクトップよりも低くなります。デスクトップでは高速に表示されるサイトでも、モバイルではそうとは限りません。

実務で意味すること

一人の体験が、全体を代表することはありません。ユーザーが実際にどのようにサイトを体験しているかを理解するには、すべてのデバイスにおけるパフォーマンスを測定する必要があります。

Google Lighthouse のようなツールは有用ですが、スコアは一度に1条件ずつ生成され、結果が大きく変動することもあります。その点で、Microsoft Clarity のダッシュボードにある「パフォーマンス概要カード」は有用です。これは、サイトやページにおけるすべてのセッションを集計したパフォーマンススコアを表示します。

コスギ注

サイトのパフォーマンスを測るための、コアウェブバイタルの主な指標は3つあります。

LCP(Largest Contentful Paint):ページ内で最も大きなコンテンツが表示されるまでの時間のこと。ページの読み込み速度に直結し、2.5秒が良好とされています。

INP(Interaction to Next Paint):ユーザーのクリックなどから、ブラウザが応答して表示するまでの遅延時間のこと。ページ内の応答性に直結し、0.2秒(200ミリ秒)が良好とされています。

CLS(Cumulative Layout Shift):ページ読み込み中に要素がズレる度合いのこと。クリックしようと思ったらあとからバナーが出てきて、それをクリックしてしまった、みたいなことがないかどうかの指標です。0.1未満が良好とされています。

こういった指標に改善が必要な場合、チリツモでユーザーに負荷をかけてしまいます。

価値を知っている人にとってはなんとも思わないかもしれませんが、それほど期待していないユーザーは、1秒で「縁がなかった」とみなしかねません。改めて考えたらすごい時代ですね。

本当に速いのか?の基本チェックポイント

Microsoft Clarity:パフォーマンススコアの例
赤い部分をクリックすると簡単に絞り込めます
  • 30日間のパフォーマンススコアを確認
    • パフォーマンススコアの赤い部分(スコア 1〜50)だけで絞り込める
    • どんな状況で置きていたのかをレコーディングなどで確認
    • 極端にユーザー数が少ない場合は、その環境で起きているだけの場合もある
  • イライラしたクリックを確認
    • 表示が遅いと何度もクリック(タップ)しがち
    • 速度以前に、そもそも期待した反応を用意できていない場合もある

「速く表示されること」は、スムーズに行動してもらうための要因のひとつでしかないので、速さそのものが神話になりかけているかもしれませんね。

神話5:私たちはユーザーでもあるから、ユーザーを理解している

なぜそう思ってしまうのか

社内の人間は、一日中そのサイトを使っています。製品を使い、導線を把握し、全体の流れを理解しています。そのため、それがユーザー行動を理解していることと同義だと感じてしまいます。

実際のユーザーはどうしているのか

このブログを読んでいるあなたは、おそらく多くの人とは違う形でWebサイトを使っています。一般的なユーザーよりも忍耐強く、目的意識が高く、デジタルの操作にも慣れています。

さらに、あなたにはそのサイトを理解する金銭的な動機もあります。

しかし、実際のユーザーにはその動機がありません。彼らは、あなたと同じ文脈や語彙、摩擦への耐性を共有していません。次に何が起こる「はず」なのかも知りませんし、それを待ってくれることもありません。

実務における意味

慣れは、盲点を生みます。製品やサイトをよく知れば知るほど、初めて訪れたユーザーの視点で見ることは難しくなります。セッションレコーディングを見たり、ヒートマップを分析したりすることで、社内テストではほとんど見落とされてしまうギャップが明らかになります。

コスギ注

これはねえ……特にモバイルのヒートマップがわかりやすいですが、下層ページなのに一番クリック(タップ)されているところが「ハンバーガーメニュー」ってケースがたまにあります。広告流入の場合は特に。

もちろん、ページ内のクリック要素にもよりますが、「アテンションマップがファーストビューに集中している」+「ハンバーガーメニューが一番タップされている」ときのユーザーの頭の中は、混乱しています。

ページに来たけれども、期待した内容ではないためにグローバルメニューを見て、それっぽいところを探しているわけですね。当然、このメニューになければ離脱します。

直帰せずに期待してくれているだけ、まだ大きな可能性があるので、ランディング直前の状況にフィットさせましょう。場合によってはランディング前(広告のクリエイティブとか)の調整が必要になることもありますよね。

思い込みがどれくらいあるか?の基本チェックポイント

Microsoft Clarity:レコーディング画面の例
テキストを選択しながら読んでいることがわかります
  • デッドクリックやイライラしたクリックを確認
    • 「そこクリックする!?」と思うところや、リンク切れを発見できる
    • そもそも連打を想定していない行動を発見できる
  • 「クイックバック」と「一度で完了」で絞り込んでレコーディングを確認
    • ページの滞在時間が極端に少ないケースを確認できる(悪いことだけではない)
    • レコーディングは「詳細」から特定のイベントを絞り込める

他にも、404ページにアクセスした際の挙動をわかるようにしておくと、致命的な想定外をカバーしやすいですね。

神話6:大きな成果には、大きな変更が必要

なぜそう思ってしまうのか

意味のある成果を出すには、大規模なリニューアルや大きな刷新、あるいはまったく新しいユーザージャーニーが必要だと感じてしまいがちです。実際、公平を期すなら、それが当てはまる場合もあります。大規模なWebサイトの再設計や、長期的なパフォーマンス改善への投資が、大きな成果をもたらすことも確かにあります。

しかし、それが常に必要というわけではありません。

実際に起きていること

行動分析が明らかにするのは、小さな混乱点が、過度に大きな問題を引き起こしているという事実です。そうした特定の瞬間を修正するだけで、劇的な成果につながることがあります。

たとえば、ある Clarity の顧客は、クライアントの支援において、コンバージョン数ゼロの状態から40件の新規相談予約を獲得し、同時にデッドクリック率を9.5%から0.5%まで低下させました。しかも、サイト全体を再設計したわけではありません。行動分析によって問題点を特定し、1つの新しいランディングページを設計しただけでした。その効果は即座に、かつ明確に表れました。

実務における意味

規模よりも、精度です。最大の改善は、多くの場合、ユーザー行動に基づいたデータから導かれる、焦点を絞った変更によって生まれます。

コスギ注

色々改善ポイントが見えてくると、「これはリニューアルしたほうが早いな……」と思うこともあるかもしれません。ですが、その費用を持つのはクライアントなので、投資対効果が見えないと「表示されているんだから問題ないのでは?」と判断されますよね。

この見極めができるかどうかが、AIではなくずっと関わってきた人間ができることなのかな、とも。施策としては記事にあるとおり、LPを1枚つくるだけでも成果につながることは少なくありませんが、責任を持って決断するのは誰かって話だと理解しました。

これは Microsoft Clarity を見ているだけじゃわからない、どんな Why を自分が持っているのか、という問いです。

結論

多くのWebサイトに関する神話が残り続けているのは、それらがもっともらしく、安全に感じられるからです。こうした考え方は、不確実性を減らし、意思決定を容易にしてくれるという意味で、ある種の安心感を与えてくれます。

しかし、セッションレコーディングを実際に見ていると、どれほど自信を持っていた前提であっても、簡単に揺さぶられることがあります。そして、実際の行動を観察し始めると、ユーザーのニーズに本当に応えるための、データに基づいた意思決定が、はるかに行いやすくなります。

余談:Microsoft Clarity でわかる「見たくない現実」

Clarity を使い始めると、誰もが一度は「これは正直、見たくなかったな……」と感じる瞬間があると思います。

私の場合、それはクライアントに提案してゴーサインをもらった施策がスベったときでした。自分のサイトなら自己責任で済みますが、クライアントワークではそうはいきません。目的をしっかり共有し、説明責任を果たさなければ、改善提案はおろか、改善施策を継続することすらできなくなります。

もうひとつ頭を抱えたのは、「この業種のユーザーは文章を(マジで)読まない」という現実を突きつけられたときです。オペレーションの負荷軽減を目的に、わかりやすく説明したページを作り、イラストや図解も入れたものの、誤解を防ごうとして文章が増え、結局読まれない……そんなドツボにハマったこともありました。もちろん、読む人は読むので無駄ではなかったのですが、考え方を根本から変えざるを得ませんでした。

それでも私は、Clarity が大好きです。もっと使ってほしい。

ウェブ制作会社が Clarity を使えば、提案の糸口になります。しかし、わかりやすい分だけ、常に費用対効果を求められる道を選ぶことでもあります。ツール自体に費用はかからないので導入はしやすいですが、意外と茨の道ですよ。

まず、Clarity で問題を発見したからといって、簡単に効果が出るとは期待しないほうがいい。そもそものビジネスモデルから考えなければ改善できないことも多いですし、定量データを見ずに定性データだけで改善できることのインパクトなんて、たかが知れています。少なくとも、中小企業がそんなことにお金を出すわけがありません。

むしろ大切なのは、しっかりと目的と目標を設定し、「本気で改善してくれようとしているんだ」という信頼を得て、責任を共にしていけるかどうか。個人的には、Clarity を通してユーザーを、クライアントの大事な顧客を、一緒に見つめる制作会社が増えてほしいと思っています。

AI時代、「これがいい」より「これでいい」と選ばれかねない時代です。せっかくなら私たちも、「一緒にやるならあなた方がいい」と選ばれたいじゃないですか。

Microsoft Clarity は、そういうものを見せてくれるツールだと思っています。

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Microsoft Clarity からメールで連絡?2025年10月31日までに求められている同意対応まとめ https://clarity.kosgis.com/blog/microsoft-clarity-cookie-consent/ Thu, 28 Aug 2025 04:36:30 +0000 https://clarity.kosgis.com/?p=1126

はい、ごめんください。Microsoft Clarity(クラリティ)大好きコスギです。 「クラリティってスゴイ!」とよくわからずに使っている方は、8月27日頃に送られてきた「Action required: Cooki […]]]>

はい、ごめんください。Microsoft Clarity(クラリティ)大好きコスギです。

「クラリティってスゴイ!」とよくわからずに使っている方は、8月27日頃に送られてきた「Action required: Cookie Consent Requirements for 〜」という件名の英語メールにビックリしたのではないでしょうか。「スパムかな?」と思われた方も少なくないかもしれません。

Microsoft Clarity からの英文メール
何を言っているのかわかります?

結論として、みなさんが気になるところを3行で。

  1. EU等からの訪問者には、アクセス情報を取得する同意が得られなければ、クラリティの分析機能がほとんど使い物にならなくなる(だから2025年10月31日までに対応してね)
  2. 日本国内を対象にしていて、EU等からのアクセスが誤差程度なら、Microsoft 側の自動対応に任せてもいい(今のところ)
  3. ただし日本の「改正電気通信事業法の外部送信規律」があるため、外部送信にまつわるポリシーは掲載しておくべきかを確認しておいたほうがいい(これは GA4 だけを入れていても同じ)

「ウチみたいな弱小サイトならここまでしなくてもいいんじゃないかな〜、正直メンドクサイし……」と考えている中小零細企業・フリーランス、そして似たようなクライアントを抱えるウェブ屋の方に向けて、かなりゆるめに書きました。WordPress を使っているならプラグインで無料から対応できるので、試してみてください。認識の間違っているところがあればツッコミ大歓迎!

どうすればいいかの判断まとめ

Microsoft Clarity を利用 × EU諸国からのアクセスが多い?

2025年10月31日まで Cookie 利用同意バナーを使用しないとツールが使い物になりません。

👇CookieYes × WordPress で Cookie 利用同意に対応する方法

Microsoft Clarity を利用 × EU諸国からのアクセスは誤差程度?

Microsoft Clarity 側で自動的に対応されるため、Cookie 利用同意バナーは使わなくても(今のところ)大きな影響はありませんが、同意されないとデータがどうなるのかは確認しておきましょう。

👇Cookie 利用の同意を得られないと、どうなる?

GA4 や Microsoft Clarity などデータを外部に送信するアクセス解析ツールを使っている?

法律上の義務である「外部通信規律」の対象になる可能性がゼロではないので、確認しておきましょう。

👇 Cookie 利用同意バナーに関わらずやるべき「外部送信規律」への対応

外部通信規律への対応は今回の Microsoft Clarity の件とは別の話ですが、法律上の義務としてこの機会に確認・対応しておくことをオススメします。

Microsoft Clarity から来たメールの意味を3行で

  • 2025年10月31日から、ヨーロッパ系ユーザーのデータ収集は自動的に厳しくするよ
  • 自動判定することにしたので、同意を得ていないユーザーのデータは使い物にならなくなるよ
  • だから同意管理の仕組みを2025年10月31日までに実装してね

「今まではゆるかったけど、10月31日からは厳格に制限するよ。データ欲しかったら同意管理ちゃんとやってね」という、Microsoft からの最後通告的なお知らせですね。アメリカはわりかしゆるいので「同意モードあるから使ってね〜」みたいな感じだったんですが、そうも言っていられなくなったという印象です。

「Action required: Cookie Consent Requirements for 〜」の内容

メールの文章は翻訳をかけてもらえればわかると思うのですが、専門用語が多くて理解できない方のために、ざっくりと解説します。まずは冒頭から。

Microsoft Clarity will begin enforcing cookie consent requirements in the European Economic Area (EEA), UK, and Switzerland. To avoid impact to data collection and Clarity features’ functionalities, you must send an explicit consent signal to Clarity using one of the supported methods. We are rolling out enforcement in phases, with full enforcement taking effect on October 31st, 2025.

We have received numerous questions regarding the upcoming changes to cookie consent requirements, and we would like to help clarify what this means for you.

  • EEA(欧州経済領域=EUなどのヨーロッパの地域)・イギリス・スイスでは、ホームページにアクセスする前に「閲覧情報を記録してもいいですか?」と確認する決まりがあります。
  • Cookie(クッキー:ホームページが一時的に保存する小さな記録のこと)を使うときは、2025年10月31日までに、決められた方法で「同意する/しない」を Microsoft Clarity に伝える設定が必要です。
  • この変更に質問が多いため、何をすればいいのかをわかりやすく案内します。

次は、自分のホームページ(に導入しているクラリティ)での対応についてです。主に3つあるので、どれかの方法で2025年10月31日までに対応してくださいね、という内容です。日付がめっちゃ強調されてる……

What Does This Mean for [クラリティのプロジェクト名]?

Action Required:

Starting October 31st, you are required to share user consent signals for sessions originating from the EEA, UK, and Switzerland. If consent is not obtained and signaled using one of the supported methods, certain Clarity features will be impacted. Please ensure consent signals are implemented before this date to avoid disruptions to [クラリティのプロジェクト名] functionality for users in these regions.

For more details, refer to our Clarity Consent documentation.

Rollout Status: This requirement will be enforced across the European region by October 31st, 2025.

  • 方法は、①Googleの「同意モード」(Google Consent Mode)②同意バナーのサービス(CMP=同意管理ツール)③Clarity の同意API(開発者向け)の3つがあります。
  • 多くの同意バナーサービスは①に対応しているので、「CookieYes」を選ぶと設定がスムーズです。
  • WordPress を使っているなら、「推奨プラグイン一覧」を確認してください。

次はよくある質問です。ここは和訳のみで解説しますが Cookie 利用同意が前提の話なので必要な方のみどうぞ。

FAQs(よくある質問と回答)
Cookie の利用に同意されない(拒否/未実装/未選択/無効の)場合、どうなりますか?

クラリティは自動的に「Cookie なしモード」で集計方法を変え、レコーディング(録画機能)やユーザー行動の流れの追跡が止まることがあります。また、Cookie(誰が見たかの情報)が使えないため、集めた情報を特定の訪問者に結びつけられません。

Cookie の利用に同意を取らない場合、ホームページの訪問者にどんな影響がありますか?

訪問者の見え方や使い勝手は変わりません(むしろ、Cookie の同意バナーを設定すると閲覧前に承諾を求める画面が出るようになります)。

影響が出るのは管理側(あなた)です。クラリティの一部機能が十分に使えなくなる可能性があります。

  • どんな機能が使えなくなるかは、上記の質問と同様です。
「Consent API」はどのように実装すればよいですか?

Clarity Consent API ドキュメントの手順に沿って設置してください。

  • 開発者向けのハナシです。
  • もし以前の Consent API を使用している場合、廃止が予定されているので更新が必要です。
https://learn.microsoft.com/en-us/clarity/setup-and-installation/clarity-consent-api-v2
現在導入しているクラリティの設定を変える必要がありますか?

はい。これまで Cookie 同意の仕組みを導入していないのなら、以下のどちらかの対応が必要です。

  1. 同意APIを実装する(自前の同意バナーで対応する)
  2. 同意バナーのサービス(CMP)を設定する
Cookie 利用の同意を実装できたかどうかを確認するには?

同意確認のバナーで「同意する/しない」を押して、クラリティの動きが変わるかを確かめます(録画の有無や、解析ツールの表示をチェック)。

可能ならブラウザの確認ツール(例:Google の Tag Assistant など)で、同意の状態が切り替わっているかも見ておくと安心です。

https://learn.microsoft.com/en-us/clarity/setup-and-installation/consent-mode
ホームページではなくモバイルアプリにクラリティを入れているのですが、どうすれば?

今のところ、何もする必要はありません。

ヨーロッパの話なら、日本は関係ないのでは?

「うちは日本向けのサイトだから、関係ないよね?」と受け取る日本人の方も多いハズ。

実は、EU等の対象地域からアクセスされた場合、クラリティの同意モードが自動的に「NO」になります。これが、Microsoft 側の大きなアップデート。だから「何もしなければ自動的にデータが取りにくくなるから早めに対応してね」という話です。

Consent-driven cookie use: Clarity does not place cookies in the EEA, UK, or Switzerland unless valid consent is received. If consent is denied (Consent=NO), any existing Clarity first-party cookies are deleted.

https://learn.microsoft.com/en-us/clarity/setup-and-installation/consent-management

ですので、EU等からのアクセスが誤差程度なら、当面はクラリティの自動判定(同意がなければクッキー不使用)に任せても、大きな実害は出にくいです(その分、EU等からのアクセスデータは使い物にならなくなるほど粗くなります)(後述)

Cookie 利用同意バナーに関わらずやるべき「外部送信規律」への対応

「なら、何もしなくていいんだな!」と安心するのはまだ早いです。この機会に、2023年6月に施行された改正電気通信事業法の「外部送信規律」について確認しておきましょう。英語の次は漢字です……!

一次情報として、以下の総務省のページが参考になります。

総務省|自分に関する情報が第三者に送信される場合、 自身で確認できるようになります。

私は法律の専門家ではありません。違和感がある箇所は随時アップデートしていますが、事業主として対応する際は専門家に確認をしてください。

「外部送信規律」は、すべての事業者が対象になる義務?

物事を軽視しがちな私のスタンスとしては、迷ったら外部送信規律に対応しておいたほうが間違いないのですが、総務省の資料としては対象外のケースが明示されています。

そして、「電気通信事業者」に該当しなければ、外部送信規律の対象にもなりません(うっそお!?と声出ました……パンフレットを見ていたのに読めてなかった……田中さん、ご指摘ありがとうございます!)

外部送信規律は、電気通信事業法に基づき、「電気通信事業」を営む者に適用される規律です。オンラインサービスにおける「電気通信事業」の考え方は以下のとおりであり、該当しない場合は、外部送信規律は適用されません。

総務省パンフレット P17・P18

そもそも、社内イントラネットで使っているウェブシステムや、宿の受付だけをしているサイト、商品の販売用に商品紹介とカートのみを使っている、などは対象外になります。そして、自社の情報発信しかしていないコーポレートサイトやブランドサイトなども対象外です。ここに GA4 などを入れていても、対象外です。

ですが、こういったサイトで外部情報を取り込みながら「お役立ちコンテンツ」などを入れる、つまりオウンドメディアの機能をもたせた時点で「電気通信事業者」とみなされます。当然、アフィリエイトサイトの運営事業者も「電気通信事業者」に該当します。

「自己の需要のためかどうか」の判断が、非常に、難しい。

ですから「それなら、この場合はどうなの?」と迷うこともあるでしょう。迷ったら対応しておくに越したことはありません。そんなに難しい話ではありませんから。

「外部送信規律」は通知・公表の義務

そもそも「外部送信規律」は「規制(禁止)」や「ガイドライン(推奨)」とは違い、「規律(実施)」で、電気通信事業法の条文そのものに位置づけられた、通知または公表における法律上の義務です。

(利用者に通知し、又は利用者が容易に知り得る状態に置くべき事項)
第二十二条の二の二十九 法第二十七条の十二本文の総務省令で定める事項は、情報送信指令通信ごとに、次に掲げる事項とする。
一 当該情報送信指令通信が起動させる情報送信機能により送信されることとなる利用者に関する情報の内容
二 前号に規定する情報の送信先となる電気通信設備を用いて当該情報を取り扱うこととなる者の氏名又は名称
三 第一号に規定する情報の利用目的

電気通信事業法施行規則 | e-Gov 法令検索

つまり、「送信される利用者情報の内容」「情報送信先の事業者名」「利用目的」の3つを通知、もしくは利用者が容易に知り得る状態にしておく必要があります。そして、同意取得やオプトアウトは義務ではないので、まずは通知・公表で対応できます。

Cookie 利用同意バナーを使うと、同意取得やオプトアウトに関して対応できるので、GDPR 対応が必要であればお金をかけて対応しておくほうが安全ですね。

「外部送信規律」の対象は 「利用者に関する情報」

個人を特定できる情報だけではなく、以下が対象になります。

  1. 利用者自身が入力した情報(氏名、メールアドレスなど)
  2. 利用者が直接入力していなくても、端末や行動から収集される情報(Cookie、IPアドレス、閲覧履歴など)

①は保護する対象としてわかりやすいですが、②は利用者の意思に関わらず収集されているというのがポイント。GA4 や Microsoft Clarity は、これらの情報から訪問者の行動を分析できるのです。

……匿名とはいえ、ちょっと怖くないですか?

ホームページの運営者はこれを理解して、どんな情報を外部に送信しているのかを明示しておく必要がある、ということですね。

要するに Cookie 規制なんですよね?という誤解

ちなみに(私も勘違いしていたのですが)、外部に送信される情報は Cookie だけではない = Cookie 規制とはちょっと違う(わかりやすいだけ)。それなら、総務省のページにある情報以外に何が……?と思いませんか?

GA4 の場合[GA4] データ収集 – アナリティクス ヘルプより)

  • ユーザー数
  • セッションの統計情報
  • おおよその位置情報
  • ブラウザとデバイスの情報

Microsoft Clarity の場合Frequently asked questions | Microsoft Learnより)

Clarity captures the user interactions on your website such as, how the page is rendering, user interactions such as mouse movements, clicks, scrolls, and so on. 
Clarity は、ウェブサイトにおけるユーザーのインタラクション(ページのレンダリング方法、マウスの動き、クリック、スクロールなど)をキャプチャします。

つまり「ただ通信するために必要な情報」だけでなく、ユーザーの行動履歴や利用パターンを把握するための情報が大量に収集されます。こうしてみると、Cookie は一部でしかないですね。

「外部送信規律」の「外部(第三者)」は何を指している?

事業者(あなたのホームページ)が収集した利用者情報を、自社以外の別の事業者に送ることを指します。

たとえば、GA4 なら Google LLC、Microsoft Clarity なら Microsoft Corporation などです。どんなツールを導入しているかを再度確認してみましょう。なお、事業者内で完結する利用や、単にサーバーに保存するだけなら「外部送信」にはあたりませんが、素人判断は難しいところです。Chrome のデベロッパーツールで確認するとわかりやすいんですけどね。

なお、note株式会社の外部送信に関する公表事項のページは、どんなツールがどんな情報を送っているのか、参考になるかもしれません。

https://note.jp/n/nfaa8d3ee8be6

少なくともプライバシーポリシーに追記しておこう

GA4 と Microsoft Clarity をホームページに導入している場合、以下のような内容をプライバシーポリシーの項目に含めておくだけでも対応できます。

以下はコピペして使うことを想定していますが、事業者の責任で利用し、専門家のレビューを推奨します。カエルコムニス株式会社は、利用に伴う損害や責任を負いません。

プライバシーポリシー追記例

利用者情報の外部送信について(電気通信事業法に基づく表示)

当サイトでは、サービス改善や利用状況の分析を目的として、外部事業者が提供するアクセス解析ツールや広告配信サービスを利用しています。これらのサービス利用に伴い、以下のような情報が外部事業者へ送信されます。

スクロールできます
項目内容
送信される情報の内容Cookie による識別子、訪問回数、閲覧ページURL、滞在時間、リファラー情報、IPアドレス、デバイス・ブラウザ情報 等
情報を取り扱う事業者名Google LLC(Google Analytics 4)
Microsoft Corporation(Microsoft Clarity)
利用目的ウェブサイトの利用状況の分析、ユーザー体験の向上、サービス改善のため

※当該情報は、外部送信規律に基づき利用者へ通知・公表しているものです。
※外部事業者による情報の取扱いについては、各事業者のプライバシーポリシーをご参照ください。

CookieYes × WordPress で Cookie 利用同意に対応する方法

WordPress には Microsoft Clarity の公式プラグインがあるものの、残念ながら同意モードには(まだ)対応していないため、Microsoft が推奨している「CookieYes」に登録して Cookie 同意バナーを実装するのがオススメです。

ただし、CookieYes の無料版にはアクセス数の制限があったり、地域別の出し分けができなかったり、英語版しかなかったりするので、月10ドルの有料版を導入するのが現実的です。

有料版→無料版にはできませんが、無料版→有料版にはできるので、無料プランでの登録方法を以下に示します。

STEP

CookieYes のプラグインをインストール

プラグインの「新規インストール」から「CookieYes」を検索すると確認できます。

https://wordpress.org/plugins/cookie-law-info/

一般的な方法でインストールできますが、CookieYes の公式ドキュメントはこちらにも。自動翻訳でだいたい読めます。

https://www.cookieyes.com/documentation/install-cookieyes-wordpress-plugin
STEP

CookieYes の無料版に登録

プラグインをインストールしたら、ダッシュボードから[Connect to a new account]をクリックして進みます。

CookieYes プラグインのダッシュボード

「Start Free Trial」に進むとクレジットカード情報を求められて有料契約になります(14日間は無料ですが無料版にはできません)。必要なプランを選びましょう。

無料版は以下の条件があるので「月に1,000件くらいしかアクセスがない」「とりあえず試してみたい」という方向けです。この機会に Cookie 利用同意を導入したいなら、月10ドルのベーシックプランがオススメです。

CookieYes プラグインの料金プラン選択

Free プラン(無料)

  • 100 ページ/サイト
  • 月に 5,000PV まで
  • 基本設定のみ
  • 言語は英語のみ
  • 地域によって出し分けできない

Basic プラン($10/月/ドメイン)

  • 600ページ/サイト
  • 月に 100,000 PVまで
  • 詳細設定も可能
  • 日本語にも対応できる
  • 地域によって出し分けできる
  • 自動的に日本語にしてくれる

日本人にとっては、言語の壁があるのは痛いかもしれません……なお、「ページビューが超えたらどうなる?」「更新時期はいつ?」と気になる方は、公式のFAQをどうぞ。

メールアドレスをパスワードを設定し、利用規約に同意すれば登録完了して、以下のようなダッシュボードに遷移します。認証確認のメールが届いているので、確認しておきましょう。

CookieYes ダッシュボード
STEP

「Microsoft consent mode & Clarity API integration」を確認

「Advanced Settings」に進んで下の方にスクロールすると、「Microsoft consent mode & Clarity API integration」の項目が2つともオンになっていることがわかります。これで CookieYes 側はOK。

「Microsoft consent mode & Clarity API integration」の項目
STEP

WordPress に戻っても接続されていない場合は既存アカウントで接続

WordPress のプラグインから登録すれば(理論的には)問題ないはずなのですが、以下のような画面のまま接続されていないように見える場合は、既存のアカウントで接続するため[Connect to an existing account]を選んで進みましょう。

上記の流れならログインしているはずなので、[Connect Site to CookieYes]をクリックして進みます。

プラグインの設定のまま進んでいいかと聞かれるので、「Keep the web app for this site」にチェックを入れたまま[Continue]で進みます。ちなみに、CookieYes 側で設定していたならもう一つの選択肢です。

また価格表が出てくるので、先ほど選んだプランを選びましょう。無料なら左の[Continue with Free]です。

CookieYes のダッシュボードが表示されたら、WordPress 側に戻りましょう。

Your website is connected to CookieYes web app と表示されていたら完了です。

STEP

Cookie 同意バナーの色を変える

「Cookie Banner」から編集できます。コーポレートカラーを入れておいても良いかもしれませんね。

なお、無料版では自動的に日本語になりません(有料版なら日本語を使えます)ので、英語の文章を日本語に書き換えることで対応できます。ただし、当然のことながら英語圏の方にも日本語が表示されることになるため、本末転倒感は否めませんね……。

Cookie 利用の同意を得られないと、どうなる?

Cookie(クッキー)は、訪問者のアクセス情報を保持する小さな塊なのですが、これが無効になるとセッションの連続性が失われ、すべてのページビューが独立したセッションとして扱われるため、ユーザー行動の分析がほぼ不可能になります。クラリティを入れている意味……

項目制限される状況の例
セッション数1回の訪問で3ページ閲覧 → 3セッションになる(セッションがページビューとしてカウントされる)
セッション録画3ページ分が3つの別録画になる(セッション=ページビューになるため録画が分かれる)
アクティブ時間/総滞在時間実際には1回のセッションで5分間閲覧していても、セッションが分割される(セッション時間が短くなるため、滞在時間が実際より少なく表示される)
セッションあたりのページ数3ページ見ても各セッション1ページずつなので、常に「1」になる
ファネル分析次のステップに引き継がれないため、完全離脱する(使い物にならなくなる)
スマートイベントセッション数が実際より多くカウントされる
コンテンツインサイトすべてのセッションが一度きりの訪問として扱われる
Clarity コールアウト不正確なデータを表示する可能性がある
Copilot質問内容によっては不正確な回答になる可能性がある
ユニークユーザーすべてのユーザーがユニークユーザーとして扱われる
リピートユーザーすべてのユーザーがリピートユーザーとして認識されない
ライブユーザーライブセッションが短くなる
トップユーザー/全ユーザーリピートユーザーが新規として扱われるため、特定できない
ユーザーインサイト「低」のセッションが増加し、「中」「高」のセッションが減少
チャネル判別できず「その他」として分類される項目が増加
ソース前ページからの遷移になるため「Direct」が増加
リファラー前ページからの遷移になるため、サイト自身のドメインがリファラーとして多く記録される
ブラウザ/デバイス/OS/国別セッション数ページビュー=セッション数になるため、実際より多く表示される
最初の閲覧ページ/最後の閲覧ページすべてのページが入口ページかつ出口ページとして扱われる
JavaScript のエラーセッションセッション数が多くカウントされる
セッション録画すべてのセッションでページ数が「1」として表示される
クイックバックすぐ戻る行動が別セッションになるため「0」になる(追跡不可)
Changes to Clarity Reporting Without Cookie Consent より引用意訳

逆に言うと、Cookie を使えるとこれだけの情報を取得できるということですね。

スゴイけれども、ちょっとコワイと感じたのなら、世界はきっとそのコワさをなくす方向に動きます。アクセス解析がすぐに滅亡する!ってことはありませんが、どんな未来になるかは注目していきたいところ。

この分野に関しては、私自身もまだまだ勉強中の身ですが、Cookie レス対応の国産ツールである「QA Analytics」や「QA ZERO」を開発している丸山さんの記事が未来を示唆しているのでご一読を。

https://qazero.com/blog/wceu-2025
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Microsoft Clarity(クラリティ)の新機能!アテンションヒートマップを活用しよう https://clarity.kosgis.com/blog/clarity-attention-heatmap/ Sun, 19 Jan 2025 14:16:49 +0000 https://clarity.kosgis.com/?p=1031

Microsoft Clarityのアテンションヒートマップを使えば、ユーザーがどこに注目しているかが視覚的にわかります。コンテンツやデザインの改善に活用し、より効果的なページ作りを目指しましょう。]]>

はい、ごめんください。Microsoft Clarity(クラリティ)大好きコスギです。

「Microsoft Clarity って、スクロールマップはあるけどアテンションマップないんだよね……」と常々思っていましたが、2025年1月、ついにアテンションマップが搭載されました!!待ってた!待ってたよ!!

「(なんか盛り上がってるけど)アテンションマップって何?」「便利そうなのはわかったけど、どうやって活用したらいいの?」と思う方向けに解説した記事です。

アテンションマップとは
  • ページ内の注目領域を可視化し分析する機能
  • 注目度の高い箇所を赤く表示して視覚化
  • 割合だけでなく値にも注意が必要
アテンションマップを活用するには
  • 赤い部分の要素を徹底的に検証し改善しよう
  • 赤くない部分にこそヒントがたくさん
  • 他指標とあわせてユーザー体験を向上しよう

Clarity の活用サポートも行っています。勉強会は記事にまとめる意図もあって聴講スタイルですが、ワークをしながらのセミナーのほうが得意なので、一緒に画面を見ながら進めていきましょう。

Microsoft Clarity のアテンションマップとは?

Microsoft Clarity は無料で使えるユーザー行動分析ツールで、ヒートマップ機能レコーディング機能などが強みのサービスですが、ついにアテンションマップまで搭載されるようになりました。

アテンションマップを簡単にいうと「ページを見ている人が、画面上のどこを注視しているかを推定できるツール」です。これまでもクリックやスクロールなどのヒートマップはありましたが、どこに注目が集まっているかを手軽にチェックできるのがアテンションマップです。違いもあとで説明しますね。

アテンションマップでわかること

Microsoft Clarity のヒートマップ機能から「注意」を選ぶと確認できます。和訳ェ……

Microsoft Clarity のアテンションマップ
  • 重要なコンテンツが注目されているか
    「ここはスクロールを止めてほしい!」という推しポイントが赤い(注視度が高い部分)かどうかを確認できます。
  • (逆に)注目が集まっていない部分はどこか
    青いエリア(注視度が低い)は「画面が止まっていない」だけなので、その理由を考えましょう。スムーズに読めている証拠ともいえます、が……?
  • ボタンやバナーが見られているのにクリックされない要素
    スクロールマップやクリックマップと掛け合わせると、根拠や分析に深みが出ます。現実的な問題に向き合うことになります。

スクロールマップとアテンションマップの違い

Clarity にはもともとスクロールマップの機能があり、「ページのどこまでユーザーがスクロールしているか」がわかりました。ただし、スクロール率が高いからと言って「本当にそのコンテンツを読んでくれているかどうか」は不明だったんですよね。

スクロールマップ

  • ユーザーがどこまで下に動かしたか(到達度)
  • ユーザーが離脱しやすいエリアを探りたいときに便利

アテンションマップ

  • ユーザーがどこに注目したか(注視度)
  • ユーザーが手を止めているエリアを探りたいときに便利

スクロールマップは「移動の情報」アテンションマップは「視線の情報」と捉えるとわかりやすいです。Clarity のヒートマップとしてもうひとつあるクリックマップは「クリックの情報」です。これはそのままですね。ヒートマップの活用に関してはこちらもどうぞ。

https://clarity.kosgis.com/blog/microsoft-clarity-seminar-03/

アテンションマップで見落としがちな注意点

ということで、アテンションマップを利用する際の注意点です。特に以下の3つは活用のポイントにもなりますので、押さえておきましょう。

注視しているとは限らない

アテンションマップは「ユーザーが該当箇所でブラウザを止めていた時間」をベースにしています。そのため、他タブで作業している間に画面が放置されている場合でも赤く表示されることがあり、実際に読んでいない可能性を含む点に留意が必要です。

クリックマップも合わせ、ヒートマップでわかることをコンビニに例えると、以下のような違いがあります。

  • スクロールマップ:どれくらい店内の奥まで進んでいるか
  • アテンションマップ:店内のどこで立ち止まっているか
  • クリックマップ:どの商品がよく手に取られているか
Microsoft Clarity のアテンションマップの赤いところは、注視しているとは限らない
コンビニの商品棚の前にいても、買おうと思っているとは限らないのですよね

アテンションマップを「コンビニの店内で立ち止まっている」と考えたら、商品を見ずにスマホを見ていることもありますよね。実際の画面でも、似たようなことが起きていますから、ユーザーの意図を捉えましょう。

赤くないエリアを見逃さない

赤いエリア(注目度が高い部分)にばかり目を奪われがちですが、実は青色や緑色の注目されていないエリアこそ重要かもしれません。「これは読んでほしい情報なのに読まれていない」「配置やデザインに問題があるかも」といった発見につながります。

Microsoft Clarity のアテンションマップの赤くないエリアから得られる示唆はたくさんある
これだけでも仮説が立って改善案が出てきます

行動データ(クリックやスクロール)との関連を確認

アテンションマップはあくまで「見ているかもしれない」だけであり、実際にクリックや購入、問い合わせといった行動につながっているかどうかは別問題です。アテンションマップ上で赤くなっているのにクリック率が低い部分や、逆に注目度が低くても成果を上げている要素がないかを合わせて検証しましょう。

Microsoft Clarity のアテンションマップは行動データ(クリックやスクロール)との関連も確認
興味のある人は見るけれど画面を圧迫するので、アコーディオンにして省スペース化してみます

アテンションマップの目的別活用チェックポイント

アテンションマップを活用しやすい目的ごとの活用パターンをご紹介します。単赤い部分を探すだけのツールではなく、「なぜそこが注目されている(されていない)のか」を、他の指標と合わせて考えることで得られるものが大きいのですよね。

ページの離脱率を下げたい

「このページでサイトを去ってしまうのをなんとかしたい」と思うことは多いです。サンクスページでの離脱はともかく、重要なページの離脱率が高いのは悩ましいですよね。スクロールマップを見て「ファーストビューを見ただけで帰ってしまう」「中盤で急に離脱が増える原因が知りたい」といった声も、サイト運営者あるあるではないでしょうか。特に、広告使ってファーストビューで離脱しているのを見るのは、叫びたくなるやつ……

ページの離脱率を下げたいなら、スクロールマップ×アテンションマップの組み合わせ
離脱しやすい箇所を見極めてから、注視状況を見るとわかりやすいです
  • ファーストビューで離脱している?(スクロールマップ)
  • ファーストビュー以下でも注視されている箇所はある?(アテンションマップ)
  • ページ中盤(本文や製品説明)で離脱が急増していない?(スクロール×アテンション)
  • 説明を読んでページ内リンクをクリックし、そのまま離脱している?(スクロール×アテンション×クリック)
  • アテンションが高い部分と離脱率に乖離がないか?(スクロール×アテンション)

スクロールマップもアテンションマップもファーストビューに集中しているなら、ユーザーの期待とのズレが大きいことがほとんどです。こういった現実を突きつけられるのも、Microsoft Clarity の良さであり痛さであり……

CTA(ボタン)のクリック率を上げたい

「ボタンを置いているのに、クリックしてもらえない」という悩みもあるあるです。「購入はこちら」「お問い合わせ」などがスルーされているのは、悲しいですよね……。

CTA(ボタン)のクリック率を上げたいなら、アテンションマップ×クリックマップの組み合わせ
遷移後の内容は価値を実感してもらえる記事にします
  • CTA ボタン付近のエリアが赤い?青い?(アテンションマップ)
  • CTA ボタンのクリックと注視のバランスは?(アテンション×クリック)
  • 競合 CTA 同士のエリアの色は?(アテンションマップ)
  • CTA に関連する要素の注目度は?(アテンションマップ)

ウェブサイト上に「お問い合わせ」などざっくりしたコンバージョンポイントしかない場合は、「メルマガ登録」「友だち登録(LINE)」「SNSをフォロー」「資料請求」など、もっと手前のステップを新たにつくることが効果的な場合もあります。ユーザーの熱量の見極めも大切ですね。

コンテンツの配置を最適化して、読みやすさを向上させたい

私のように、つい情報量が多くなりがちなサイト運営者は、「本当に読まれているかな……というか、途中で疲れ果てていないかな……」と気になることがあります。渾身のネタを入れても「スベってないかな……」と気になるのも人の常。

読みやすさを向上させたいなら、デバイスごとのアテンションマップ比較から
デバイスの違いもチェックしておきましょう
  • 見出し・サブ見出しへの注目度は高いか?
  • 重要な画像や図解が埋もれていないか?
  • 文章が長すぎて飛ばし読みされていないか?
  • (モバイル環境)サイドバーはどのように扱われているか?
  • 抽象的な写真や大量の広告など、優先順位の低い要素で画面が埋まっていないか?

人は「見たいものだけ見る」生き物なので、情報量は多いに越したことはありません。ただ、多すぎて到達できない要素があるなら、改善の余地がありますよね。自分の事例を参考情報として出しているものでも、「自分語り」と判断されて読み飛ばされることも少なくない……です……

その他の改善ヒント

フォームの離脱率を下げたい

フォームでアテンションマップを活用できるケースはありますが、項目が混んでいることが多いため、そこまで具体的なヒントは得られない事が多いのではないかと思います。

むしろ、エリアマップでフォームの項目ごとにエリアを調整して、クリックやタップの状況を見極めるほうが参考になるのではないでしょうか。

ユーザーの混乱や不満ポイントを発見したい

Clarity では「使いにくさ」でいうとイライラしたクリックやデッドクリックが挙げられるのですが、これはクリックマップでわかることがほとんどです。レコーディングと合わせて確認するのがオススメです。

大切なのは、データだけを見て決めつけるのではなく、関係者(デザイナーやカスタマーサービス担当など)とのコミュニケーションに基づいて改善していきましょう。

Microsoft Clarity のアテンションマップに関するよくある質問

追加機能とのことですが、アテンションマップは無料で使えますか?

無料です!

Clarity は基本的に無料で使えるものなので、アテンションマップも無料で使えます。AI活用が前提にあることが理由にあるようなので、今後は仕様変更の可能性はあるかもしれませんね(2025年1月時点)。

赤く表示されていても、実際は読まれていない可能性がある?

はい、むしろ見にくくて困っていた可能性もあります。

必ずしも、その部分の内容を理解していたり、好意的に捉えているとは限りません。あくまでもユーザーがそこに留まっていた時間が長い可能性が高いと捉え、そこで何が起きていたのか、仮説を立ててみてください。

画像やバナーが目立ってない場合、すぐに削除したほうがいいですか?

いきなり削除ではなく、重要な要素なら配置を変えてみるのが先です。情報量が多すぎて目立っていない場合は、引き算のデザインを心がけましょう。

また、パソコン向けのサイトでは雰囲気を示すためによく使われる抽象的な写真は、ほとんどの場合飛ばされています。スマホでは不要かもしれません。画像の役割を再考してみましょう。

AI を活用して分析できるのでは?

叩き台にはなりますが……一応、分析はしてくれます。ChatGPT に3種のヒートマップを添付して、以下の参考プロンプトを使ってみてください。*****の部分は適度に変え、ページの意図を追記すると効果的です。

あなたはアクセス解析のヒートマップデータから、ビジネス上の課題を見極めて改善アドバイスをするプロです。
添付した Microsoft Clarity のヒートマップデータから、この*****(例:トップページ、サービス概要)ページの問題点と改善案をアドバイスしてください。

o1 pro ではそれなりのことをガッツリ出してくれるので、ものすごく分析された感じがありますが、人間側が仮説を持っていないことには、「なぜその答えを AI が出したのか」を読み解けず、ハルシネーションに負けてしまいます。仮説があるなら、壁打ち相手にはなります。壁打ちしながらでも学べることはあるので、一概に悪とは思いません。

ちなみに、Clarity に搭載されている AI の Copilot は、クリックヒートマップのことしか言ってくれないうえ、「それはそうなんだよなあ」と思うことしか出力しないので、過度な期待は禁物です。

Microsoft Clarity のヒートマップを活かすのは、人。

アテンションヒートマップそのものは、ヒートマップツールでは割と一般的な機能なので、やっとの印象も拭えないのですが、ウレシイことです。ページ分析がはかどりますね。

Microsoft Clarity で使えるヒートマップをまとめると、以下の3つです。

  • スクロールマップ:どこまで見られているか(離脱ポイントの把握)
  • アテンションマップ:どこに視線が集まっているか(注目度の把握)
  • クリックマップ:どこがクリックされているか(行動喚起の把握)

特にアテンションマップは、サイト運営者の推しポイントと、実際にユーザーが見ている部分とのギャップを埋めるのに役立ちます。「見られているのに行動されない」「注目されていないから行動もない」という事実が露わになることも多く、特に制作側にとっては胃の痛い話ですが、「ホームランを打てるのはプロでも3割だから、とにかくバッターボックスに立つ」というスタンスをクライアントと共有して、改善していきましょう。

Microsoft Clarity はウェブサイトに来てくれた方をファンにするためのヒントを得られるツールです。もっと活用したい事業主や法人、またはクライアントに提案したい企業の担当者さん向けのサポートを行っています。「わからないことがわからない」という方でも、ご安心ください。

\ 単発相談からパートナー契約まで /

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アクセスが少ないサイトでも Microsoft Clarity を活用するには https://clarity.kosgis.com/blog/clarity-on-low-traffic/ Sun, 15 Dec 2024 22:07:00 +0000 https://clarity.kosgis.com/?p=994

アクセス数が少なくても、Microsoft Clarityならユーザー行動を分析できます。データが限られている場合の見方や、改善のヒントを得る方法を詳しく解説します。]]>

はい、ごめんください。Microsoft Clarity(クラリティ)研究所のコスギです。

少しずつ広がりつつあるこの Clarity 、「無料でヒートマップが使えて、訪問者の行動がわかる!」という価値を期待して導入した方も多いと思います。あの Windows の Microsoft 社のツールだと知ってビックリする方もいますね。

とはいえ、「うちのサイトはアクセスが少ないから、Clarity を使っても意味あるかな?」と疑問に思う方もいるでしょう。とりあえず入れた GA4 を見ても、月間セッションが100件とかね。その半分は自分のアクセスだったりすると、切ないですね。

この記事では、アクセスが少なくても Clarity を有効活用できるのかClarity を使っても意味がないならどうすれば良いのかをまとめました。

ついでに、集客改善の相談に乗ってくれる GPT もつくってみたので、参考にどぞー

アクセス解析のデータが少ないと、何が起きる?

Clarity に限らず、アクセス解析のデータが少ないデメリットは、以下のようなことが挙げられます。

  • 一部ユーザーの行動が全体傾向に見えてしまう(データの偏り)
  • 分析したいページにユーザーが来ておらず、分析できない
  • レコーディング機能で確認できるセッションが極端に少ないため、一般化しづらい
  • 季節性やトレンド変動の判別が難しい(外部要因に左右される)
  • 問題発見から対策立案までのリードタイムが長くなる(データがたまるまで時間がかかる)

デメリットというより、もはや解析以前の問題です。無い袖は触れません。このように改善効果検証が難しい環境では、アクセス解析を行うのは危険です。

データが少ないと仮説の精度が落ちる

Microsoft Clarity のヒートマップで考えてみましょう。ページ内のクリックやスクロール動向から改善ポイントを見つけるために効果的な機能なので、これが無料で使えることにワクワクした私のような方も少なくないはず。

以下は弊社サイトの中でも、商品の購入導線として重要なページを3日間(22PV、22タップ)と30日間(249PV、203タップ)で単純比較したものです。10倍以上の差がありますね。

Microsoft Clarity のヒートマップ比較
黄緑色のアコーディオンをクリックすると解説を読める仕様

左側:データが少ない場合の仮説

  • 3つの購入方法のうち、書籍に興味を持たれている。書籍を最初にしておくと良いのかも?
  • アクセスコードの引き換えボタンが押されているため、このページに来るユーザーの購入意欲はそこまで高くない?
  • ページ内で完結しているようなので、回遊導線を増やしたほうがいいかも?

右側:データがある場合の仮説

  • 3つの購入方法のうち、公式サイトからの購入方法が人気。自社サイトで購入する方法を開いておかなければ気づいてもらえなそうなので、このままでいきたい。
  • ハンバーガーメニューを押されているので、このページからサイト回遊が起きている。余計な導線は入れなくても良さそう

上記はデータ量を日数で調整しているだけなので、そもそも別の問題が起きていることもあるでしょうが、得られるデータが少ないために偶然性が高く、仮説が異なっています。これって、結構怖くないですか?

では、どれくらいのデータがあれば良いの?

たとえば、A/Bテストで「コンバージョン率が0.5ポイント程度で変化するとして、それを90〜95%の信頼度で検出したい」となると、一般的には数千〜数万のセッションが必要です。要するに、こういうこと。

  • 小さな差異を検出したいほど、必要なデータ量は増える。
  • 信頼度を高めたいほど、必要なサンプル数は増える。

事業規模が大きければ数%の変化によって得られるインパクトが大きいため、この2つの重要性は高まりますが、小規模サイトでは「正直、数万のセッションはちょっと……」と感じるでしょう。

あくまで目安として、サイト全体の傾向を把握するなら、数%の差異を見込んで1,000〜5,000セッション以上が妥当だと考えます。あとは信頼度の問題です。競合サイトが気になるところですが、どの市場でどのくらいのシェアを見込んでいるかによります。ニッチな市場なら、そもそも母数が少ないですからね。

そして、Clarity のようにページ単位での行動傾向を把握するなら、せめて数百PVは欲しいところ。これより低い場合、偶然性の方が高くパターンが見いだせません。つまり、集客施策に力を入れたほうが良いフェーズですね。

しっかり解析するなら、この10倍以上が必要になると考えておくとわかりやすいでしょう。また、十分なデータ量が貯まる期間で解析サイクルも変わります。

「見たいページを見る」のではなく「なんのために解析するのか」に立ち戻ると、やるべきことが見えてくるのではないでしょうか。

アクセスが少ないサイトに共通する課題を洗い出す

とはいえ「アクセスが少ないのはわかってる。だから集客が課題だと思ってるけど、どうすればいいのかわからないYO!」という方も少なくないですよね。おつかれさまです。

そもそも、アクセスが少ない原因は、以下の4つに集約できます。

  1. そもそもユーザー像がわかっていない(戦略)
  2. 流入施策ができていない(露出・集客)
  3. サイトが重くてアクセスしにくい(技術)
  4. そもそもアクセスを増やす必要がない(方針)

たとえば、紹介で継続的に回っているスモールビジネスの場合など、④のように無理にアクセスを増やす必要がなく、そもそもアクセス解析の必要がないケースもあります。自分のビジネスに注力したほうが良いでしょう。

とはいえ、「将来のためにアクセスはあったほうがいいし……」と考えるなら、いつ、どのようにするために、どこまで目指すのか、具体的に計画して取り組まないことには始まりません。

④を選ばないのであれば、①〜③の問題に取り組む必要があります。ひとりで考えるのがしんどければ、相談してくださいね。まあ、今なら ChatGPT に教えてもらえば、かなり整理されるんじゃないでしょうか。

上記の思考プロセスに基づいて集客課題の改善相談に乗ってくれるGPTをつくってみたので、「もっとアクセスを伸ばしたいんだけどな……!」と思っている方は使ってみてください。

少ないアクセスでもできる Clarity の活用法

明らかに集客改善が最優先の場合を除けば、アクセスが少ない場合でもできることはあります。広く分析できるほどのデータ量に頼れない分、特定の行動やページをじっくり観察することでインサイトを得られるのが Clarity のよいところ。

期間を長めに設定して傾向を把握する

短い期間では、たまたま来訪したユーザー数名の行動が全体を決定づけてしまいがちです。上記の「データが少ないと仮説の精度が落ちる」でも説明している状況ですね。

Clarity の解析対象期間はデフォルトが「過去3日間」になっています。クリックヒートマップを見て「全然クリックされてない!」と判断するのは早計ですが、お金をかけて追加したものだと余計に焦ってしまいますよね。これは制作側も冷や汗かきます。

Clarity の期間を「過去7日間」や「過去30日間」に設定してみると、いかがでしょうか。日ごとのアクセス変動に惑わされず、ユーザーの行動を把握しやすくなります。

3日間と30日間では、目次の活用度合いがちょっと違いますよね

特定のページや行動にフォーカスする

全体的にアクセスが少ないウェブサイトでは、トップページから順に分析してみても、薄い情報しか得られません(そりゃそうだよね、くらいのものしかわからない)。

そこで、ビジネス上重要なページ(お問い合わせ、商品詳細、サービス説明など、コンバージョンやコンバージョンの一歩手前のページ)や、特定の行動(必要な項目へのスクロール、CTAボタンのクリックなど)について深めてみると、少ないデータからでも改善のヒントが見つけやすいです。
※コンバージョン:ウェブサイトの目的を達成すること / CTA:コンバージョンに直結する行動を喚起すること

たとえば、「ある特定のランディングページ」がコンバージョンの入口となっているなら、そのページのヒートマップやレコーディングを継続的に確認してみましょう。似たようなランディングページをほかにも作っているなら、共通点も見えてくるかもしれません。

また、「資料請求ボタン」のクリックがあれば、その行動をしているユーザーがどのエリアで滞留しているか、どの要素に注目しているかが見えてくることもあります。

ページやボタンの意図がはっきりしているほど、Clarity の分析はラクになります。

たとえば、以下は弊社の主要コンテンツを一覧できるページで、どのカテゴリが人気なのかがわかります。

コンテンツの特性を活かしてユーザーのインサイトを探ることもできます

また、全体的にモバイルのユーザーが多い(6割以上)ですが、ショップページにアクセスしたユーザーに絞り込んで使用デバイスを確認してみると、以下のとおり。とはいえ購入したのはモバイルユーザーなので、PCでは情報収集に留まっている印象もあります。ここは伸びしろですね〜

Microsoft Clarity のデバイス別データ
ショップまでの情報量が多いのか、購入への心理的ハードルが高いのか……

改善施策後の行動比較で効果検証する

少ないデータであっても、何らかの改善施策を行った前後で比較すれば「クリックが増えた」「必要なエリアまでスクロールされた」といった小さな変化を捉えられます。データがたまれば、信頼度も高くなりますよね。

たとえば、ボタンのテキストを「こちらをクリック」「リンクはこちら」「もっと見る」などを「無料で相談する」「次:◎◎のデメリット3つ」などに変更するところからでも大丈夫です。汎用的な文言になっているボタンのテキストは比較的簡単に変更できて反応も変わるのでオススメです。

また、お問い合わせフォームの上に厳選したよくある質問を追加したら、そちらをクリックされただけでなく、同様の問い合わせが減ったなど、ビジネスインパクトがあるとウレシイですよね。こういった改善はユーザーのインサイトに共感しながら動線をなぞると見えてくることもあります。

変更前と変更後の2つの期間を Clarity で比較したい場合は多いと思います。ヒートマップなら比較機能がありますがダッシュボードにはないので、今のところ、タブを並べて確認するのが便利です。変化を実感すると、やる気も出ますよね。

以下は、弊社の主要コンテンツ一覧のビフォーアフター施策とその結果(施策前 5/1〜5/31、施策後 7/1〜7/31)です。

Before:縦にコンテンツがズラズラと並んでいる
この一覧には34の記事があり、PCでは3列で表示させていたものの、スマホではすべて縦に並んでしまっていました。

After:カテゴリを追加し、スクロール量を軽減
4つのカテゴリリンクを画面上部に置きました。表示を2列にしたうえ、説明も短めにして1記事のスペースを減らしました。タイトルの最初に何の記事かわかりやすくなっていたことも功を奏しています。

Before

Microsoft Clarityでのビフォー(クリックマップ)

After

Microsoft Clarityでのアフター(クリックマップ)

クリックマップは上記のような感じ。明らかにファーストビューでのクリック箇所が増えています。ハンバーガーメニューに進んでしまっていたことも軽減されました。

これですね、スクロール量を減らして回遊を効率化したため、基本的な定量データとしてはさほどインパクトのある結果にはなっていません。しいてあげるとしたら、以下の2点です。10ポイント以上の改善は大きいですよね。

  • 過剰なスクロールが 0.11%(12セッション)→ 0.01%以下(1セッション)
  • 一覧から詳細ページへの遷移が 53.65% → 63.89%(10.24ポイント増)

これが7月以降も続いているため、改善効果としては高かったのではないかと思います。

Clarity は SEO と CRO の両方に目を向けられるツール

結局、アクセス解析は改善ポイントがわかる魔法でもなんでもなく、結果を示すものでしかありません。やったことが表れるだけなので、問題発見以上に目的検証のために使うほうが効果的なのですよね。

ですから、提供するコンテンツの価値やマーケティング戦略が欠けていれば、どんなに行動データを可視化しても明確な改善方向は得られません。「なにかイイコトがわかるんじゃないか」と期待する気持ちはわかります(こんなブログを立てているからこそ、私自身が誰よりも期待してます)が、コンバージョンから目を背けているうちは「解析やってるつもり」でしかないんです。

以下はフィルターとセグメントを活用しようで説明している図ですが、4つの改善ポイントに目を向けられることが、Microsoft Clarity の良さでもあるかなと思っています。どこまで解析するのかなんてキリがないので、少なくともこの4つを押さえておけるといいですね。

Microsoft Clarity の得意分野はCROです。訪問したカスタマーとのミスマッチを減らしてCVまで通すのがだいじ。
SEOは認知→訪問、CROは訪問→回遊→CV
https://clarity.kosgis.com/blog/microsoft-clarity-seminar-05/

全体的なアクセス数は、多ければ多いほど良いというものではないですが、改善のためにはある程度必要。それを見極めながら自分のビジネスと未来のカスタマーとをマッチングさせていきたいですね。Clarity でお酒が呑める方は X(@clarityLabo)でお声がけください。お待ちしています✧٩( ‘ω’ )و✧← ほとんど呑めない

ということで、WACA Advent Calendar 2024 の16日目の記事でした。もうウェブ解析士ではありませんが、こうやってお誘いいただけてうれしかったです☺

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無料で使える!Microsoft Clarity の導入から GA4 との連携までの詳細解説(チェックリスト付) https://clarity.kosgis.com/blog/introducing-microsoft-clarity/ Sun, 08 Dec 2024 01:02:00 +0000 https://clarity.kosgis.com/?p=898

無料のユーザー行動分析ツールMicrosoft Clarityの基本を徹底的に解説。GA4との違いや導入手順、プライバシー対策について詳しく説明し、効果的な活用方法を紹介します。]]>

イチから始める Microsoft Clarity(クラリティ)入門記事!

アクセス解析ツールといえば Google 社の提供している「GA4(ジーエーフォー)」が有名ですよね。関連書籍も多いです。ですが、ほとんどの場合「GA4 を入れてはみたけど難しくて活用できてない……!」が担当者のホンネではないでしょうか。GA4むつかしいよNE!

  • 「GA4よりわかりやすい Microsoft Clarity(クラリティ)というものがあるらしい」
  • ヒートマップを無料で使えるらしい」
  • 訪問者の行動も無料でわかるらしい」
  • GA4 とも連携できるらしい」
  • 「Clarity を導入してみたいけど、注意点なども含めた全体像が知りたい」

と、興味を持っている初心者から GA4 経験者までを対象としてまとめましたので、目次から必要な箇所を参考にしてください。また、Microsoft Clarity を使う前にポイントをチェックできるリスト(PDF)も合わせてどうぞ。

思ったより難しい……という方には、Clarity の導入から活用までのサポートも行っています。必要な設定を代行し、導入後のレクチャーも可能です。オンラインで画面を見ながら一緒に進めていきましょう。

ようこそ Clarity 沼へ!

Microsoft Clarity を使う前に確認しておくべきこと

Clarity を導入する前に、そもそも本当に使って良いのか・導入できるのかどうかをあらかじめ確認しておきましょう。

特に注意が必要な3つのポイント(リスク)

  1. AI を導入できていない企業は(ポリシー的に)Microsoft Clarity を使えない
    = (解析ツールの導入を相談される)制作会社は把握して対応できる必要がある
  2. ユーザー行動データは個人情報なのかどうかは人それぞれ
    = だからプライバシーポリシーに個人情報の範囲を明記しておくべし
  3. 氏名やメールアドレスなど明らかな個人情報はマスキングしておくべし

上記は、Microsoft Clarity(クラリティ)のデメリット(リスク)と対処法にも詳しくまとめています。ここは必ず押さえておきましょう。また、導入時に注意が必要なポイントは以下の3つです。

ログインは個人アカウントに紐づく

メールアドレスとパスワードで登録するのではなく、以下のように Google や Microsoft、Facebook のどれかの個人アカウントで登録します。また、メールアドレスが紐づいていないので、他のアカウントで登録しなおすと、別のユーザーになります。継続的に運用するなら、どれかひとつにしておいたほうが良いでしょうね。

Microsoft Clarity のサインアップ(登録)画面
ちなみに、Google が一番多いようです

あまりよろしくない慣習として、同じログイン情報を外部の方と共有することがあるのですが、それを前提に導入しようとすると「あれっ?」となります。まあ……無理やり新しい Gmail をつくってそれを共有するという手もありますが、そのアカウントを誰がどのように管理するのか明確にしておきましょうね。

導入を支援する立場の方は、こういったツールでクライアントのメールアドレスをオーナー登録することがあると思いますが、Clarity はあとから管理者ユーザーを追加できます。ご安心ください。

改正電気通信事業法に基づく対応

2023年6月から施行された改正電気通信事業法に基づき、個人情報を取得しかねないツールの導入は慎重にならざるを得ません。GA4も含め、アクセス解析ツールが無料だからといって、ほいほい入れて良いものではないのです。Web 担当者フォーラムの記事が一番わかりやすいので、一読しておきましょう。

https://webtan.impress.co.jp/e/2023/05/25/44864

正直なところ、ここまでやっているウェブサイトがどれだけあるのかという疑問はありますが、だからこそしっかりと対応していただきたいです。ちなみに Microsoft Clarity の公式ページにもサンプルがあり弊社カエルコムニスのプライバシーポリシーにも記載しています。もし違和感があればご指摘ください。コピペしていいけど自己責任でね!

なお、Microsoft Clarity の利用規約もちゃんと存在します。英語で長いですが、こういったものこそ ChatGPT に解説してもらうことをオススメします。ポイントは、以下。

  • データ収集の許可:Clarity がデータを収集し、解析に使用することに同意が必要です。
  • 個人情報の取り扱い:個人を特定可能な情報を収集しない設定を確認してください。
  • ユーザー通知:サイト訪問者に対して Cookie や追跡技術の使用を通知し、同意を得る必要があります。
  • 法的遵守:GDPR や CCPA などの地域法を守る必要があります。
  • 責任の範囲:Microsoft は間接的損害やデータ損失について責任を負いません。

日本では特に、データ収集・個人情報・ユーザー通知の部分が大切ですね。Microsoft Clarity は無料とされていますが、利用規約には「変えることもあるよ」と書かれています。今後、有料プランの可能性はあるかもしれません。

サーバーの設定によっては使えない場合がある

小規模事業者向けの一般的なレンタルサーバーはたいてい問題ありませんが、狙われやすい中〜大規模の企業が使用するようなサーバーは、コンテンツセキュリティポリシー(CSP)が厳密に設定されている場合があります。

特に、上述の改正電気通信事業法によって、CSPを強化したサーバーも少なくないでしょう。その設定によっては、Clarity が使えません。

実際に Clarity を導入しても動かない場合、Chrome なら開発者用ツールから検証して「Content Security Policy」という文言がエラー文に入っていたらCSPが理由です。Microsoft の公式ページ(英語)は以下のとおり。

https://learn.microsoft.com/en-us/clarity/setup-and-installation/clarity-csp

「What should I do to add Clarity to my CSP?(CSP に Clarity を追加するにはどうすればよいですか?)」の項で対応方法を説明されています。大企業のウェブサイトに Clarity を導入する際には、サーバー管理者の方に依頼する可能性を共有しておきましょう。Google のツールなら問題ないことが多いのですが、Clarity はまだマイナーなツールということでしょうね。

これらがクリアできたら、早速 Clarity に登録してみましょう。

Microsoft Clarity に登録する

Clarity には、「アカウント」と「プロジェクト」という概念があります。全体構造はこんなかんじ。

Microsoft Clarity の全体像
上記の全体構造にある名称の説明(クリックで開きます)
  • アカウント:原則として、人に紐づいているものです。プロジェクトの管理者だけでなく、別のプロジェクトに招待されてメンバーになることもできます。
  • プロジェクト:データを集めて見れるものです。Clarity のメイン画面がコレです。
  • ウェブサイト:解析対象となるホームページです。
  • トラッキングコード:Clarity に訪問者のデータを送るためのプログラムです。

1つのウェブサイトにつき、1つのプロジェクトが対応します。

  • Microsoft Clarity は、クロスドメイントラッキングには対応していません。

最初にアカウントを新規登録し、最初のプロジェクトを作成します。Clarity を導入したいウェブサイトが2つ以上ある場合は、プロジェクトを追加していきます。アカウントがあれば、他のプロジェクトにメンバーとして参加できます。

アカウント:Microsoft Clarity にユーザーとして登録

Microsoft Clarity のトップページ(日本語版)にアクセスして、Google、Microsoft、Facebook のどれかで Clarity に登録します。難しいものではないですが、Google アカウントを使った場合の流れの画像を入れてあるので参考にどうぞ。3ステップで終わります。

Google アカウントを使った場合の3ステップ(クリックで開きます)

Gmail にログインできているパソコンで進めることを推奨します。

STEP

Microsoft Clarity のトップページにアクセス

Microsoft Clarity のトップページ(日本語版)にアクセスして、[サインアップ]もしくは[使い始める]をクリック

STEP

好きなアカウントを選択

Microsoft、Facebook、Google のどれかをクリック(今回は Google を選びました)

STEP

使いたいアカウントを選択

ここに設定されている名前とメールアドレスが、Microsoft Clarity に登録されます。登録後は、Clarity 登録者の名前とメールアドレスを変更できません

プロジェクト:Microsoft Clarity にウェブサイトを登録する

ユーザー登録が済んだら、そのまま最初の「プロジェクト」を新しく作成し、対象のウェブサイトを登録します。上記の流れでそのまま進んだ方もいると思いますが、日本語で使うには設定を変更する必要があります。画像つきで解説していますので参考にどうぞ。

プロジェクトを新しく作成する3ステップ(クリックで開きます)
STEP

サイト名とドメインを登録する

英語の画面になりますが、日本語で使えますので落ち着いて進めましょう。

  • Name:ウェブサイト名
  • Website URL:ウェブサイトのドメイン(https://を含めない)
  • Website industry:ウェブサイトの業種(※)
  • 「Financial Services & Insurance(金融サービスと保険)」もしくは「Health & Wellness(健康とウェルネス)」のどちらかを選択した場合、追加の利用規約への同意が必要です。
(参考)センシティブな情報(金融情報や医療情報など)を扱うサイト向けの追加規約

追加規約のポイントは、以下。これは Google が提唱する「YMYL(Your Money or Your Life)」にも関連していると考えられます。同様に Microsoft も慎重に扱っていますので、対応しておきましょう。

保証事項
  • あなたのデータ処理がデータ保護法に準拠していることを保証すること。
  • Microsoft Clarity を使用してセンシティブデータを処理しないことを保証すること。
  • センシティブデータには、医療情報、健康情報、税情報、非公開個人情報などを含む。
センシティブデータの定義(以下に限定するものではない)
  • 米国医療保険携行性と責任に関する法律(HIPAA)およびその規制で定義される保護医療情報
  • ワシントン州「My Health, My Data」法や他の州法で定義される消費者健康データ
  • カリフォルニア州医療情報機密性法(CMIA)や他の州法で定義される医療情報
  • カリフォルニア消費者プライバシー法(CCPA)などで定義されるセンシティブ個人情報
  • 米国国税法や他の州法で定義される納税者識別情報または納税者申告情報
  • Gramm-Leach-Bliley法や他の州法で定義される非公開個人情報(金融関連情報)
  • 公正信用報告法(FCRA)で定義される消費者報告情報または医療情報
  • その他のデータ保護法でセンシティブとされる個人データ
補償

Microsoft Clarity を利用することで規約の違反に起因する請求や訴訟による損害が発生した場合、Microsoft や関係者にその損害を賠償すること。

入力したら[Add new project]をクリックして進みます。

今回はウェブサイトへの導入を前提にしています
STEP

アカウントの設定画面を表示する

英語のままなので、右上のアカウントのアイコンをクリックして、「Manage Account」をクリックします。設定を変更すると毎回この画面に戻るので、慣れるためと思ってポチポチしましょう。

ここにいる猫の名前はクレメンタインです
STEP

基本設定を日本人向けに変更する

画面を少しスクロールすると「Preferenses(基本設定)」の項目が出てきます。変更するたび STEP2 の画面に戻りますが、赤枠の部分は設定しておくことをオススメします。

  • Language(言語):日本語
  • Country(国):Japan(日本)← 変更しなくてもOK
  • Date Format(日付の形式):yyyy/mm/dd ← 年/月/日
  • Start of week(週の開始):Sunday(日曜日)← お好みで

Language を日本語に変えたあとは、日本語で使いやすくなります。

実際に Clarity を動かすためにはトラッキングコードというものを使います。これは、ウェブサイトに訪問したユーザーのデータを収集するためのもので、Clarity 導入のキモです。

それでは、トラッキングコードをウェブサイトにインストール(意訳:クラリティをホームページに導入)していきましょう。

Microsoft Clarity の導入方法は3つある

次は、ウェブサイトに訪問したユーザーのデータを Microsoft Clarity で取得するための設定です。

ウェブ制作の知識がある方ならサクッと導入できると思いますが、3つの方法があることを覚えておいてください。最適な方法を選べるといいですね。

  1. 仕組みがあれば簡単:Clarity のプラグインを使う
  2. 将来性高めのイチオシ:Google タグマネージャーの Clarity 公式タグを使う
  3. ウェブ担当者に共有:Clarity のトラッキングコードを直接記述する

仕組みがあれば簡単:Clarity のプラグインを使う

WordPress(ワードプレス)や Wix(ウィックス)など、一般的によく使われているシステム(CMS)には Clarity のプラグインがあります。それを使うと、アカウントやプロジェクトを設定するだけで使えます。

メリット

  • システムに対応できていれば一番カンタン
  • Clarity のサイトを見に行かなくても管理画面でデータを確認できる

注意点

  • CMS 内の機能と連携できるものではない
  • プラグインを削除しても、Clarity のアカウントとプロジェクトは残ったまま(データは送られない)

以下では、WordPress の Microsoft Clarity プラグインを使った Clarity の導入方法を画像つきで解説しています。

Microsoft Clarity プラグインを WordPress で使う4ステップ(クリックで開きます)
STEP

WordPress のプラグイン新規追加画面で「Microsoft Clarity」を検索

管理画面で「プラグイン」→「新規追加」と進んだところにあります。見つけたら[インストール]ボタンをクリックしてしばらく待ったあと、[有効化]ボタンをクリックしてください。

STEP

[Setup Clarity(Clarity のセットアップ)] をクリックして設定画面に進む

プラグインを正常にインストールできたら、設定画面に進みましょう。画面が変わって以下のような表示が出ますので、[Setup Clarity]をクリックして進みます。

STEP

プロジェクトを選択

Microsoft Clarity にログインしていれば、以下のようにプロジェクト選択画面が表示されます。プロジェクトを選んで[続ける]をクリックしましょう。

STEP

Microsoft Clarity の画面が表示されれば成功

「プロジェクト ○○ 正常に統合されました」といった表示のあとに、Clarity の画面が表示されれば完了です。WordPress の管理画面から、いつでも確認できますね!

導入できたら「Microsoft Clarity が正常に稼働しているか確認」に進んでください。

将来性高めのイチオシ:Google タグマネージャーの Clarity 公式タグを使う

すでに他のアクセス解析ツールを導入しているなら、Google タグマネージャー(GTM)などの管理ツールでトラッキングタグを管理しているのではないかと思います。

メリット

  • すでにGTMを導入済みなら公式タグを入れるだけ
  • KPIをカスタムタグとして設定しやすい

注意点

  • ある程度専門的な知識が必要
  • 変数などの命名ルールなどを整備しておく必要がある

ということで、GTM を使える方なら説明不要だと思いますが、GTM の画面を開かなくてもインストールする方法が公式ページにまとまっていますので、こちらを合わせてどうぞ。トリガーは「All Pages」で本当にええんか?という素朴な疑問は残ります。

https://learn.microsoft.com/en-us/clarity/third-party-integrations/google-tag-manager

導入できたら Clarity の画面に戻り、「Microsoft Clarity が正常に稼働しているか確認」に進んでください。

ウェブ担当者に共有:Clarity のトラッキングコードを直接記述する

特にシステムを入れておらず、Google タグマネージャーも導入していない場合、トラッキングコードをそのまま HTML 内に記述する方法があります。個人的にオススメはしないので、制作の知識がある担当者と相談してください。

メリット

  • 柔軟性が高い
  • 解析したいページにのみ導入できる

注意点

  • ウェブ制作の知識が必要な最終手段
  • 解析したいページが多いと工数がかかりかねない
トラッキングコードを取得する3ステップ(クリックで開きます)
STEP

セットアップ画面を開く

「設定」→「セットアップ」に「手動でインストールする」の項目があります。ここの[追跡コードを取得する]をクリックして進みます。

STEP

Clarity コードをコピー

<script>〜</script>で書かれているトラッキングコードをコピーします。[クリップボードにコピー]ボタンをクリックするだけ。

STEP

ウェブサイトの <head>〜</head> 内にペースト

基本的に、位置はどこでも問題ありません。

トラッキングタグを記述したページのみ解析できるため、ウェブサイト内の動線を分析したい場合には、すべてのページに記述する必要があります。

これで、Microsoft Clarity の導入が済んだので、正常に稼働しているかどうかを確認しましょう。

Microsoft Clarity が正常に稼働しているか確認する

データを取得するまでは最大2時間くらいかかりますが、早ければ30分経たずに取得することが多いようです。データを取得して訪問者が現れると、こんなふうに(ほぼ)リアルタイムに表示されます。[すぐに観る]をクリックして進み、レコーディングデータを確認してみましょう。

ちょっとウレシイような、ドキドキするような

ただし、数時間経っても自分のアクセスデータすら取得できない場合、以下のような要因が考えられます。Chrome なら開発者用ツールを使うと確認しやすいですよ。

コンテンツセキュリティポリシー(CSP)の問題

サーバー側の設定で Clarity のデータ送信が制限されている可能性があります。このCSPに伴うエラーの解決策は上述していますので、参考にしてください。

トラッキングコードが正常に入っていない

HTMLで導入している場合に起こりやすいミスです。<head>〜</head> 内に <script>〜</script> を差し込みましょう。

異なるプロジェクトIDを設定してしまっている

複数プロジェクトを管理していると、まれによくあるミスがこれ。単純に、プロジェクトIDのコピペミスということもあります。なお、Clarity は URLにプロジェクトIDが入っているので、設定画面を見なくても確認できます。

GA4との連携

すでに GA4 を導入している方は、ここが気になるポイントかと思います。

GA4 と Clarity それぞれの得意分野

GA4 だけでなく、Google サーチコンソールなどとも合わせると、以下のように対応分野が分かれます。

Microsoft Clarityと他の解析ツールとの違い
  • GA4
    ウェブサイト内のデータを定量的に分析できる。アクセスしたユーザーがどのように行動しているのかの全体傾向を把握して、サイト改善施策の優先順位を決める際に便利。
  • Google サーチコンソール
    ウェブサイト外(検索結果画面)のデータを定量的に分析できる。どのように認知されているかの全体傾向を把握して、(検索からの)集客施策を検討する際に便利。
  • Microsoft Clarity
    ウェブサイト内のデータを定性的に分析できる。アクセスしたユーザーがどのように行動しているかの個別傾向を把握して、ページや導線改善施策の優先順位を決める際に便利。
  • インタビューやアンケート
    ウェブサイト外のデータを定性的に分析できる。アンケートの目的と設計によってさまざまな情報を得られる。

上記の四象限をそれぞれ連携させると、効果的ですよね。

GA4とのシームレスな連携はできない

GA4 と Google サーチコンソールはシームレスに連携できますが、Microsoft Clarity とは同じような連携ができません

  • GA4 のキーイベントを Microsoft Clarity で取得してフィルタに使う → 使えません
  • GA4 でつくったカスタムセグメントを Microsoft Clarity で使う → 使えません
  • GA4 を使えるユーザーを Microsoft Clarity のチームに同期できる → できません
  • GA4 からシームレスに Microsoft Clarity のヒートマップやレコーディングを見る → 見れません

じゃあ何ができるのかというと、GA4の一部のデータを Microsoft Clarity で確認できるだけです。Clarity のフィルタなども有効になりません。

わかるのはこれだけです

時々、「Microsoft Clarity は GA4 と連携できる!」と伝えている記事もありますが、連携できているといえるかどうかは疑問が残ります。公式も(UA時代の)GA と連携できるGA4 のセグメントはサポートしてないよ)と言っています。

  • Currently, Clarity doesn’t support segments in GA4.
    (現在、Clarity は GA4 のセグメントをサポートしていません。)
  • Clarity doesn’t send playback URL to GA4 as it cannot accept High Cardinality rows.
    (Clarity は高基数行を受け入れることができないため、再生 URL を GA4 に送信しません。)

Google Analytics4 Integration with Clarity | Microsoft Learnより

今後に期待。

GA4とどのように “連携” させるか

では、GA4 とどのように連携して考えれば良いかというと、「GA4 で得られたパターンを Clarity で深堀りする」のがシンプルかと思います(これをシームレスにできるといいんですけどね……)。これは、先日開催された a2i のセミナーで、JADEの村山さんも話されていました。

https://a2i.jp/report/post-36935/

セミナー後半の村山氏のセッションでは、より踏み込んだ分析アプローチが提示されました。特に注目すべきは、定量分析(GA4など)と定性分析(Clarity)の組み合わせ方です。「仮説の精度を高める」という視点から、定量データで見つけたパターンをClarityで深掘りする手法が、実例を交えて解説されました。

【活動報告】オンラインセミナー「Microsoft Clarityで深める真のユーザー理解」|2024/9/25(水) – 活動報告 – アナリティクス アソシエーション

私も、GA4 や Google サーチコンソールを Looker Studio で閲覧できるようにしておき、伸びしろのあるパターンが見えると Clarity で絞り込み、レコーディングを10件くらい観察して背景を確認し、施策に落とし込んでいます。

よく忘れがちになってしまうのは、コンバージョンから目を背けないこと。つまり、シームレスに連携できたとしても目的志向でツールを扱わなければ、わかった気になってしまうだけです。そういったことを念頭に置いて、まずは Microsoft Clarity を楽しんでみてください。

Microsoft Clarity を導入できたら次にやること

データが取れることを確認できたら、ダッシュボードを見てみましょう。このあとの活用は以下の記事にまとめていますので、ひとつずつ確認すれば Clarity の機能をひととおり把握できます。

思ったより難しい……という方には、Clarity の導入から活用までのサポートも行っています。必要な設定を代行し、導入後のレクチャーも可能です。オンラインで画面を見ながら一緒に進めていきましょう。

https://clarity.kosgis.com/blog/microsoft-clarity-seminar-02/
https://clarity.kosgis.com/blog/microsoft-clarity-seminar-03/
https://clarity.kosgis.com/blog/microsoft-clarity-seminar-04/
https://clarity.kosgis.com/blog/microsoft-clarity-seminar-05/

Microsoft Clarity に関してはよくつぶやいていますので、導入方法や活用について気になることがあれば https://x.com/clarityLabo へお声がけください。

よくある質問と回答

Microsoft Clarity(クラリティ)とは何ですか?

Microsoft Clarity(マイクロソフト クラリティ)は、ウェブサイトの訪問者がどのようにページを操作しているかを分析するための無料ツールです。

ユーザーがページをスクロールする様子や、どこをクリックしているかなどを視覚的に把握できます。これによって、あなたのサイトが使いやすいか、どの部分で改善が必要かがわかりやすくなります。

以下の記事で仮説検証のケースを紹介していますので、参考にどうぞ。

https://clarity.kosgis.com/blog/hypothesis-testing-with-clarity/

Microsoft Clarity でできることは?

Microsoft Clarityでは、主に以下のようなことができます。

  • ヒートマップの確認
    ユーザーがどの位置を多くクリックしたり、どこまでスクロールしたかが、色の濃淡でわかります。
  • セッション録画の再生
    実際のユーザーがあなたのサイト上で行った操作を録画して再生できます。これにより、ユーザーの行動パターンやつまずきポイントを客観的に把握できます。
  • フィルター機能
    特定のページやデバイスタイプ、参照元などで絞り込んで、ユーザー行動を分析できます。

Clarity 勉強会の第1回で概要をご紹介していますので、こちらもどうぞ。

https://clarity.kosgis.com/blog/microsoft-clarity-seminar-01/

Microsoft Clarity は有料ですか?

Clarity は基本的に無料で利用できます。初期費用も月額料金はかからず、誰でも自分のウェブサイトに導入して使うことが可能です。

その理由として、Microsoft 社がAI活用を前提にしていることが挙げられます。このスタンスは把握しておきましょう。

Microsoft Clarity を導入するメリット・デメリットは?

メリット

  • 無料で使えるため、コストを気にせず導入できる。
  • ヒートマップやセッション録画など、ユーザー行動を可視化できる機能が充実している。
  • わかりやすいため改善ポイントが明確になり、UI/UXの向上に役立つ。

デメリット

  • 他の高度な分析ツールと比べると、機能がシンプル。
  • 個別にデータを削除することはできない。
  • データを取得できない場合があり、その理由が不明。

Clarity はプライバシーに配慮し、個人を特定できる情報(パスワードやクレジットカード番号など)を記録しないように設計されています。ただし、完全ではないので油断なく確認しておいたほうが良いでしょう。

Microsoft Clarity の利用規約は?

利用規約は、Microsoft の公式サイトで公開されているこちらです。

https://clarity.microsoft.com/terms

Microsoft Clarity を削除するには?

Clarity を削除するには、トラッキングコードの削除 → プロジェクトの削除の順でおこないます。

  1. ウェブサイトに追加した Clarity 用のトラッキングコードを取り除く。
  2. Clarity の管理画面から、そのサイトのプロジェクトを削除する。

これにより、今後はウェブサイト上でユーザー行動データが収集されなくなります。削除後も念のため、しばらく動作を確認し、データが記録されていないことを確認してください。

他にもわからない点がありましたら、X(Twitter)の @claritylabo へお気軽にご相談ください。

Microsoft Clarity を使う前に備えておきたいチェックリスト

上記の内容をふまえ、Microsoft Clarity を導入する前に全体像を知っておくためのポイントを1枚のPDFにまとめました。以下から、ダウンロードしてお使いください(登録不要です)。

  • 内容のバージョンアップにより、URLを事前事後の承諾なく更新する可能性があります。
  • 共有する場合はPDFのURLではなく、本ページのURLでお願いします。
  • 資料の更新状況は、このページでお知らせします。
]]>
Microsoft Clarity(クラリティ)の使い方:フィルターとセグメントを活用しよう https://clarity.kosgis.com/blog/microsoft-clarity-seminar-05/ Mon, 02 Dec 2024 02:08:37 +0000 https://clarity.kosgis.com/?p=844

Microsoft Clarityのフィルターとセグメント機能を活用すると、ユーザー行動をより細かく分析できます。具体的な設定方法や活用のポイントを解説し、サイト改善に役立つ情報を紹介します。]]>

はい、ごめんください。Microsoft Clarity(クラリティ)大好きコスギです。

無料で使えるユーザー行動分析ツール「Microsoft Clarity」の勉強会。これまで初心者向けに解説してきましたが、第5回は Clarity 活用のキモといえる「フィルター」について深めました。以下のような内容です。

フィルターとセグメント
  • フィルターはカスタマーに合わせて使おう
  • フィルターを制する者は Clarity を制す
  • 定期観測したいものはセグメントとして保存
フィルターを活用するコツ
  • Clarity Chat にも聞いてみよう
  • カスタマーの行動に沿ったファネルを作ろう
  • カスタムフィルターと合わせてファネルを充実させよう

Clarity を効果的に活用するためには、お客様(カスタマー)の理解とウェブサイトの動線把握が重要となります。ここに向き合わないまま Clarity を活用しようとしても、「オモシロイ」以外の感想はなかなか出てきません。シンプルでカンタンだからこそ、顧客理解の有無で得られるものが変わります。要するに、

[ 何のために、誰の動きを見たいのか ]

Clarity の活用は、この一言に尽きます。正解はないからシンドくもあり、楽しくもあり。最近はAIにLP添削をしてもらうことも流行っているので、「このページは、誰のどんな目的で作られ、その人はこのサイトにどんなことを期待していると思いますか?」みたいにお願いしたら提案してくれるかもですね。

まずは、Microsoft Clarity のフィルター機能を知ることをメインに説明しています。これまでも使っているので、気になる箇所は Microsoft Clarity の使い方をまとめた過去の記事も参考にしてください。

Clarity の活用サポートも行っています。勉強会は記事にまとめる意図もあって聴講スタイルですが、ワークをしながらのセミナーのほうが得意なので、一緒に画面を見ながら進めていきましょう。

フィルターを使うための大前提

Microsoft Clarity は、ウェブサイトにおける「カスタマー(見込み客も含む)」の行動を分析し、つまずきを減らすためのツールです。

フィルターを使うための大前提は、行動を絞り込む相手、つまり、分析対象となるカスタマーを明確に定義することが重要です。Clarity でカスタマーにならないユーザーを観察しても時間が溶けるばかりですし、SEOにも直結するため、少なくともカスタマーのニーズくらいは想定しておきましょう。マーケティングにおける「誰に」ですから。

Microsoft Clarity の得意分野はCROです。訪問したカスタマーとのミスマッチを減らしてCVまで通すのがだいじ。

この図でいうところの、集客を担う[認知]→[訪問]の部分を改善するのがSEO、実際にウェブサイトの成果につながる[訪問]→[回遊]→[CV(コンバージョン)]を改善するのがCRO(Conversion Rate Optimization=コンバージョン率最適化)です。

ただし、私(コスギ)としては、CRO=Customer Relationship Optimization(顧客との関係性を最適化)と捉えています。この方が、ウェブサイトの改善を考えやすいのでオススメです。

例えば、ウェブサイトへの訪問数 10,000 件に対して申込数が 100 件であれば、100/10000=0.001 で、1% のコンバージョン率になります。このコンバージョン率を 2% にするなら、以下のような2パターンが考えられます。

  1. ウェブサイトへの訪問数 10,000 件は維持したまま、申込数 200 件を目指す
  2. ウェブサイトへの訪問数を 5,000 件にしてでも、申込数 100 件を維持する

カスタマーにならないユーザーが多いようなら、集客対象のクエリやコンテンツの動線をカスタマーに最適化する(CRO)ことで、訪問数が減少しても申込数は次第に上がります。カスタマーに最適化されたサイトは、SEOにも効果を発揮し、訪問数も上がります。

ただしもちろん、カスタマーを見誤ってしまうとどちらも減って大爆死してしまうので、覚悟と勇気を持つ前に、しっかりとカスタマーを定義しておくことは必須です。徹底的に顧客理解を深めて実施した施策は、後悔ではなく経験が残ります。次につなげましょう。

Microsoft Clarity で使えるフィルター

ウェブサイト上でユーザーがつまずくポイントは、さまざまです。

  • メニューがわかりにくい
  • 次に進むためのリンクがわかりにくい
  • 読み込み速度が遅い、広告やポップアップが多すぎる
  • スマホの画面でタップしにくい
  • 入力箇所がわからない、項目が多すぎる
  • 掲載している情報が少なすぎる、わかりにくい  ……など

ご自身でも、こういったことに少なからず「イラッ」としたことがあるのではないでしょうか。あなたの感じる「イラッ」は、誰かにとっても「イラッ」とします。使い慣れた自分のサイトは盲点になりやすいですが、初心に返って、実機で確認してみてください。このアンテナは、少なからず改善のヒントになります。

さて、Clarity にはたくさんのフィルターが用意されており、こういったつまづきを定量的・定性的にチェックすることができます。「イライラしたクリック」など、GA4では見たこともない、特徴的なフィルターは以下に紹介しています。合わせて参考にしてください。

https://clarity.kosgis.com/blog/microsoft-clarity-filters

ちなみに「この条件のユーザーは除外したいんだけどな〜!!」という場合には、一部のフィルターが使えます(すべてではないのですが)。カスタムフィルターは除外対象を設定できるので、使っていくうちに必要になったら思い出してください。「関係者除外」が一番わかりやすい例ではないでしょうか。

フィルターを保存してセグメントにしよう

Clarity では、設定したフィルターを保存したものを「セグメント」と呼びます。保存しておけばいつでも呼び出せるので、よく使うフィルターをセットしておくと良いですよね。

では、よく使うフィルターをどう見極めたら良いかという点で、STP分析を応用すると効果的です。

補足:STP分析とは

STP分析では、まず市場をいくつかのセグメントに分割します (セグメンテーション)。分割の方法でよくあるのが、性別や年令ですが、業種、規模、サービス内容など、ケースバイケースで検討する必要があります。

どのような軸で分割するかによって、求める顧客像が変わります。曖昧なまま進めると、違和感のある顧客しかいなかったり、市場が狭すぎて顧客がいなかったりが起こりますので、納得感のある軸を採用しましょう。

次に、分割したセグメントの中から、どのセグメントをターゲットとするかを決定します (ターゲティング)。

最後に、ターゲットとするセグメントにおいて、自社の立ち位置を明確化します (ポジショニング)。 同じセグメントには競合も存在するため、差別化や共創を図りながら、自社の強みを活かせるポジションを確立することが重要です。

UAV あなたが知らない あなたの会社だけの強み ― 顧客に選ばれ続ける「最強ブランド」のつくり方 #PR

STP分析では物足りないな……自社の強みをちゃんと出していきたい!という方は、UAV(ユニーク・アトラクティブ・バリュー)の思考プロセスを知れるこちらがオススメです。まだ市場ができていない場合は、VPC(バリュー・プロポジション・キャンバス)で考えてみるのもオススメ。PMFの全体像と合わせて、才流さんの記事も合わせてどうぞ。

https://sairu.co.jp/method/13700/

わかりやすい軸で考えてみましょう。たとえば、顧客単価と購入頻度の軸だと「高単価・リピーター」、「高単価・単発購入」、「低単価・リピーター」、「低単価・単発購入」の4つのセグメントに分けられます。すると、B(高単価・リピーター)のアップセルやクロスセルのために Clarity でフィルタリングして確認したり、A(高単価・単発購入)のリピートを促すためにBとの違いを Clarity で探索したり、などが考えられます。

例)顧客をセグメントしてMicrosoft Clarityで確認したい場合

フィルターは「なんとなく見たい切り口」でも使いやすいのですが、戦略に基づいたセグメントでフィルタリングしたほうが、得られるものは大きいのではないでしょうか。ただでさえ、時間が溶けるツールですから……

また、セグメントは、作成した後にウォッチリストに追加することも可能です(フィルターの設定とウォッチリストへの登録手順は動画でも説明しています)。ウォッチリストに追加しておけばいつでも確認できますし、すぐに絞り込むこともできます。期間の設定が含まれてしまうので、それだけちょっとややこしいんですけども。

Microsoft Clarity のダッシュボードにあるウォッチリスト
「0でなければ何かある」くらいのところからはじめてOK

フィルターの活用ケース

ダッシュボードから使うのが一番カンタンです。ぜひ知っておいてほしいのは、ダッシュボードの中でも「フィルター」と訳されている「ファネル機能」からのフィルタリング。物足りなくなったらカスタムフィルターもどうぞ。

ダッシュボードから使う(まずはここから)

「ダッシュボード」は、Clarity を開いてさまざまな数字が書かれている最初の画面のこと。「定性分析ツールじゃないんかーい!」とツッコみたくなるような、ウェブサイトのアクセス状況やユーザーの行動に関する様々なデータが表示されています。

Microsoft Clarity のダッシュボード
ちょっと表示項目が違うかもしれませんが、だいたいこんな感じ

問題のありそうなユーザー行動を絞り込んで分析したい場合、ダッシュボード上で該当する項目をクリックするだけで、簡単にフィルターを適用することができます。たとえば、デッドクリックが多い場合は、「デッドクリック」の項目をクリックすることで、デッドクリックが発生したセッションに絞り込むことができます。この辺は動画でも説明していますので、合わせてどうぞ。

さらに、Microsoft 社の AI である Copilot が搭載された「Clarity Chat」を使うことで、分析のヒントを得ることも可能です。カンタンな質問、たとえば、「過去7日間で、モバイルでタップの問題が起きているページを教えてください」と入力すると、Clarity Chat はデッドクリックが多いページを提案してくれます。また、「過去30日間のデータをもとに、トップページの改善ポイントを教えて」という依頼には、いくつかの指標から提案してくれます。コンサル的にアドバイスしてくれるというよりは、「ヒントはこの辺」と提示してくれる感じですね。

「過去7日間で、モバイルでタップの問題が起きているページを教えてください」とMicrosoft ClarityのCopilotに依頼した結果
問題=デッドクリックなんですね
「過去30日間のデータをもとに、トップページの改善ポイントを教えて」とMicrosoft ClarityのCopilotに依頼した結果
使えるところだけ使いましょう

まだ回答精度は不安定ですが、たまに構ってあげると成長している印象はあります。

ファネル機能で使う(初級〜中級者向け)

(和訳では「フィルター」となっている)「ファネル機能」は、Microsoft Clarity のイチオシ機能です。

Clarity には、GA4の「キーイベント」のようにコンバージョンポイントを「設定」画面から設定すれば、それを追っていけるような仕様とはちょっと異なります。「スマートイベント」として設定することは可能ですが、ファネル機能でユーザーが目標達成までに通過するステップを定義し、各ステップにおけるユーザー数を可視化できると効率的に分析しやすいです。

Microsoft Clarity のファネル機能

ファネル機能はユーザーの直線的な動線分析に使いやすいです。ウェブサイトにフォームがあったら、ぜひ使ってみてください。動画では、弊社の公式サイトにあるショッピングカートでのファネルを確認し、レコーディング機能で何が起きているのかを確認して考察するまでを説明しています。

カスタムフィルターを使う(中級者以上向け)

Clarity には、デフォルトで用意されているフィルター以外にも、カスタムフィルターを作成することができます。カスタムフィルターは、デフォルトのフィルターでは取得できないデータを分析したい場合に役立ちます。だんだん物足りなくなってくるんですよ。

カスタムフィルターには、汎用的に使えるカスタムタグ以外にも、ログインユーザーを分析しやすいカスタムユーザーID、カスタムセッションID、カスタムページIDのセットがあります。カスタムラベルもありますが、レコーディングの判別に使用するものなので、大別すると2種類のカスタムフィルターが使えます。

Microsoft Clarity のカスタムフィルターの種類

カスタムタグは、Googleタグマネージャー (GTM) を使用することで、簡単に設定することができます。取得したいデータを変数に設定すれば、Microsoft Clarity 公式タグの Custom Options に設定するだけ。

Google タグマネージャーのMicrosoft Clarity公式タグ

上記で設定しているカスタムタグの変数は、以下のページで説明していますので参考にどうぞ。

https://clarity.kosgis.com/blog/clarity-custom-tags

GA4と自動的に連携できているわけではないので、GA4用に設定した変数があれば Clarity にも使えますね(/・ω・)/

Microsoft Clarity のフィルターに関するよくある質問

ダッシュボードの右上と枠内に「フィルター」があるのですが?

「フィルター」は「絞り込み」の意味ですが、下記のような違いがあります。

Microsoft Clarity のフィルター(Filter)とフィルター(Funnel)

英語版なら「Filters」「Funnels」になっているのですが、和訳がわかりにくいだけです……

コンバージョンページのURLが変わるのですが、Microsoft Clarity で取得する方法は?

正規表現を使って対応できます。

正規表現がわからない場合は、ChatGPT などに教えてもらいましょう。

https://example.com/[カテゴリー]/thanks/という形式で、カテゴリーが英数のみ(fruits や animals)だった場合の正規表現を教えて

「ページサイズを変更しました」というフィルターはどう使えば?

重要度は高くないため、参考程度で問題ありません。

「ページサイズを変更しました」という指標で絞り込んでみると、モバイルの割合が高いことがわかります。これにより、ユーザーが画面を(指で)拡大するような動きの可能性が考えられます。ユーザーにとってはコンテンツが小さいのかもしれませんね。スマホの縦横を変えたことが示唆されていますが、個人的には疑問が残ります。

Microsoft Clarity で「ページサイズを変更しました」というフィルターを適用したときのデバイス割合
弊社だとこんな感じです。PCの割合が多いサイトだといかがでしょう?

ただし、Clarity の指標は定義が曖昧なものが多く、レコーディングを見て問題なければ気にする必要はありません。テキストを選択しながら読んでいる行動がデッドクリックとして見なされるのと同じようなものと考えておいても良いのではないでしょうか。

あまりに多いなら、表示されている文字が小さい可能性があります。また、画像を拡大しようとしたりする行動が見られるなら、視認性を改善する余地があるかもしれません。

クリックヒートマップで、デッドクリックのみを絞り込む方法は?

フィルターの一覧ではなく、クリックヒートマップ → クリックの種類から選択します。

ヒートマップを表示して、クリックの種類のドロップダウンメニューを開くと、「すべて」「停止(デッドクリック)」「激怒(イライラしたクリック)」「エラー」「最初(ファーストクリック)」「前回(ラストクリック)」などから選べます。

Microsoft Clarity のクリックパターンはヒートマップから選択する

クリックの種類や意味は、以下の記事からどうぞ。

https://clarity.kosgis.com/blog/microsoft-clarity-seminar-03/#index_id6

カスタムタグを設定するには?

カスタムタグの設定には、Googleタグマネージャー(GTM)の使用が推奨されています。

Clarity 公式が提供しているGTM用のタグを設定することで、簡単にカスタムタグを取得できます。上記のカスタムフィルターの設定も合わせてご確認ください。変数でKPIを取れるといいですよね。

Microsoft Clarity のカスタムタグは、GA4 の連携できない?

Clarity と GA4 の連携は限定的です。

Clarity 上で GA4 のデータを見れるタブはありますが、フィルターやキーイベントの連携はなく、基本的な指標が見えるだけとなっています。当然、カスタムタグも GA4 とは連携できません。

2024年12月現在、Microsoft Clarity 公式ドキュメントGA4 Integration でも以下のように記載されています。高基数は「データがめっちゃ多いから (other) としてまとめとくわ」みたいな処理をされるほど値が多いこと(意訳)を指します。つまり、再生URLが膨大になると (not set) になってしまって意味がなくなるので、やめたそうなんですよね。

  • Currently, Clarity doesn’t support segments in GA4.
    (現在、Clarity は GA4 のセグメントをサポートしていません。)
  • Clarity doesn’t send playback URL to GA4 as it cannot accept High Cardinality rows.
    (Clarity は高基数の行を受け入れることができないため、再生 URL を GA4 に送信しません。)

「カスタム」がついている「カスタムイベント」はどうやって使うのですか?

スマートイベントで利用できます。

スマートイベントはコードを書かなくても使えますが、イベントAPIを使用することで自由にカスタマイズして設定できます。これが、「カスタムイベント」。

個人的に、カスタムイベントはウェブサイトよりもモバイルアプリでの活用シーンが多いんじゃないかと考えています。

Microsoft Clarity 勉強会の今後の予定

これで一連の Microsoft Clarity に関するノウハウはまとまったので、定期的な勉強会は一旦終わります。これまでの勉強会の内容は、以下をご参照ください。

https://clarity.kosgis.com/blog/microsoft-clarity-seminar-01/
https://clarity.kosgis.com/blog/microsoft-clarity-seminar-02/
https://clarity.kosgis.com/blog/microsoft-clarity-seminar-03/
https://clarity.kosgis.com/blog/microsoft-clarity-seminar-04/
https://clarity.kosgis.com/blog/microsoft-clarity-seminar-05/
↑今回の記事です

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