イベントレポート – Microsoft Clarity 研究所 https://clarity.kosgis.com Microsoft Clarity(マイクロソフト クラリティ)の機能や可能性を探っています Tue, 18 Mar 2025 05:27:52 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.7.2 https://clarity.kosgis.com/wp-content/uploads/2024/01/cropped-HEm0sWv4_400x400-32x32.jpg イベントレポート – Microsoft Clarity 研究所 https://clarity.kosgis.com 32 32 企業とビジネスライター商談会 in 東京・参加レポート https://clarity.kosgis.com/blog/report-250207/ Wed, 12 Feb 2025 23:50:00 +0000 https://clarity.kosgis.com/?p=1073

2025年2月7日、新宿で初開催された「企業とビジネスライター商談会」に参加。多様な専門分野のライターが集結し、企業との商談を実施。出展者としての体験を通じて、名刺やチラシの準備、ブース設営の重要性を再認識。ビジネスライターにとって有益なイベントであり、今後の参加も推奨される内容でした。]]>

平日金曜日の、2025年2月7日。新宿のTIME SHARINGさんにて「企業とビジネスライター商談会」が初開催されました。

先にお伝えしておくと、私はライターではありません。コンテンツマーケティングは担っていますが、情報設計とその検証・改善がメイン業務です。Open AIがDeep Reserchを発表してからは、ChatGPT Proをゴリゴリに使っています。とはいえ、ホームページ制作の一環でSEOやCROをサポートする関係上、言葉へのこだわりはありました。配置と言葉を変えるだけで、導線が光るのですよね。

要するに「ウェブに関する何でも屋」という明らかに場違いな出展者としての参加レポートとなります。結論は「企業を相手に仕事をしているライターさんなら出展して損はありません」です。

https://toianna.online/biz-writer-matching-company

開催に至るまでの背景は、主催であるトイアンナさんが書かれていらっしゃいます。私が抱いた印象としては、「ビジネスライターの社会的認知・地位向上」という思いが大きな軸として感じられました。

https://note.com/toianna/n/nb12d41a2bd50

出展されたライターさんのご紹介(一部・順不同)

まず、出展されたライターさん(一部)をご紹介します。とても真摯に対応していただける方ばかりです!気になるライターさんがいらしたら、お問い合わせください。

  • 2025年2月7日現在の内容です。
  • お名前の前にある肩書きは、私の印象からつけているケースもあります。

農学博士のコンテンツライター
ゆうさま

農学博士として東京農工大学で環境分析の研究に取り組み、実務経験を経てフリーランスライターとして独立されています。論理性を重視しつつ読み手に負担をかけない文章表現が強みで、取材記事を月13本担当されるなど、精力的に活動されています。取材時は明るい雰囲気づくりにも配慮し、多ジャンルのインタビューやディレクションもまとめてお任せできるので、根拠ある文章作成を必要とする方にぜひおすすめです。

医療・メディカルライター
サユコさま

現役の医療従事者として実務に携わりながら、エビデンスに基づいた正確な医療ライティングを提供しているのが特徴です。臨床検査技師や放射線技師など複数の資格とYMAA個人認証マークを保持し、病院向けWebサイトや医療者向け資料、産婦人科・美容領域の記事執筆まで幅広く対応可能。読者層に合わせたわかりやすい文章づくりを重視し、専門性と読みやすさを両立しているので、医療・美容関連のコンテンツ制作を依頼したい方におすすめです。

SEOライター・セールスライター
アルケミスタKさま

SEOライティングから構成書の作成までスピーディーに対応し、WebマーケティングやIT分野を得意とされています。3,000文字規模の記事なら短時間で執筆可能なうえ、ディレクションやリライト業務の経験も豊富。セールスライティング講座を修了し、商品のターゲットに合わせた魅力的なレター作成もお任せできます。2021年には基本情報技術者試験を受験し、IT関連知識をさらに深めている点も強みです。

ケアマネライター
古賀優美子さま

保健師として15年、介護職として5年の実務経験を活かし、介護・医療・福祉に特化したライティングを提供。実際の現場での知見をもとに、一次情報を多く取り入れた信頼性の高い記事を執筆されています。健康経営や転職などの分野にも対応し、リサーチスキルの高さには定評があります。YMYLに関わるコンテンツを扱う企業・メディアの方にはおすすめのライターさんです。

ことばでプロデュースするライター
夏野久万(なつのくま)さま

10年以上のライターキャリアを背景に、丁寧なヒアリングから課題を明確化し、柔軟な「執筆+企画力」で幅広いニーズに応えてくださいます。企業向けの冊子・ブックライティング、パンフレットなどをはじめ、SEO記事や採用インタビュー、漫画原作、企業系動画シナリオまで幅広いジャンルをカバー。目的に合わせたルールブック(マニュアル)づくりや取材体制の整備も手掛けられるので、成果をめざす方にぜひおすすめです。

コトバを編む人
奥村サヤさま

インタビューを通じて相手の生き方や想いをていねいに掘り下げ、「名刺代わり」となるブランドストーリーを生み出すフリーライター・編集者です。紙媒体やWebメディア、企業noteの運営サポートなど幅広く手掛け、伝え方を工夫することで読者の心を動かし、新たな可能性につなげる記事制作が強みです。言葉にならない感性を創り出したい方に、ぜひおすすめです。

総合力のコンテンツライター
手塚裕之さま

6年間で通算2000記事以上を執筆し、SEO記事からインタビュー、撮影まで単独で対応できる総合力が強みです。ビジネス、金融、不動産、税務、エンタメ、スポーツなど幅広いテーマに携わり、媒体を問わず多彩なコンテンツを提供。取材のみ、執筆のみなど柔軟に対応できるので、最適な形で情報発信をサポートしていただけます。まずはお話しされてみてください。

BtoBのインタビューライター
藤原友亮さま

スムーズなヒアリングと正確なビジネス表現を強みに、企業取材や採用広報、レポート制作など多彩なコンテンツを手掛ける制作チームです。インタビューで引き出した想いをナラティブにまとめ、人の心を動かす情報発信をサポートされています。

編集視点のライター
廣瀬翼さま

企業・個人からディレクション、インタビュー、記事ライティング、書籍編集まで手掛けてこられました。ビジネス本から古典分野まで幅広いテーマに携わり、さまざまなコンテンツ制作を担当されています。6年間のクライアントワークに裏づけられた経験で、対話の中から本質的なエピソードを引き出し、読者の心に響くストーリーづくりを得意とされています。

金融特化ライター
三枝徹さま

32年のサラリーマン経験と22年の管理職経験を活かし、金融・ビジネス系ライターとして活躍されています。執筆記事は300本以上におよび、製造業・金融の知見や情報セキュリティ、マネジメントノウハウを組み合わせた総合的な取材・コンテンツ提案が強み。構成から入稿まで一貫対応できるので、多角的なビジネス領域の情報発信を任せたい方に最適なライターです。

医療広告・薬機法ライター
佐藤おさむさま

診療放射線技師としての実務経験と病院広報の実績をあわせ持ち、医療広告ガイドラインや薬機法・景表法を遵守したコンテンツ制作を得意とされています。医療機器の導入事例からクリニックのWebサイト制作までカバーし、デザイナーとの協業でLPやパンフレットもワンストップ対応。AIを活用して短納期の大量受注にも柔軟に応じられるので、医療分野の正確かつ魅力的な発信をしたい方におすすめです。

取材専門のビジネスライター
蜂巣稔さま

物流・生成AI・BtoBの分野に精通し、サプライチェーンマネジメント領域での20年以上の実務経験を活かした深掘り取材が強みです。通関士とグリーンロジスティクス管理士の資格を所持し、環境に配慮した輸送やDX導入などの先端領域にも対応可能。経営者インタビューや事例紹介、SEO記事、研究会レポートまで幅広く手掛けるため、最新の物流・AI業界動向を捉えたい方におすすめのライターです。

BtoBライター
稲田和瑛さま

企業や官公庁の情報発信をサポートされています。ビジネス書のブックライティングからWebメディアの導入事例やオウンドメディアの執筆など、幅広い領域に対応し、業界知識を踏まえた綿密な取材と論理的な構成力が強みとのこと。法律や特許など、一般の方には難しい内容でも、読者の理解や行動を後押しするコンテンツ制作で厚い信頼を得ています。

セールスライター兼コンテンツディレクター
西原小晴さま

丁寧なヒアリングと9年以上の実務経験を活かし、企業の課題に寄り添った提案型のライティングを得意とされています。心理学の知見と大手印刷会社での制作実務から培ったスキルを融合し、LPライティングやホワイトペーパー、生成AI導入支援など幅広く対応。わかりやすく効果的な文章でビジネス成果を後押ししてくれる頼もしいライターです。

感性をことばにするライター
長谷川美果さま

外資系人材会社での広報経験とオウンドメディア立ち上げ実績を活かし、企業noteや社内報、採用広報など幅広く企画・取材・執筆・編集を手掛けるフリーランスライター兼編集者です。国家資格キャリアコンサルタントとして300名以上にインタビューした対話力が強みで、企業の魅力を最大限に引き出す構成力と企画力が特徴。認知やエンゲージメント向上に貢献する記事づくりをお任せできます。

ライター兼コンテンツディレクター
大久保崇さま

BtoB事業、HR・採用領域、SaaS・Tech分野に精通されています。クライアントのファンを育みつつ、クライアントの時間を生み出すことをコンセプトに、インタビューやマーケ支援、オウンドメディア運用など多彩な手法でサポート。記事制作などのタスクを一括請負し、成果に直結するコンテンツを得意とされており、とても話しやすい方です。

あたたかいイラストで魅せるライター
デヤブロウさま

街歩き・地域情報ライターとして、まち・人・お店の魅力をあたたかくやわらかい筆致で紹介するデヤブロウさん。数多くの大手媒体で執筆経験を持ち、取材から執筆、イラスト制作までワンストップ対応が可能なのが強みです。地域の風土や人々の声を大切に拾い上げ、読み手が共感できる記事づくりを徹底。独自のイラストを交えながら、見る人を惹きつける表現で街の魅力を発信されているので、地元PRや観光情報発信を考える方にぜひおすすめです。

言葉でビジネスを前進させるライター
二階堂ねこさま

年間120件以上のインタビューを通じて、人とビジネスを深い共感でつながれています。リクルートスタディアプリやエムスリーなどで実績多数。読者の心に刺さる質問力とストーリーテリングで、取材現場から企業のブランドづくりを支援。ゴールを見据えた文章設計と、信頼感を大切にした取材スタイルが魅力的で、ビジネスを前進させたい方におすすめのインタビューライターです。

成果につなげるライター
トイアンナさま

P&GジャパンやLVMHグループでのマーケティング経験を活かし、10年以上のライター実績で1,000件を超える成果を出されています。月間50万PVを誇るブログ運営で培ったWeb戦略や企業ブランディングを強みに、広報誌・自社メディア・キャッチコピー・採用ページなど多彩な領域で活躍。企画段階から参画し、クライアントの要望を最大限に反映する提案型ライティングが特長です。
今回のビジネスライター商談会を主催していただいた方。

ビジネス特化型のインタビューライター
小町ヒロキさま

「想いをコトバに、コトバをきっかけに」をビジョンに、企業の課題解決を全力サポートされています。徹底的なリサーチを基に、社員・導入事例・経営者インタビューなど多彩な形で企業の魅力を深掘りし、記事化やプレスリリース、動画制作まで幅広く対応。これまで200社以上を取材し、読み手の心を動かす物語性のあるコンテンツを数多く創出されているので、成果へのコミットを期待される方におすすめです。

FP金融ライター
松田聡子さま

ITエンジニアから転身し、FP業務の実務経験を活かした金融ライターとして活躍中。日本FP協会認定CFP、DCアドバイザーなどの資格を保持し、投資や保険、年金から企業の財務内容まで幅広く執筆可能。正確な専門知識と読者目線の両立を重視し、難解なマネー情報をわかりやすく伝えてくれるのが魅力です。金融関係の記事の監修先を探している方にオススメです。

SEOにも強い取材ライター
鶴原早恵子さま

取材・インタビューから撮影、CMS入稿までワンストップで対応されています。企業やサービスの「伝えたい想い」を的確にくみ取り、読み手にしっかり届く文章へと仕上げるのが大きな強み。イベントや講演会の取材、導入事例のインタビュー、ホームページのリライトなど多彩な案件を手掛けており、柔軟な対応力とコンテンツ制作全般をサポートしてくださいます。

企画から相談できるベテランライター
香川妙美さま

12年以上のライター経験と累計1,500件を超える執筆実績、900人以上のインタビューを通じて培った取材力が大きな強みです。IT・DXや医療、飲食、住宅メーカーなど幅広い業界に精通し、レポートやPRリリースなど多彩なコンテンツを手掛けてこられました。明瞭で理解しやすい文章と丁寧なヒアリングにより、企業やサービスの魅力を的確に発信できるので、多種多様なニーズに応えてくれるライターを探している企業におすすめです。

ライター兼採用マーケター
後藤久美子さま

600件以上の取材経験に加え、10年以上の求人分野執筆経験を背景に、経営や採用活動を深く理解した上で発信戦略を組み立てておられます。飲食チェーンや営業経験を生かし、こまやかにコミュニケーションを取りながら、HPライティング、求人ページ、ホワイトペーパーなど幅広く対応できるのが強みです。採用を強化したい企業の方は、お話を伺ってみてはいかがでしょうか。

日英翻訳に強い宮崎のライター
堀美穂さま(ほりちゃん)

海外就労経験で培った英語力とフットワークの軽さが強みのライター・日英翻訳者の方です。タウン誌の取材記事からブックライティングまで幅広く手掛け、これまでに通算250本以上を納品。外国人のパートナーと暮らす多文化視点を活かし、読者を惹きつける文章を提供してくださいます。海外展開したい方にもオススメのライターです。

企業の財産をつくるライター
小山典子さま

企業の広報・採用活動を「コトバ」で支援するライター・編集者として、インタビュー記事やLP制作、会社案内コンテンツなどを幅広く担当。徹底したヒアリングで組織や人の魅力を丁寧に抽出し、読み手にわかりやすい情報へ落とし込むのが得意です。フォトグラファーやイラストレーターと連携するチーム体制も整え、企画から納品まで一貫して対応されています。

テクニカルライター
studioKOKSさま

工業高専卒の技術者×メディア記者として製造業や専門商社、メディアなど多様な現場を渡り歩いてきた経験を活かし、「正しく、よみやすく、わかりやすく」をコンセプトにしたテクニカルライティングを提供されています。求人記事や製品説明、導入事例の取材・執筆からアーティストインタビュー、公共事業紹介記事まで幅広く対応し、企業や法人が抱える情報発信の課題を的確にサポート。技術的な知見とメディア視点を両立させる文章設計が強みなので、専門性をわかりやすく届けたい方に最適です。

当日の振り返り

設営までに行ったこと

私は新潟(長岡)からの参加のため、7時すぎの新幹線で新宿へ。方向音痴なうえ、都内では Google マップが仕事しないことも多いので早めに出発したのですが、越後湯沢を過ぎてトンネルを抜けたら春でした。連日、大雪への警戒が叫ばれていたというのに、ユニクロの極暖が……暑い……!

都内のイベント会場って、入口がわかりにくいことも多いじゃないですか。なんとか目的のビルにはたどり着いたものの、「関係者以外入っちゃアカンよ」的な掲示。おそらくここしか入口はないはずだけど……と、5分ほどその近辺で右往左往しつつも、慣れた様子で入っていく方がいたので一緒に入らせていただきました。違う階の方でしたが、特に不審がられなかったので、問題なかったと信じたい……。

少し早めに到着したので、いそいそと設営していたら「逆だよね?」とツッコまれ、改めて動線に気づくくらいにはテンパっておりました。この緊張は、一日中ずっと続くことになります。暑い。

収容人数100〜150名の会場。開場して30分もしないうちに、参加者さんが途切れず賑わいました。

持っていったのは、チラシ100枚、A5を掲示できるスタンド、名刺、テーブルクロス、カエルのぬいぐるみ。

名刺は、瞬殺でした。「200枚用意しておいたほうがいい」と言われていたのに、残っていたのが30枚くらいだったらしく。ライターさんに挨拶して終わりだろうと思っていたら、参加者さんとも名刺交換させていただくことができ、ついには「名刺代わりに……」とチラシをお渡しするしかなくなってしまいました。200枚が多いと思うなら、100枚は必須ですね。電子名刺が流行っていますが、こういうときは紙が間違いありません。

チラシは Canva で作成し、上下3ミリの塗り足しを含めたJPG(216mm×303mm)を3倍サイズにして保存し、プリントパックの画像入稿を利用しました。この方法は初めてだったので心配はあったものの、すんなり工程が進んで問題なく使えるレベルのものをいただきました。プリントパックさん、いつもありがとうございます!

このチラシのスタンドがなくてですね……ダイソーのカタログスタンド A4 3段(550円)の評判はいいらしいのですが、売っておらず。Can★Do の NEW カタログスタンド A4(110円)はあとから知りました。やっぱり、立てておけると遠くからでも見てもらえるので便利です。他にも、目立つ工夫をされている方は多かったので、きっと出展された方のレポート記事で、次回開催に初参加したい方向けの知見が集まることでしょう……!

スタンドがないのでピクルスに持たせていたチラシと、全然役に立たなかったQRコード

ちなみにチラシは、5m離れていてもキャッチコピーが目に入ってくるのがわかりやすいと思っています。私は紙モノが得意というわけではないのですが、セミナーのスライドと似たようなものですよね。おかげで、AIを活用したライティングについて興味を持っていただけました。

それと、皆さんのチラシを見て、コレもっと知りたいなと思ったときに気づいたのですが……QRコードだけだと、パソコンで見たくても見られません/(^o^)\ そもそも、ブース巡りされている方は紙でチェックしながらまわっておられたので、アナログ最強ですね。検索キーワードを載せておくのは、まだまだ有効かもしれません。

早々に自分の価値に見切りをつけることにした

今回、どんな参加者さんが来られるのかはまったく想像できておらず、「ライターを求める企業の方が来られるんだろうな」という程度の浅い認識でした。実際、「ライターを求める企業の方」ではあったのですが、代理店や編集者、制作業者の方がほとんど……全員だったような??

私は他のライターさんとの差別化を狙って「AIを活用して効率的にライティングをおこない、改善しましょう」にしたのですが、盛大にコケました。コンテンツを育てる方法なので、とにかく量を増やしたい要望にはマッチしません。開始30分後には、一番の目的だった「ライターさん全員のことを知ってつながる」に振り切りました。

クライアントとペルソナの共通認識をつくるためのシンプルなプログラムを用意して、そのペルソナをAIで動かすためのプロトタイプをつくりました。興味を持たれたらご連絡ください。

自社のリソースを言語化して一緒に盛り上げてほしい企業さんが来られていたら、また違っていたのかもしれませんが、そういった企業にアプローチするのが代理店ですし、地方と違って直接商談するなんてことはないのでしょうね。中小企業なら直接取引したほうが、全力で応えられるライターさんがたくさんおられたので、もったいないなあ……と、無邪気に考えていました。つぶされてきたライターさんの話も伺うことができたのでなおさら……

それでも、しっかりと商談されているライターさんの姿を拝見できたことで、改めて「誰にどんな価値を、どのように届けるのか」という問いを突きつけられたイベントでもありました。

今回はライター業界でしたが、これは制作業者にもデザイナーにもフォトグラファーにもコンサルタントにも、「業界」と称されるものすべてに関わる話なんですよね。自分は何者かって話。おかげでアイデンティティが崩壊しかけ、数日間鬱状態になるほどに……。(夫には「なんかすごいところに行くといつもそうなるよね」と言われました)

なお、次の日にはライターさんからいただいた資料を拝見し、一人ひとりの紹介文をつくって送って了承いただいたものが冒頭の紹介文ですが、(スルーしてもらえれば何もしないつもりだったので)返信期限を短く設定したことで急かしてしまい、数字の間違いや転記ミスも多く、申し訳ないことをしてしまったと反省しています。それでも、快諾していただいた方、主催のトイアンナさん、ありがとうございました。皆さんのフットワークの軽さも、見習わせていただきます。

ビジネスライターなら、参加して損はありません

あとは、ブックライターの方からお話を伺えたことで、ずっと検討中だったクラリティの本をKindleで出してみてもいいなと思えました。これはMicrosoft社の機能追加状況を伺いつつ、6月までにはやれたらいいなあ。

次回以降も人気のイベントになることが想定されます。ビジネスライターといっても、本当にさまざまな方が出展されていたのでとても刺激的な一日でした。同業者の方々とつながれる機会も貴重だと思いますし、皆さんが配布されていたチラシには費用も掲載されているので、それらを知ることができる機会もなかなかないのでは……?

3月末で5年目を迎えるため、2月中にMVVを固め直そうとしていたところだったので、私自身「何をするか・しないか」を改めて深く深く考えさせられる、転換期を迎えるほどの機会となりました。

正直、私のような異物は、初開催ならではの手探り感のおかげで受け入れられたようなものです。今後の参加は見送りますが、きっとまた素敵なライターさんが集まることでしょう。寛大に迎えていただき、本当にありがとうございました。次回以降の盛会もお祈りしております。

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新潟&静岡 WordPress Meetup の開催レポート #wpmeetup https://clarity.kosgis.com/blog/wordpress-meetup-240610/ Tue, 11 Jun 2024 22:16:59 +0000 https://clarity.kosgis.com/?p=544

​2024年6月10日、新潟と静岡のWordPress Meetupを合同で開催し、WordPressサイトの静的化に関するハンズオンを行いました。今回の内容を機に、このサイトも「Staatic」を用いて、静的化してつくられています。]]>

はい、ごめんください。Microsoft Clarity(クラリティ)大好きコスギです。今日は WordPress のネタです。

WordPress は特定の企業がつくったものではなく、コミュニティでつくられているものです。そのコミュニティは世界中にあり、日本にも28のグループ(2024年6月現在)があります

このグループごとのコミュニティイベントを「WordPress Meetup」と呼んでいるのですが、割とノリで開催されることが多いのですよね。内容は、セミナーっぽい勉強会や手を動かしてみるハンズオン(ワークショップ)がほとんどですが、なんでも質問会やもくもく会、フォトウォークやみんなで美味しいものを食べるなど、多岐にわたります。だいたい誰かが「これやってみたいんだけど」と手を挙げて開催されます。

ちなみに私(コスギ)は新潟のオーガナイザー(世話人)でして、今回は静岡のオーガナイザーの遠藤さん(以下、たぬきさん)に「WordPress の静的化」をテーマにハンズオンをしてもらいました。

WordPress を静的化するのは難しくない

たぬきさん曰く、「別に大したことはしていない、プラグインを入れるだけだからカンタンだよ」とのこと。「その “カンタン” が知りたいんだよー!!」ってことで始まりました。思ったより人数が多かったので、自己紹介をチャットで送っていただいたのを読み上げて、ハンズオンスタート。スライドも参考にどうぞ(手を動かすまでのことは記載されています)。

https://www.docswell.com/s/tanuki-wp/Z38RQY-2024-06-10-150719

静的化するための流れとやったこと

具体的なことが一切わからなかったのですが、今回、やってみてよくわかりました!

STEP
公開用の環境とは別に、開発用の環境を作る

ローカル環境でも良いのですが、私はエックスサーバーにサブドメインを取って開発環境をつくりました。たぬきさんと同じ構成です。

STEP
開発用の環境に、WordPress を構築する

今回は、この Microsoft Clarity 研究所のブログを静的化してしまおうと思ったので、本番環境を All-in-One WP Migration and Backup で Dropbox にエクスポート(有償アドオン)し、開発用環境でインポートしました。

開発用環境には Basic 認証も設定してあります。IP制限もできるとベストですかね。

この時点で、公開環境のバックアップができていますが、同じサーバー内だとバックアップも消えてしまうので、Zip ファイルとしてダウンロードしておいたり、Dropbox や Google ドライブなど別の場所に保管しておくことを強くオススメします。何かあっても復旧できるようにしておくの、だいじ。

STEP
開発用の WordPress に Staatic をインストール

静的化用のプラグインにはいくつか種類がありますが、今回は Staatic を使いました。全部英語なので、日本人にとって心理的ハードルが高いかもしれませんが、そんなに難しくはないです。プラグインの検索で出てくるので、インストールして有効化しましょう。

https://ja.wordpress.org/plugins/staatic
STEP
Staatic で設定し、Publish(公開)

ここの設定を間違うと公開中の別のサイトに影響してしまうため、慎重に行ってください。怖かったら、関連サイトのバックアップを外部に持っておきましょう。私みたいになっちゃうよ!\(^o^)/

Staatic の Build で公開用のサイトのURLを設定
Build で公開URLを
Staatic の Deployment で公開先のルートディレクトリを設定
Deployment でディレクトリを
開発環境に Basic 認証をかけているので、Advanced の設定をしておく
適宜 Advanced 設定を

特に、Deployment Method で Local Directory を選ぶと、自分の契約しているレンタルサーバーに関連する箇所に影響するため、「Target Directory には公開先のルートディレクトリを設定する」と聞いてもわからない人は、わかる人に頼んだほうが良いでしょう。余談に記載しましたが、私はやらかしました/(^o^)\

設定が済んだら、「Publications」→[Publish now]で公開されます。確認のアラートは出ません。

STEP
公開環境がまるっと、静的化された WordPress に置き換わって公開完了

公開環境を確認すると、静的化されたサイトに置き換わっているはずです。ファイルマネージャーなどでも確認してみると、WordPress で使用するPHP類がないことがわかります。ただ、画像などは wp-content ディレクトリの中に入っているので、WordPress の管理機能だけを失ったサイトってことになります。

Deployment Method で 「Zipfile」を選ぶと、静的化されたサイトを ZIP ファイルとしてダウンロードできるので、公開する前に構成が気になる方は確認してみてください。

また、WordPress 側のパーマリンク設定によっては、URLが「/archive/?p=XXX」となっている場合もあるかと思います。その場合、HTML化したら(当然)動かないので、/archive/XXX/index.html というディレクトリ構造にすべて変わっています。内部リンクもそのようになるみたいですね。

静的化して、PSIは変わった?

PageSpeed Insights(PSI)で、ページの表示速度などをチェックできるのですが、ビフォーアフターはこんな感じです。デスクトップはもともと悪くないので、モバイルの方です。

ビフォー

アフター

その他の指標も改善していますが、特に Speed Index が大幅に改善しました!つまり、アクセスしたらすぐに表示されやすくなったってことですね。あとは画像、CSS、JavaScript を圧縮したりなどの改善が考えられますが、個人的にはこれで十分かなと思います。

静的化の際に気をつけること

PHP のできることと JavaScript のできることの違いがわかっていれば、静的化のための条件はだいたいわかると思います。つまり、PHP で動的に変更するコンテンツには注意が必要です。以下のようなものが要件に入っていたら要注意。

  • お問い合わせや資料請求などのフォーム
  • サイト内検索フォーム
  • ログインが必要な会員機能
  • 管理者のログイン状況で出し分けているコンテンツ
  • アクセスごとに変わるランダムコンテンツ
  • リアルタイムでPVランキングを出すコンテンツ
  • 定期的に裏で AJAX を読み込んでいるコンテンツ
  • GET パラメータを使ったパーマリンク(?p=XXX など)
  • PHP で稼働するリダイレクト など

これらはプラグインで対応していることが多いので、「静的化したらこのプラグイン機能、使えないじゃん!」ってことはよくあると思います。だから、ある程度想定していても、実際にやってみないとわからないことは多いのですよね。

こういった難しさ……というか、「見えないメンドクサさ」みたいなものはありますが、企業サイトやブログなどのシンプルな構成なら難しくはないだろうなという印象です。それどころか、条件が合うならやらない手はないかもしれないと思ったほど。

当然、なんでもかんでも静的化すれば良いというものでもありません。

WordPress 静的化のメリット・デメリット

表示速度向上のメリットは、上述のとおりとして。それ以外に私が感じた部分です。

メリット①:セキュリティ的に安心できる

WordPress を使い慣れていると、WordPress じゃなくてもいいサイトに WordPress を入れて、メンテナンスできずに放置し、いつの間にか乗っ取られている……みたいなことは少なくありません。

WordPress を使い続けるなら、WordPress そのもの(コア)や、プラグインやテーマの更新はもちろん、データベースやPHPも最新版に更新していくメンテナンスが必須なんですが、

  • デザインが崩れかねなくて、でもステージング環境を用意してメンテする予算もなくて……
  • 制作会社に作ってもらったけど、サブスクを継続する予算がなくなったから……

なんて理由で更新されない → 脆弱性を突かれてインシデントに、みたいなことは日常茶飯事です。こういう背景があるので「WordPress はセキュリティ的に問題があるから」と言われることが多いですが、世界中でたくさんの人に使われていて狙われやすいってだけなんですよ!(力説)

ですから、更新頻度が低くて危険にさらされるリスクが高いのなら、

静的化する → 公開サイトには WordPress の管理機能がなくなる → 悪さされない!

ということができます。もちろん、開発環境は外部から侵入されないローカル環境に置いたり、別の開発用環境のセキュリティは高めておく必要があります。セキュリティ管理の対象を集めておくと、管理しやすいのではないでしょうか。

メリット②:WordPress を静的サイト構築ツールとして使える

「更新情報は note と SNS でやってるから、存在証明としてのウェブサイトがほしい、更新はそんなにしない」というニーズは、結構あります。自前でブログを持つ前から発信している方に多い印象なので、特に最近は増えているのではないでしょうか。

公開サイトをメンテナンスする必要がないため、「更新する際にはお申し付けください」として、静的化したものだけを納品することもできますね。当然、説明と合意と契約を交わす必要があるので、静止画を納品したら「PSDの著作権もこっちにあるんでしょ?納品されないのはおかしい」と言われるような事案と同じ轍を踏まないようにしておきましょう。そもそも「更新頻度が低い」って、月1なんでしょうか?年1なんでしょうか?だいぶ違いますし、状況が変わることもありますもんね。

開発環境が離れていることで、オリジナルテーマ論争にも終止符を打てます。つまり、デザインを優先させたことでプラグインなどの更新を滞らせることになったとしても、公開環境は HTML や画像、CSSなどの静的化された環境ですから、更新せずに WordPress を使い続けることはできます。

制作方法が変わることでメンテナンス契約を見直すこともできますから、制作会社なら、このメリットは結構大きいのではないでしょうか。公開環境のメンテ工数と開発環境の保持工数のプランを出すのもアリですよね……まあ、オトナの事情って色々あるので……

デメリット:手放しで対応できるわけではない

プラグインを入れて設定して公開すれば静的化できてしまうため、やっていることは非常にシンプルです。ただ、設定を一歩間違うと、公開している他のサイトを書き換えてしまいかねません。そこで復旧できればまだしも、下手すりゃ損害賠償を求められる可能性はゼロではありません。

また、実際に静的化した際、プラグインが稼働しているかどうかをチェックする必要もあります。フォームなどを自前で持てないのもそうですし、開発者用ツールでネットワークを確認し、一定の間隔でPHPにアクセスするような機能も使えません。

静的化して得られる恩恵は大きいですが、必要な機能とのバランスを取る必要があります。PHPで動くツールを外部サービスに頼ってしまうのも、メンテナンスを軽減させるために良い方法だと思うのもひとつです。

なんでもかんでも静的化すれば良いというものでもないですが、静的化の手段を持っておくと、提案の幅が広がることは間違いないですね。

余談

実はやらかしてました

私は Meetup 中に、チャットを見ながらみなさんの反応を見つつ、実際にサブドメインを足したり、開発用環境をつくったり、プラグインを設定したりして、静的化の流れを一通りやってたんですよね。もちろん、バックアップも取って。

そこで何を思ったか「Target Directory」にこのブログではなく、もうひとつの公式サイト(会社用)のパスをいれてしまっていたんです。だから、「お、こっちのブログなら簡単に静的化できた!……けど、管理バーが表示されるのは、まだキャッシュが残っているせいかな?」と、楽観的に構えていました。

そして夕方、自分の会社サイトにアクセスしたら大惨事。ヒュッと血の気が引いて、レンタルサーバーのバックアップから復旧することにしました。前日、何もしてなくてよかった……。

慌てたせいで2回ほど「バックアップの取得」をしてしまっていましたが、「バックアップから復旧」することで事なきを得ました。当然、つくったサブドメイン用の環境は作り直しですが、データベースは残っていましたし、何よりこっちのブログは Migration で Dropbox にバックアップを取っていたのですぐに復旧できました。

そしてサクサクと開発用環境をつくりなおし、今度はパスを間違えることなく、無事に静的化できました。自分のサイトで失敗しておくのは経験になります……。バックアップは定期的に外部に持っておくのがオススメデスヨー

今回の Meetup は30分くらいではじまった

ちなみに、今回の新潟&静岡合同 WordPress Meetup は、こんなノリで始まりました。13:52に声をかけて、14:35にはイベント立ってます。

お互いにフッ軽すぎて「わたしたち、ひまじん……?」と思ってて、当初、「月曜日の午後だし、5人くらいくればいいほうだろう」と思っていたのに、フタを開けたら20人くらいの参加応募がありましてね。テーマが良いとこうなります。

たぬきさんに質問するとなんでも打ち返してくれるので、それも良いテンポで楽しかったです。やっぱり課題感を持っていた方が集まったおかげで、質問もポコポコ出ていたのもとても良き。たぬきだけに。

この日は金曜日から連続で各地域で開催されていたので、お近くの地域でもやっているかもしれません。オンラインでも開催しているので、まだ Meetup に参加したことのない方はぜひチェックしてみてください。@Toro_Unit さんが作ってくれた国内の WordPress Meetup 開催マップがすごくわかりやすいです!

WordPress Meetup Map
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初開催のQAアナリティクス会・参加レポート #QAAnalytics https://clarity.kosgis.com/blog/qa-analytics-meetup-vol1/ Thu, 23 May 2024 06:49:54 +0000 https://clarity.kosgis.com/?p=423

2024年5月23日に初開催されたQAアナリティクスミートアップの参加レポート。WordPressユーザーが集い、アクセス解析ツール「QAアナリティクス」の活用法やウェブサイト改善の課題を話し合いました。コミュニティって、やっぱりいいですね。]]>

はい、ごめんください。クラリティ大好きコスギです。

Microsoft Clarity セミナーの日中、QAアナリティクスミートアップ が開催されたので、新潟(長岡)から神戸にファシリテーターとして参加してきました。つまり、半分(以上)裏方です。そんな立場の振り返り記事。

そもそも「QAアナリティクス」って……?

要するに、WordPress 用のアクセス解析ツールです。このサイトを見ている方なら「アクセス解析……?」ってことはないと思いますが、ウェブサイトがうまくいってるかどうかを評価するツールですね。Google アナリティクスよりも使いやすい感じのやつ。

https://quarka.org

WordPress の公式プラグインディレクトリに登録されているため、「QAアナリティクス」と検索すると以下のように出てきますので、あとは[インストール]→[有効化]とポチポチするだけで導入できます。

QAアナリティクスのプラグイン画面

“カンタン” なアクセス解析ツールなんですが、説明文は Cookie 問題などを知っている方向けなので、ターゲットによってはちょっとわかりにくいかなという印象は拭えません。どこまで初心者向けにするのかは悩ましいところですが、個人的には、初心者向けに見せておいて上級者も納得のツール、みたいな出し方のほうがわかりやすいのではないかなあとは思います。ただ、これをやるとウェブリテラシーが低い方を相手にすることが増えてサポートが大変なのでバランスが大事ですねえ……。

ただ、うちのブログを読んでいるような方にはめっちゃオススメです。解析データを自社で持つ(ファーストパーティーデータ)ので、このあとの活用につながるんですよー

ちなみに以下から進んでもらったら、上限3,000PV が 5,000PV まで上がるフレンドライセンスで導入できます。「もう公式からQAアナリティクス入れちゃったよー」という方にも適用されるので、まだフレンド登録していない方はぜひ(/・ω・)/

Google アナリティクスと何が違うの?

今の Google アナリティクスといえば GA4 ですが、QAアナリティクスは、昔のユニバーサルアナリティクス(UA)に近いです。それ以外の違いとして、私が認識しているのは以下の4点。

  1. 解析データを Google ではなく、自社のウェブサーバーに持っている
  2. 数字だけでなく、ユーザーの行動が色でわかる(ヒートマップ)
  3. 数字だけでなく、ユーザーの行動を動画でリプレイできる
  4. 開発しているのが神戸住まいの日本人

つまり、UA と Clarity が連携されたようなツールです。サンクスページの閲覧などを目標に設定することもできますし。まあ、3つめまでは「ふーん、便利なんだな」という印象を持つことでしょう。

大きいのは4つめの「開発者が日本人」という点です。開発元は、神戸のウェブジョブズさん。つまり、ユーザーの細かい要望が届きやすいのです。QAアナリティクスはここに大きな可能性があります。

コミュニティであってセミナーにはしたくないという思い

開催前に打ち合わせランチ。ウェブジョブズさんはみんないい笑顔してるんですよね。ステキ。

ということでQAアナリティクスのミートアップは、ただのツール紹介イベントではなく「日本人がつくっている WordPress のプラグインだからこそ、一緒に解析を楽しんで役立つものにしていきたい」というコンセプトがあります。

ただし一般的なユーザーは、使い勝手が良ければ使うし、悪ければ使わないので「もっとココがこうなったらウレシイ」と声を上げる人はほとんどいません。WordPress のコミュニティで活動していると忘れがちですが、そもそも WordPress ユーザーは目的を持った建設的な対話に慣れている方が多いわけではない、という前提があるんですよね。だから基本姿勢が「情報収集」になりがち。目的がほんのりしているから、「勉強になった」で終わることも少なくありません。

普段からアクセス解析をしているような方は、アクセス解析が手段でしかないことを認識できています。目的はウェブサイトを通じたビジネスの改善だから。でも、こう考えている方は少数派です。「意外と、ホームページを改善したいと思っている方ってあまりいないのかも」とはウェブジョブズのコダマさんの弁。

それでも、今回の参加者さんからは「解析って手段でしかないのはわかってるんだけど、どうやって活かしたらいいのかはピンと来ていないから、それがツールを触るだけでわかるといいんだけどな」というニーズを強く感じられました。これは GA4 にも Clarity にも感じるものだと思います。

「ウェブサイトに訪問したユーザーの情報」に価値を感じられるかは、マーケットインの感性を持っているかどうかで決まるんじゃないかと、個人的には思います。プロダクトアウトは悪ではありませんが、バイアスにはなると考えています。ウェブコンサルティングをやっていると、こういったメンタルモデルへのアプローチをすることが多いのですが、技術課題の解決に追われてしまうこともよくある話で。

だからこそ目先の課題解決だけでなく、ユーザーの行動を見ることで、自分たちのマーケットをじっくり悩める時間がミートアップになってもいいんじゃないかなあ、とも思うのですよね。もちろん、「そんな悠長に考えてられない!」ということなら、自分たちでデータを見るより、プロにコンサルティングを依頼したほうが早いです。タイムイズマネー。マネーイズタイム。

とはいえ「ツールベンダーなんだから、サポートしてくれなきゃ困る」という思いを持つ方もいらっしゃると思います。そこをコミュニティ “だけ” で吸収するのは、私も少し違和感があるものの、基本は「WordPress を使うなら自己責任」論主義者なので、お互い対等な立場で建設的な対話ができればいいと思っています。あ、バグはすぐ調査してくれますよ。

「やっぱりこういう機能がほしいよね」と言語化できるようになれば、めっちゃいいツールになると思うんですよ。QAアナリティクスも、そういった場をつくろうとしているようですし、私はそこに共感してお手伝いしています。

実際どうだったの?

そもそもの対象者が「WordPressをお使いでウェブの活用に興味をお持ちの方」なので、「ウェブサイトの改善といっても、何をどうしたらいいのかわからない」「データをもっと活かしたい」といったニーズを持つ方々が集まりました。

車座になって自己紹介スタート

会場設営は椅子とテーブルを持ち込むところからだったので、ちょっと時間はかかりましたが……会場に入られた方は、前の方にテーブルが追いやられて、不格好な円形に並べられた椅子にギョッとしたのではないでしょうか。セミナー形式にしたくないという思いを、環境で表現した結果です。

私がオーガナイザーをつとめていたオフラインの Niigata WordPress Meetup ではたまにやっていた方式(下の写真)で、きれいなサークルに並べることで、対等な雰囲気をつくることができます。これを最初から聴講型(前を向いて数名ずつ座る感じ)に並べてしまうと、当然、気持ち的にも聴講するものだという意識が生まれます。そういうことは最初から書いておけって思いましたよね、すみません。

2019年に行っていたNiigata WordPress Meetup の一場面
こんな感じのきれいな車座になれるとベストだったんですけどね……?

最初は10名くらいかと思っていましたが実際には20名以上来られたので、2つの円に分かれて自己紹介をしあっていただきました。その後、くーすけ(QAアナリティクスのマスコットキャラクター)のぬいぐるみを投げながら質問しあっていただき、自己紹介タイムは終了。

なお、くーすけのぬいぐるみは一度も落とされることはなかった模様です。みんなありがとう。

運営課題のディスカッション

次に、1つのテーブルに4名程度座っていただき、それぞれのグループでディスカッションタイム。ウェブサイト運営で感じている課題について、自由に話していただきました。ウェブジョブズの皆さんには、それぞれのテーブルで参加者さんから出てきた話題を付箋に書いていき、あとでまとめる書記役になっていただきました。

私も書記役として入ったのですが、割とウェブの問題を解決する側の方が集まったこともあり、ウェブサイト以外の話に脱線していたこともあり(笑)、出てくる話題を片っ端から解決しつつ、話したいことを話していましたね。LINE公式アカウントとかどうなんだろうね?とか。

なお、私は突然のポンポンペインで若干離席してました……

QAアナリティクスの画面を見てみよう

先のディスカッションで得られた付箋をホワイトボードに貼って、出てきた課題から共通しそうなテーマで解析をしてもらおうかと思っていたんです。が、眺めてみたら内容があまりにもバラバラだったので、グループごとにQAアナリティクスをすでに導入している方の画面を見てもらったほうが良さそうだと判断。

ということで「トップページのデータを見て、改善案をみんなで出し合おう」というテーマで見ていただきました。

1つの画面を4人で見ているので、当初想定していたようなハンズオン形式にはなりませんでしたが、「これってどうなの?」「他に何が見れます?」と活発に質問が出されており、各テーブルのウェブジョブズの皆さんが答えるような感じになりました。私のテーブルにはちょうど中級者以上の方が集まっていたので、ディスカッションの続きをしつつでしたねー(腹痛が続いていたのでちゃんと聞けていなかったですゴメンナサイ)

そもそもネット回線が遅すぎてどうしようレベルだったので、ここはちょっと会場の再考は必要かもしれません。

振り返りタイム

各テーブルに再度くーすけのぬいぐるみを置き、話したら次の人にくーすけを回してもらいながら、今日の振り返りをしてもらいました。喋りながら両手でぬいぐるみを包み込む人、しっぽを持って振り回す人、ムニムニいじりながら話す人、などの個性が出るなあと思いながら眺めておりました。

ミートアップ全体を振り返ると、初回から伸びしろだらけですが、何かしら持ち帰っていただけたものがあったようなので一安心です。主催者側の「セミナーにはしたくない」という思いは尊重しながらも、それでもある程度のレクチャーの必要性は感じたので、今後も継続しながら模索できたら良いんじゃないかなと思っています。

めちゃくちゃレトロな喫茶店の外観なのに、ビールと唐揚げがウマいといわれたお店で懇親会

QAアナリティクスの今後

「やっぱりこういう機能がほしいよね」とみんなで言語化できるようになれば、めっちゃいいツールになる ―― それはそうだと思います。ただ、早い馬を追い求めても、自動車には敵いませんよね。QAアナリティクスは、この自動車になる可能性を秘めています。

QAアナリティクスで取得したデータはすべて、自分たちの管理しているウェブサーバーに入っています。このデータとAIを組み合わせたら、「アクセス解析データと会話できる未来」が実現するんです。つまり、わざわざデータを見て読み解く必要がなくなります。

それが、会場でちょろっとお知らせした「Brains」。ウェブサイトの規模やニーズに応じたAIが、アクセス解析データを分析してアドバイスしてくれる機能……って、すごくないです?めっちゃワクワクしますよね!!データを見ながらコンサルティングをしている私が、ずっと願っていた機能でした。ただでさえ、Microsoft Clarity の Copilot を ChatGPT に食わせたりしているくらいですし。

個人的には、マーケットインの認識を深めてくれる問いを出してくれるブレーンがいてくれると、アクセス解析データの活用をしやすくなるんじゃないかなあと思っています。結局、データを扱うのも人ですから。何より「なぜそのような情報を発信して、ユーザーを求めているのか」の答えは、提供側である人の中にしかありません

GA4 や Microsoft Clarity はベンダーが大きいので、提供される機能の意図などを読み取りながら扱うことができますが、QAアナリティクスはやっぱり、私たちで育てていける余地のあるツールだと思っています。

一緒に楽しみませんか?

とりあえず私としては、「みんなで画面を覗き込むのはしんどいから、QAアナリティクスの閲覧のみができるユーザー権限が欲しい」と伝えておきました。Google アナリティクスにも権限が細かくありましたし、これができれば各々の画面で好きなように確認できますから、ミートアップでも役立つだろうなって。次回が楽しみです!

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Microsoft Clarity(クラリティ)セミナーの登壇報告と質問回答 https://clarity.kosgis.com/blog/microsoft-clarity-seminar-report-and-qa-240517/ Mon, 20 May 2024 07:48:52 +0000 https://clarity.kosgis.com/?p=390

2024年5月17日に開催されたウェブ解析士協会近畿支部主催のMicrosoft Clarityセミナーの登壇報告です。参加者の反響やアンケート結果を共有し、セミナーで寄せられた質問への回答をまとめています。]]>

はい、ごめんください。クラリティ大好きコスギです。

去る2024年5月17日の19時より、ウェブ解析士協会 近畿支部さま主催のセミナーに登壇いたしました。金曜日とはいえ、平日にも関わらず60名以上のお申込みをいただき、中でもオフライン参加は25名と多く、そのまま懇親会へと流れる大盛況っぷり。ウェブ解析士の資格を持っていない一般の方も参加され、とても熱量が高かったことを付記しておきます。

今回はそのセミナーについての反響と、いただいた質問に対する回答をいたします。

ちなみに、会場に来られた方々は全員懇親会まで参加されるほどの熱量でした!

今回の Microsoft Clarity セミナーで大切にしていたこと

Microsoft Clarity の基本的な情報はお伝えしたので、手段と目的を履き違えないことにさえ気をつければ使いやすいツールです。そのため、なまじツールをいじっている人よりも、事業やユーザーのことしか見ていないお客様のほうが、活用しやすいツールかもしれませんね。

Microsoft Clarity を使えるように鳴ることが目的なのではなく、ユーザーに問題なく行動してもらうことでビジネスがうまくいくことが大切

施策検証に使うことはもちろん、「ユーザー動線の交通整理ができているかどうかを確認しましょう」とお伝えしました。(だからイラストは交通誘導マンにしてあるんですが……私の誘導マンの認識が甘すぎる気がする……)

私自身、昔はとにかく様々なセミナーに参加して知見を得ることが多かったのですが、今ではAIに聞けば何でも教えてくれますし、わかりにくいところも噛み砕いて説明してくれますので、情報を得られるだけのセミナーに参加することはなくなりました。ですから、私がセミナーに登壇する際には、一方的な知識の共有という形式はしていません。それをしていたら、AIに替えられるためです。

つまり、私が登壇する際にはワークやディスカッションを必ず取り入れています。オフラインのほうが間違いなく目の前に人がいるので考えやすいですし、オンラインでもチャットで考えを共有していただけるようにしています。特に今回、大阪会場では全員ペアをつくれたために、ディスカッションタイムではオンラインでチャット参加している方にフォーカスするように意識していました。

知るのとやるのとでは天地の差があるのだから、考えることを放棄しているレベルでは話になりません。なぜなら、技術課題よりも適応課題のほうが多いためです。以下は参考として共有したスライドですが、これは問題や課題に対して持っておくべき大前提だと、私は思っています。

技術課題と適応課題

ですから、隣の人と話したことや、チャットに入力したことは全部知識のアップデートをするための土台になります。正解はないからこそ、考えて行動して経験していかないと判断できないんですよね。早速、導入して分析して知見を得た方もいます。Microsoft Clarity を導入できるのなら、まずは楽しんでみてください。

アンケート結果(n=41)

アンケート結果:性別

解析系のセミナーはいつも男性が多いイメージですが、女性が半数近いのは意外でした。感性に合うツールなのかもしれませんね。

アンケート結果:年代

40代以上が80%以上を占めるのは高齢化の波を感じますが、セミナーで持ち帰ったものを企業に展開できるのもこの年代ならではなのかなとも思います。

アンケート結果:お仕事

企業:個人=6:4くらいの割合でした。今回は企業としても個人として考えることもできる内容でしたが、個人のほうがフットワーク軽く使えるのではないかと思います。

アンケート結果:ウェブ解析士

「一般は参加できないんですよね?」という反応も聞いていたのですが、1割以上の参加をいただきましたが……SNSマネージャーの皆さん説ある。

理解できた:4.5

楽しめた:4.6

役に立った:4.5

弊社カエルコムニスのセミナーは、及第点(平均値)を4点としています。今回はどれも4.5点(5点満点)を上回る評価をいただくことができました。そして「あなたにとって、全体的にいかがでしたか?(10点満点)」の有意義だったかどうかを問う設問は平均値 8.6点(中央値 10点)をいただき、参加者の皆さんそれぞれで得られたものはあったかと思います。

以下、いただいたご感想。

  • とても有用なセミナーでした。
  • 無料で完璧なものはなし。いまあるものを工夫して使う
  • わかりやすくClarityに興味を持ちました
  • 操作よりも、考え方から説明していだいて、期待以上でした。
  • 隣の人と意見交換できて有意義でした。
  • とりあえずちゃんと入れて見ることからはじめます…
  • クラリティは最近知ったばかりで、どう使っていくべきか迷っていたのですが、事例をあげていただいたので、イメージがつきやすくわかりやすかったです。ありがとうございました。
  • お客様のビジネスを成長させるために、事故が起きないようにすることが大前提という言葉がめちゃくちゃ沁みました。
  • 実際の使用方法を踏まえたご説明もあり、Clarityの使用方法が少しクリアになりました。ありがとうございました。
  • 今回のセミナーで、新しく出てくるツールに振り回されず、目的に適したツールをうまく使っていくことが大事だなあと感じました。
  • Clarity活用のコツだけでなく、LPのフレームワークや自己バイアスの危険性など、サイトを改善する上で大事な考え方を改めて見直せました。ありがとうございました。
  • 仮説を立てて何を見るか、バイアスを疑っているのかが特に印象的でした。実際に使いたおして、検証→改善をくり返したいと思えました。大変勉強になりました!
  • 日頃業務でヒートマップツールを使ってサイト改善を行なっておりましたが、クラリティでも十分分析できるなぁと感じました。
  • 単なる操作説明ではなく、ユーザー目線やツール導入の目的の重要性についてがとても腑に落ちました
  • 特にケーススタディが楽しかったです!
  • なんとなーくでClarityつかってましたが具体的な使い方が見えて面白かったです、Copilot使ってなかったので活用していきます。現地に行けなかったことが残念すぎました。みんな使ってるのに今までなかったテーマだったのでめちゃくちゃよかったです。企画していただきありがとうございました。小杉さん、ありがとうございました!
  • 参加が数十分遅れてしまったので4にしています これから資料を見直します 専門家がどう使っているか、最新事例の一部や本音?も知れてよかったです 説明がとてもわかりやすかったです
  • Clarityは初めてでしたが、楽しくわかりやすく解説してくださり、ありがとうございました。Clarity面白そう!と興味を持てました。クライアントさんのサイトに使うにはAIや個人情報保護の問題もありハードルが高いので、まずは自分自身のサイトで試してみたいと思います。GA4より視覚的な分、レコーディングなどリアリティがありすぎてドキドキしました。見ないデータを決めるのは大事というお言葉の意味がよくわかりました。

今回は Zoom をつなぎながら大阪会場で行ったものの、どちらから参加されたのかを伺う設問がなかったのは致命的でした……オフライン(会場)の方々のほうが盛り上がるのは当然なので、ディスカッションタイムは意図的に Zoom チャットの方々にフィードバックしていたんですが、どうだったかな。今度は項目忘れません……!

いただいた質問と回答

質問を6ついただいたので、お答えします。

領域ヒートマップについて、利活用方法をもう少し詳しく知りたい

クリックヒートマップとスクロールヒートマップはわかりやすいですが、領域(エリア)ヒートマップはちょっと扱いに迷いますよね。公式サイトの紹介が一番わかりやすいですよ。

https://clarity.microsoft.com/blog/introducing-area-maps-a-heatmap-to-see-which-elements-are-the-most-popular

モーダルウインドウでログイン(サインイン)を促した際、どれだけのユーザーがそれを使っているのかを確認することができます。もう少し細かく見ると、どの方法でサインインしたのかもわかります。

クリックヒートマップだとボタンの要素に対して計測されることがあり、ボタンに含まれるアイコンをクリックしたとかテキストをクリックしたとかまで詳しくなるのですが、「この要素がどれだけ使われているのか」を判断する際に有用ですね。

やはりクリックやタップを見ているので、インタラクションを含む特定のエリアを実装している場合に使える機能です。そのため、必要がないなら使わなくてもいいんですよ。

画面構成などがあまり使ったことがなく理解が少なかったので、その辺の時間を少し増やしてもらえると嬉しいです

こういったツールは、教えてもらうよりも自分で触っていただくことを推奨します。また、クラリティも少しずつメジャーになりつつあるので初心者向けのブログ記事も多いですし、今後は初心者向けのセミナーも開催されるでしょうから、そちらのアンテナも立ててみてください。ご自身で探そうと思えば、情報はいくらでもあります。

……というのは正論として。実際に動いているデモ画面をもっとお見せしたかったのですが、90分モリモリだったのでそこはご容赦ください。あとで動画で振り返っていただくことを想定していますし、むしろ、ご自身でできる方だろうなとお見受けします。というか、一緒にやれたら面白いんじゃないかなという印象もあったので個別にご相談いただいても良いですよ?

全体的に、Clarityの使い方、設定の仕方がわからないことが多く、もう少し初心者向けのセミナーもあると嬉しいです。

自分で調べようと思っても、どこからどう調べたらいいのかわからないから、一緒にやってほしいって方は少なくないですよね。ウェブ解析士関連の資格を持っているなら、これくらは設定できるようになっておきましょうよー……とは思うのですが、「コスギさんはスパルタだからね」と言われたことがあるので自重しておきます。

そのような方は「ちょっと復習がてら、クラリティの画面を触ってみる勉強会をしてほしいです」と、支部長に相談してほしいのです。オンラインでもやってくれると思いますよ。

もしそういったコミュニケーションも苦手で、触る前の導入からフォローが必要なら、弊社でお手伝いすることもできます。企業向けのワークショップもあるので、ご相談いただければ対応もいたします。設定した先のことも必要でしょうから、継続的にフォローしますよ。

このツールの肝はフィルター(誰がどんな目的で訪問しているか?)だと思っています。ここを詳しく知りたいです。

解析ツールを使い慣れている方の質問ですねー!(おそらく懇親会の対面で会話しましたよね……?)

フィルターに関しては以下の記事も参考にしていただきたいですが、もうそのまま「誰がどんな目的で訪問していますか?」と返したいです。それによって、見るポイント変わってきません?

https://clarity.kosgis.com/blog/microsoft-clarity-filters

基本は、現在感じている課題を元にユーザー行動の仮説を立てて検証するのが一番わかりやすいです。それが集客やコンバージョンなら、サーチコンソールやGA4のデータのほうが活用しやすいのですが、Microsoft Clarity はユーザーの行動分析ツールですから、ページの評価や回遊の課題からフィルターを導き出せるといいですよね。

サイトの目的がふんわりしていると、ユーザーへの興味も行動に対する解像度も低くなりますから、ツール以前の問題です。もしクライアントさんを支援する立場だとしたら、ここまでわかるのだということを一度体験してもらうと「え!?こんなことまでわかるの!?じゃあ……」と乗っていただきやすいので、一緒に目的→ゴール→現状→課題→目標→施策→検証……と深めていけたら良いのではないでしょうか。

施策実施時以外、どのくらいの頻度でどのようにクラリティをチェックしてますか?

セミナーでもお伝えしましたがクラリティは時間が溶けるツールなので、なるべく見ないようにはしています。ですので、施策検証以外で確認する場合は以下のとおりです。

  1. コンバージョンがあったとき(not EC)→ ユーザーIDでチェック
  2. 本家から新機能の情報が発表されたとき → 確認
  3. 毎週金曜日にクラリティのネタを探すとき → ついでに公式ドキュメントも

アクセスしたついでに、エラーページがないかもちょろっと確認することもあります。施策ほどではないけれど、ゴニョゴニョしていると意図せずできていることがあるんですよね……。

ちなみに、集客系の施策実施後は Looker Studio でサーチコンソールと連携したデータを見ており、ある程度アクセスが増えてからクラリティを見てテコ入れすることが多いです。

GAとの連携などききたかった。

先に公式ページをご紹介しておきますので、「GA4と連携する方法」の参考にしてください。

https://learn.microsoft.com/en-us/clarity/ga-integration/ga4-integration

これによってクラリティでGA4のデータの一部を確認できますが、クラリティのフィルターを適用できるものでもないため、個人的には使っていません。

UA時代には、GAで設定した目標をクラリティのフィルターに使えたのですが、GA4ではまだ対応していないんですよ/(^o^)\

つまり、シームレスに連携することは今(2024年5月)のところできません

もし連携するのであれば、ページのURLを合わせて見る、つまり重要なランディングページについて定量(GA4とサチコ)・定性(クラリティとアンケート)の分析を行うことから始めると良いのではないでしょうか。

まとめとゆるぼ

今回の Microsoft Clarity のセミナーでは、「初めて知ったのでこれから使ってみたい」「とりあえず入れていたけど理解が深まった」といった方が大半でした。無料で便利なツールだからこそ、リスクも把握したうえで使っていただきたいと願っています。リスクは以下でまとめていますので、参考にどうぞ。

https://clarity.kosgis.com/blog/microsoft-clarity-risks-and-remedies

企業でワークショップをしませんか?

「Microsoft Clarity を導入したけれど、どうやって使えばいいのかわからない」という組織の方向けに、ユーザー行動から30個くらいの改善課題を洗い出すワークショップ型研修をご提供できます。正式な内容は50万円以上を想定していますが、5名程度のチームを対象に5時間程度・15万円(+税・旅費交通費)で実施いたします。モニターとして先着2社のみ限定とさせていただきますので、興味を持たれた方はカジュアルにご相談ください。

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Microsoft Clarity ネタで登壇した WordCamp Kansai 2024 参加レポート #wckansai https://clarity.kosgis.com/blog/wordcamp-kansai-2024-report/ Tue, 27 Feb 2024 04:45:05 +0000 https://clarity.kosgis.com/?p=342

2024年に開催されたWordCamp Kansaiに参加し、登壇してきたレポートです。多くのセッションやワークショップを通じて、コミュニティの熱意と活気を実感し、今後のサイト運営に活かせる知見を得られました。]]>

はい、ごめんください。
クラリティが好きすぎて非公式エバンジェリストを名乗り始めたコスギです。

先日の2024年2月23・24日に開催された WordCamp Kansai 2024 で、「ユーザー行動の分析からサイトの改善ポイントを探ろう」というタイトルで登壇してきましたので、その振り返りと補足記事です。サブタイトルは「Microsoft Clarity なら、初心者もニッコリ☺」なのですが、とても便利なツールだからこそメリットとリスクはちゃんと知っておきましょうねという話。

スライドは以下です。動画ももう公開されています。はやっ!!(マイクが近くて声がデカイので音量注意)

文字ばかりのスライドなので補足

視覚的にわかりやすいヒートマップ

ブログやページに目次を入れることが一般的になりましたが、目次のどこがクリックされているのかなどもわかりますね。こういったヒートマップの全体像をAI(Copilot)がまとめてくれる機能もあります。

ただ個人的には、目的ありきの検証前提でツールを使っているので、Copilot のまとめを読んでも「まあ、それは見ればわかるんだけどさ」「改善施策はそっちじゃないんだよなあ……」という感想になることがほとんどなので、たまーにしか使いません。とはいえ人間の盲点があるので、参考にならないとまでは言わないです。

Microsoft Clarity のクリックヒートマップ事例とCopilotによる要約
たまーにズレていることもあります

ユーザー行動を追体験できるレコーディング機能

個人情報を取得しない状態での録画機能です。録画は長さがまちまちなので、10分を超えるような場合は Copilot を使うことが多いです。右上の[レコーディングを要約する]から複数のセッションを選択することもできるので、ここは使いやすくなってきた印象です。

以下のようにクリック数でソートすると、とんでもない量のクリック数の録画が出てくることがありますが、動きを見ると「文章を選択したり画面をカチカチしながら読むクセのあるユーザー」ということがわかるのですよね。こういう方は Know クエリで入って来た後にじっくりと読み進めるため、熱量の高いユーザー(ファン)になりやすいです。

Microsoft Clarity のレコーディング(録画)事例
右画面の下にある▼はクリックです

Microsoft Clarity のライブデモを見てみる

Microsoft Clarity の公式サイトに、[ライブデモを見る]ボタンがあるので、そこからすぐに確認できます。言語設定もできますが、英語でもそんなに難しくないですよ。日本語訳がビミョーで違和感が拭いきれなければ、英語で使うのもオススメです。「る」だけ改行しているとか、ちょっとね……

https://clarity.microsoft.com/

クエリの種類を調べてみる

ここは Know クエリと Buy クエリの話として、Google Search Console(サーチコンソール)を見ていただきたいところ。検索パフォーマンス → 検索結果の画面をスクロールすると、自分のサイトが検索結果としてどのように扱われているのかを確認できます。私は表示回数でソートし、クエリの検索順位とクリック数を確認しています。毎回確認するのがメンドクサイので Google Looker Studio(ルッカースタジオ)を使っているのですが。

Google サーチコンソールの画面

実際に行った施策の検証事例

実際に解析をすると30分くらいタラタラタラタラ喋っちゃったので、1.5倍速にしました。余計に何を喋ってるかわからないと思うので、要所要所で飛ばしながら見ていただけたら。気力があったら改善後の解析に差し替えます。

そして「こうすれば回遊が上がりそうだな」と、登壇2日前(2月22日)に回遊動線のリンクを1ページのみ設定してみた結果。

2023年2月18日〜21日(施策前4日間)のセッション別のページ数

Microsoft Clarity のダッシュボードで施策の検証事例(ビフォー)
セッション別のページ数は 1.79

直前の期間だけに絞ると、30日間の平均より値が高めだな……と一抹の不安を覚えつつ……

2023年2月22日〜24日(施策後4日間)のセッション別のページ数

Microsoft Clarity のダッシュボードで施策の検証事例(アフター)
セッション別のページ数は 1.74

減っとるやん/(^o^)\/(^o^)\/(^o^)\

脳内で盛大なツッコミをして、データがイイカンジになるところを見せたい衝動に駆られましたが、現実を受け止めることにします。とはいえ、セッション(=母数)が減ればそれ以外の指標の差異は大きくなりやすいので、定性的な情報も見てみましょう。

施策箇所をヒートマップで検証

ということで、設置したリンクがクリックされたかどうかを、クリックヒートマップで検証したところ……

Microsoft Clarity のクリックヒートマップによる施策の検証事例(アフター)
設置したリンクはちゃんとクリックされてた\(^o^)/

1ページのみの施策でも行動としての動作を確認でき、その録画でも閲覧者自身に関わるページを閲覧する(当初想定していた)動作も確認できたので、この施策を全ページに展開してから再度検証を行うことにします

そもそも4日間という誤差の大きい期間ということや、ページ下部でスクロールが必要な箇所の改善ということもあり、定量的には劇的に変化が見られるものではないと判断できるものの、定性的には効果がありそうと判断できるのが Microsoft Clarity のオモシロイところですね。だから大好きなんですよー

質疑応答の回答

登壇中にいただいたご質問をまとめました。たっぷり聞いてくれてええんやで。

①どれくらいのタイムスパンで解析を行えば良いですか?

身も蓋もない言い方ですが、解析頻度は目的によります毎日変動する数値を見ていくなら、毎日見たほうが良いですよね。施策が月1回なら、施策してから毎日14日間、週間、月間で変化を見る、などになるかなって。

目標に達するまでは毎日〜3日に1回など確認することを継続したほうが良いのですが、毎回レポーティングしているとメンd……大変なので、Looker Studio などで定点観測できるようにしておくことをオススメします。ちなみに、私はほとんど文章の入ったレポートを作成しなくなりました。誰も読まないですから。

ココだけ見ておけばいいよね、というKPI(うまくいっているかどうかを判断するための重要な指標)をあらかじめ設定しておくほうがずっと大切です。重要な指標が上がらなければ原因を探って改善する、とかのほうが動きやすいんですよ。それを毎日見ておけば「あれ?上がってこないな……」と気づけるじゃないですか。

②異常値をどのように考えたら良いですか?(追記あり)

異常値のほとんどはスパムです。まずはその前提から考えます。

  1. 参照元が Direct などで不明? → ほぼスパム(クラリティで bot アクセスを確認)
  2. 参照元が知らない企業? → リファラースパムの可能性大(検索して調べてみる)
  3. 参照元が Social などのSNS? → Yes の場合はサイト外でバズっている
  4. 参照元がビジネスツール系? → 企業内部で話題になっている

ということで、ほとんどがbot(スパム)アクセスと判断できると思いましたが、後ほど詳しい話をお伺いできたので、考え方として重要なところだけ共有します。

ということで「異常値があっても実際に売れているから、どう考えたら良いのかわからない」というご質問でした。つまり「おそらくSNSでバズっているのに、再現性がなくもどかしい」という話。なにこのうれしい悲鳴。

これはダークソーシャルがらみですね。LINEグループなど、解析ツールでは把握できないSNS上のコミュニティがあります。そこで拡散されると、異常値になることがあります。今回はそのタイプだろうなって。「ダークソーシャル」で検索すると色々と出てきますが、参考までに以下をどうぞ。

https://markezine.jp/article/detail/33761

それこそ、このタイミングで購入した方向けに、(スライドの4象限で示した)アンケートなどのユーザーインタビューを使って検証するのもオススメです。ただアンケートを送るのではなく、ダークソーシャル内の検証を考えたものにすれば、再現性も見えてくるのでは。業種によってはダークソーシャルでのシェアがかなり多いこともありますしね。

もちろん、なぜ「ダーク」なのかを想定した検証が大切です。彼らにとって心理的安心感のあるところに企業都合の光を照らすことは、ブランド毀損にもなりかねないので注意が必要です。

③個人情報を個別にマスクする方法はありますか?

あります!以下の記事の「あやしい箇所は手動でマスク設定しておく」から紹介しています。

https://clarity.kosgis.com/blog/microsoft-clarity-risks-and-remedies/#index_id7

逆に、マスクしない方法もあります。たとえば、「この記事、いつ更新したんだっけ?そうそう更新日を確認すれば……マスクされてるー!/(^o^)\」ってときに活用できます。タイトルなど、個人情報が関わらない箇所で更新が想定されるような場合は、マスクを解除しておくと分析しやすいですね。

Microsoft Clarityでマスクをしない場合の事例
マスクオフを設定するとこんな感じになります

ご参加いただいた方の声

https://twitter.com/r360studio/status/1761313155861430738
https://twitter.com/yoko_eri/status/1761306313282470096
https://twitter.com/masaki_horii/status/1761560025393402308

ポストありがとうございましたー!!
実際の業務に取り入れたいなと思った時、導入してあるんだけどうすれば?と行き詰まった時に、いつでもお声がけください(/・ω・)/(ウェブのお仕事もちゃんとやっていますYO)

登壇にあたっての余談

娘が撮ってくれた写真。最前列まで満席でした!多謝!!

WordCamp に登壇できるのは、審査があるためかなり貴重なのですが、このような機会をいただけてウレシかったです。そして何より、「やっぱり目的大事だよね」というフィードバックが多かったことに感動しました。今もじんわりと心があったかくなるくらい。

数年前に東京で登壇した際に「目的や戦略はいいから解析の手法が見たかった」というフィードバックをいくつかいただいたんです。それがずっと胸にチクチクと刺さり続けていて、「WordPress 界隈の方々、手段が目的化しているのはもったいないなあ……」「でも、求められるのは手法の方なんだろうなあ……」とモヤモヤした思いを抱えていたんですよね。またこのフィードバックが来るかと思うと、正直、怖かったんです。

それでも、Microsoft Clarity は個人情報が隣り合わせのツールでもあるため、私も自戒を重ねていたからこそ、今回はちゃんと伝えておかなければならないと考えました。これでも「目的は別にいらんから手法を詳しく」と言われたとしても「そんな状態でユーザー行動分析できるとお思いか?あなたはともかく、訪問者の個人情報に興味がないまま、今後やっていくおつもりか?」と前のめりのスタンスになりました。

これはスライド作成にあたって、リスクに関する記事を書けたことが大きいです。登壇は人を成長させますね。とはいえ、まだ私も十分理解していませんから、私より危機感がないのはマズイんじゃないかって。だから「Microsoft Clarity は便利で面白そうだけど怖い」という感覚を持っていただけたのなら、役割を果たせたかなと思います。

それと、私は「GA4は嫌い」を連呼しています。面倒くさいし、難しいし。世の中には必要性もわからずに「嫌いだから使いたくない」と言えない人のほうが多い印象なので、私のように「嫌い」って言えたらいいんじゃないかと思っていて。解析は役に立つけれど、戦略や目的がハッキリしておらず、検証の必要性がないなら解析ツールなんて不要なんですよ。訪問者の情報を持っているのなんて、リスクでしょ。

私は、必要だから使っています。定性分析するにしても、定量分析でわかることはたくさんありますし。ただ、極力触りたくないので Looker Studio を使っています。GA4を見る必要があるときは、得意な人に相談します。嫌いでも、やらなきゃならないときはやります。オトナなので。

あとは自分のサービスに関する事例を提供できるようになったことは、東京のときよりも大きく変わったなって。事例ですから、具体的なサービス内容はわからなくても、「自分たちだったら、ここをどう考えようかな」と思考プロセスから理解しやすくなったのではないかと思います。

動いているところをお見せできなかったのは心苦しいですが、公式サイトにはデモが用意されているので、興味がなくても触るだけ触ってみることをオススメします。嫌いでも、やらなきゃならないときはやらなきゃね。Microsoft Clarity の魅力に関しては一晩中語れるので、社内セミナーや勉強会があれば呼んでくだされ。

https://clarity.microsoft.com/
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Microsoft Edge と Bing と Clarity を もっと使おう! Microsoft 広告セミナーレポート https://clarity.kosgis.com/blog/microsoft-seminar-report-230417/ Tue, 18 Apr 2023 08:09:06 +0000 https://clarity.kosgis.com/?p=16

Microsoft広告セミナーへの参加レポート。Microsoft Clarity に関する日本で最初のセミナーでした。]]>

ごめんください。クラリティだいすきコスギです。

今回は「一般社団法人 日本アフィリエイト協議会(JAO)」さん主催の「Microsoft 広告セミナー~Bing、Clarityの最新情報~」に参加してきましたので、その内容をご紹介します。久しぶりのリアル参加だったのですが、同じセミナーを聴講するのでも熱量が違いますね。おかげで、このブログを立ち上げることもできました。良い機会でした。

なぜ今、Microsoft 広告なのか?

今回のセミナーは「Microsoft 広告」と銘打っていますが、テクニカルな広告の話よりは、Microsoft さんの戦略が垣間見える内容でした。

まず、Google さんが強すぎるという問題!(ドーン)

Google さんは2024年にサードパーティークッキーを廃止する予定ですが、すでに Safari と Edge はサードパーティークッキーを使えません。これは、第三者のデータを収集してビジネスをしている Google さんにとって致命的な問題です。だから延期してるわけなんですが。

しかし、Microsoft さんは Windows や Office などのアプリからのファーストパーティーデータを持っています。ここが強み。そのため、2024年には大きな変革があると予想されます。この頃になれば、Microsoft さんのファーストパーティーデータとAI技術を組み合わせて、オーディエンスインテリジェンス(仮?)を利用できるようになります。楽しみですね。

そしてもうひとつ。ChatGPT を始めとしたチャットツールの普及によって、検索が減少することが予想されています。後述しますが、ユーザーの検索体験が過渡期を迎えた先をすでに Microsoft さんは見据えているってことですね。

Bing の歴史と検索シェアの推移

Bing は2009年にローンチされ、当初は米国 Yahoo 社の検索エンジンでしたが、2015年から日本市場での拡大を開始し、全世界で利用できる検索エンジンになりました。今ではAI技術を活用して高品質な日本語のウェブ検索を実現しています。すでにBing AIを使ったことがある方もいらっしゃるのでは。

つまり、Google アルゴリズムは日本の Yahoo 社でも採用されていますが、Bing のアルゴリズムとは違うということです。Q&Aでも Bing のSEOは何をすればよいのかと質問がありましたが、「特になにもない、ちゃんとユーザーのことを大切にした安心で安全なコンテンツを作るのが一番」とのことでした。方向性は Google さんと同じですね。特に「安全性」を強調していた印象です。

Bing の検索シェアは2015年に4%でしたが、2022年には16%に増加しています。これは、Windows と Edge ユーザーの拡大戦略によるもののようです。Windows はワークデイ コンシューマー(仕事と生活の境界が曖昧になった消費者)の増加に伴い、IE から Edge への移行が進み、Bing ユーザーが急増していったようです。

参考までに、某サイト(IT業界)の Edge ユーザーの推移はこんな感じです。上が全体、下がEdge。絶対数はまだ少ないものの、Edge 利用者は明らかに増えています

2019年4月から2023年3月の全体セッション
2019年4月から2023年3月の Edge セッション

なお、Microsoft Bing と Microsoft Edge の検索トレンドはこちら↓。今回のセミナーの内容を裏づけています。最近になってBing が跳ね上がったのは、AIのためですね。

Edge と Bing の新機能

Edge のショッピングタブがヤバイ!

そんなわけで、Microsoft さんとしてはあの手この手で Edge を使ってもらえるようにさまざまな機能をブラウザに入れています。

まずはショッピング体験の改善。ブラウザ上ですぐにショッピングできるのですが、何よりも、Amazon などで商品を表示した時に表示される、インパクト。Amazon で使えるクーポンがずらり……!!Windows はもちろん、Mac でも使えるので、まだ Edge を使ったことない方はダウンロードして使ってみることをオススメします。

シャルトリューズはフランスの薬草酒です。草原の香りがしておいしいですよ。

また、価格履歴や小売業者との比較がデフォルト機能で行われます。商品価格の追跡を行っていなかったので、データが溜まるのを待つ必要があるのかなと思いましたが、消耗品などは良さそう。超個人的には、Chrome 拡張の Keepa が重宝しているので、これと同等の機能にならないと価格の履歴機能は使わないかもというのが本音です。

Bing でポイ活できる!

2022年7月から始まった Microsoft Rewards は、知っている人が少ないかも。検索するだけで1日最大12ポイントもらえて、買い物をしてもゲームしてもポイントがもらえます。ちょっと知識確認のゲームしただけで30ポイントもらえるので、空き時間にやるのはオススメなのでは。

だいたい、10,000ポイント1,000円くらいの想定でしたが、アマギフなら5,250ポイントで600円とかもありました(タイミングによって変動すると思います)。

新しい Bing 、実はプレビュー版

新しい Bing には ChatGPT が用いられ、チャットによる質問に回答します。「検索用にカスタマイズされたGPT-4」とも言えます。

ChatGPTは2021年9月までのデータを参照していますが、Bing チャットは最新情報を検索して取り込んでいるため、分単位で変化していくデータを使えるのは大きな違いですね。中身は ChatGPT ですから、ビジネスのアイデア出しなどにも活用できます。

2月頃?のデータでは、世界で約100万ユーザーが利用していますが、そのうち日本のユーザーが1割(約10万ユーザー)を占めており、とても多く、一人あたりの検索数でも日本がトップなのだそうです。

ただし、実はまだプレビューとして実験的に出している段階なんですって。Bing チャットの性能は ChatGPT と同等です。たとえば、落合さんが ChatGPT で遊んでいるこの動画を、要約してもらいましょう。

小学生が楽しく理解できるように、この動画の内容を説明してください:https://www.youtube.com/watch?v=xIiN-1suSW0と、Bing チャットに伝えると、こんな回答が出てきます。

小学生のみなさんもわかりやすい、落合さんのお話

ただこの命令は「検索」というゆらぎがあるので、検索結果に表示されていないものはうまくいきません。たとえば、Microsoft Clarity を解説した Microsoft さん公式の動画でやってみても、こんな感じに回答をもらえません。

直接アクセスしているわけではないので、医療系の動画が参照されてしまうようです

まだまだ改善の余地があるために「プレビュー版」なのだそうです。フィードバックを送っておきましょう。なお、ブレストしたい場合は「独創性」、正確な情報がほしいときは「厳密さ」、迷ったら「バランス」を選ぶと良いそうです。さきほどの動画要約の命令を「独創性」でやったらこうなりました↓

内容がよりわかりやすくなっていますね

これは個人的に ChatGPT を遊びまくっての体感値だと思っていたのですが、AIが返すものは統計的な中央値であって、正答ではありません。やっぱりそうなんだなあと、実際に Bing を支えている側から仰っていただいたのは感慨深かったです。そして「真善美を判断できない」という言葉は結構大きく、ここが人間の発揮できるところなんだろうなと再確認しました。

また、ChatGPT もそうですが、AIは確率論にも関わらず断定口調なので、「間違ったことを断言されると、あたかも正しいことに思えてしまう」というハルシネーション(幻覚)が起きやすいんですよね。「ここは我々も検討しなければならないところ」と仰っていたのも印象的でした。

SEOへの影響

新しい Bing によるSEOへの影響は、基本的に変わっていないというのが公式回答です(2023年4月現在)。変更があった場合は公式ブログでお知らせされます。また、従来はクローラーがウェブサイトを回っていましたが、IndexNow機能ではクローラーを呼ぶことができます。これにより、Bing はもちろん、Yandex などの検索エンジンにも対応したサイトのインデックスが容易になりました。

……というか、Bing ウェブマスターツールを使っていればすでに使える機能なので、まだ Bing ウェブマスターツールに登録していない方は、今のうちにやっておきましょう。Google サーチコンソールのデータをインポートできるので手軽ですよ(経験者)。データが溜まるまでしばらくかかるので、早めに設定しておくことをオススメします……_(꒪ཀ꒪」∠)_

イチオシの行動分析ツール「Microsoft Clarity(クラリティ)」

個人的に一番楽しみにしていたのがこの Clarity セミナー!最近はサチコ(Google サーチコンソール)とクラちゃん(Clarity)しか見ていないくらいには、大好きな解析ツールです。

どれくらい好きかというと、WordPress で超使い勝手の良い大好きなテーマ「SWELL」のコミュニティでテーマに機能を追加してもらうくらいには大好きです。SWELL 使ってたらクラリティ入れとくといいですよ。自動でコンテンツ分析されますんで。

普段からテンション高め

そしてスピーカーの中島さんから「基本的なことなんですが」と前置きされた内容で、クラリティの推しポイントをたっぷり語っていただきました。たしかにドキュメントを読めば理解できる内容なんですが、熱量をもって伺うことができたのは何よりも貴重でした。そもそも、クラリティについて日本でこうやってセミナーをしてもらったの初っぽいです。ということで、ご紹介。

Microsoft Clarity は、ユーザーの行動を探る定性分析ツール

Microsoft Clarity は、ホームページに訪れたユーザーの行動を分析し、UX改善(ユーザーがつまづいた部分を改善したり、見て欲しいところを改善したり)に役立てることができるツールです。Google アナリティクスなどの量的データと合わせ、クラリティで得られた質的データを組み合わせて活用することで、より効果的な分析が可能になります。

  • 量的データ:WHAT(何が起こっていたか、数えられるデータ)
    = トラフィック解析:全体像の把握
  • 質的データ:WHY(事象の背後のある理由を説明するデータ)
    = 行動分析:ユーザーの意図の把握

ウェブ解析をしようとすると、量的データ(数字など)しか見ていないことが多いです。アクセス数がどうだったとか、レビューの点数がどうだったとか。ですが、同時に質的データ(その内容)を見ることで、何が起きているのかがわかります。

マクロの視点で仮説を絞り込んで、ミクロの視点で理由を探ると、改善しやすくなります。つまり、Google アナリティクスと Microsoft クラリティは両方使ったほうがベストです。……個人的には、GA4から脱したいのですが……。

Microsoft Clarityの主な機能

「行動分析を民主化する」というミッションを掲げているクラリティは非常にシンプルかつパワフルな機能があります。ユーザーの行動から得られる情報は、数字ではわからないユーザー行動改善の刺激をもらえるので、表面化されていなかった課題に気づかせてくれますよ(/・ω・)/

1. セッション録画で全部わかっちゃう!

ユーザーの行動を動画で観察し、問題の原因を特定することができます。この録画の内容をレポーティングするのが難しかったので、中の人(中島さん)に「どうやってレポーティングしていますか?」と尋ねたところ、「動いているのを見せるのが一番ですね」的な回答をいただいたので、レポーティングはあきらめました😂

  • 問題が見られる時の「なぜ」を理解する
  • うまく機能しているか、苦戦しているのはどこか
  • CTAに行くまでの分析が可能

……と思いきや、この記事を書いている最中に Copilot(コパイロット)機能が有効になったようで、動画の解説を文字で出力してくれるようになっていました。

https://twitter.com/mekemoke/status/1648221589572567041

日本語だとこんな感じです(以下のデータについて)

  • ユーザーはストレングスファインダー®テストとウェブサイトが提供するコーチングサービスに興味がありました。
  • ユーザーはGoogleでウェブサイトを検索し、ギャラップウェブサイトにサインイン(ログイン)する方法とテストの流れについての2つの異なるページをクリックしました。
  • ユーザーはサインインの問題についてのページよりもテストの流れについてのページにより長く滞在しました。これは、テスト自体についての興味が技術的な問題よりも高かったことを示唆しています。
  • ユーザーはテストの流れについてのページを訪れた後、サインインの問題についてのページに戻りました。これは、ギャラップウェブサイトにアクセスする際に何らかの困難や混乱に遭遇した可能性があることを示しています。
  • ユーザーはウェブサイト上の他のリンクやページをクリックしませんでした。これは、必要な情報を見つけたか、あるいは何らかの理由でウェブサイトを離れることに決めたことを意味しています。

2. ヒートマップで視覚的にわかりやすい!

クリックヒートマップ
スクロールヒートマップ

セッションを集約して、温度変化のように直感的にわかりやすく把握できる機能です。どこがクリックされたかがわかる「クリックヒートマップ」や、どこまでスクロールされているのかがわかる「スクロールヒートマップ」などがあります。
※スクロールヒートマップの例がダメすぎですな……ページ開いたばかりなので、真っ赤なのは当たり前です……。

  • 広告の配置の最適化
  • 離脱しやすいエリアを特定
  • 関係者に影響を示しやすい

3. ダッシュボード&指標でかゆいところに手が届く!

UX指標(Rage クリックや Dead クリックなど)を用いて、サイトの問題点を特定できます。

  • サイトのどこに問題があったのかのアタリをつけられる
  • Rage クリック(イライラクリック):同じところを何度もクリックしている状況です。「拡大を期待してクリックした画像が拡大されず、なにも起きなかった時」などがよくあります。他にも、フォームの入力欄の変なところをクリックしているなどもあります。
  • Dead クリック:テキストや画像など、クリックを期待していない箇所をクリックしている状況です。テキストのコピーをするためにクリックしたり、長文を読むためにクリックして読んでいたりする方も多いようです。また、目次のクリックも Dead クリックになるようです。これはまあ、しょうがないですね。

他にも、「クイック バック(本当の直帰)」や「過剰なスクロール」など、いろいろな指標を確認できます(/・ω・)/

Microsoft Clarity のメリット

  1. 無料:しかも複数サイトに利用可能
  2. 軽量:サイトパフォーマンスへの影響が最小限
  3. GDPR&CCPAに準拠
  4. スケーラビリティ:大量データとユーザーに対応
  5. プライバシー保護と機密データをマスキング
  6. オープンソース構築:Githubでの閲覧、学習、貢献が可能
  7. 簡単な設定:サードパーティープラットフォームで導入可

Microsoft Clarity の活用法(ざっくり)

  • サイト管理者:ユーザーは適切なCTAに注意を払っている?
  • マーケター:CVがある訪問者は何が違う?
  • PM(プロダクトマネージャー):この機能はリリースに値する?
  • コンテンツクリエイター:ブログに興味を持っている?
  • デザイナー:ユーザーが興味のあるないセクションは?
  • エンジニア:このバグ/エラーの影響は?

Microsoft Clarity で分析する流れ

  1. 分析の目的と対象となる指標やKPIを決める
  2. 分析が必要なページ(LP、サインアップフローなど)を特定
  3. クリック&スクロールのヒートマップを用いてユーザー行動を全体的に理解
    • RageやDeadが含まれるセッションを調べる
    • 比較モードでA/Bテストとの違いを確認する
  4. クリックされた領域からセッション録画に移る
  5. フィルターを利用して、興味深いセッションを絞り込む

特に用意されているフィルターが本当にわかりやすく、設定しておけば「コンテンツの分析情報」や「最も閲覧数が多い製品」が自動で抽出して閲覧しやすくなります。

日本語はちょっとわかりにくいですが…
商品の閲覧数ごとにヒートマップや録画を確認できます

まとめ

ということで、Bingの検索シェアの増加(これは本当に伸びていることを実感)や新機能、貴重な Microsoft Clarity の話など、今後もワクワクする情報が盛りだくさんでした。

ということで、

  • Edge は遊んでおこう!
  • Bing も遊んでおこう!
  • Clarity は入れておこう!

の3つです(/・ω・)/

なお、今回主催された一般社団法人 日本アフィリエイト協議会(JAO)の代表理事である笠井さんから、アフィリエイト業界の話についても冒頭にされていました。私はこれまでアフィリエイトを支援する?ちょっと中途半端なポジションだったので、改めて今回、イチブロガーの立場から参加したのですが、かなり興味深かったです。

特に、月3万円以上稼げている方は少しずつ伸びています(今では1割弱)が、月1,000円未満が7割。でもアフィリエイトにかける時間も手間も違うというのも興味深かったですね。今後AIも台頭してきますが、Google さんの「E-E-A-T」の考えに則れば「信頼のおける経験」が重宝されると考えられます。

そのため、今回のようなリアルセミナーに参加する機会はどんどん活かしていきたいと思う次第です。

どこかで会ったら、気軽にお声がけください(/・ω・)/

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