私(コスギ)は、「ホームページをつくったあと、それがちゃんと機能しているかどうかを評価して、もっと良いものにしていけるといいんじゃないか」と常々思っています。企業なら、自社サイトが売上やブランドに直結しやすいですから、なおさらでしょう。
そこで、一般的なアクセス解析よりわかりやすいツール Microsoft Clarity(クラリティ)を活用して、自社サイトを改善するための研修を行っています。
- Microsoft Clarity(クラリティ)の使い方がわかるようになる
- Microsoft Clarity(クラリティ)を活用して自社サイトを改善できるようになる
- 自社サイトの改善を通してチーム力が高まる
といったことを期待できます。講師はもちろん、Microsoft Clarity(クラリティ)が大好きなコスギです。セミナーに関するスタンスや評価は、セミナーレポートの記事一覧も参考にしてください。
Microsoft Clarity(クラリティ)研修のねらい
Microsoft Clarity(クラリティ)の使い方を学びながら、実際に自社サイトの分析と改善を進めるワークショップ(WS)形式の研修です。3回の継続を想定しており、研修内容にはそれぞれ意図があります。
本研修が3回の継続ワークショップ(WS)である理由
研修の効果を一過性で終わらせないことを、ねらいのひとつとしています。
全員が能動的に参加できるから
聴講中心の座学なら、動画を見れば良いだけです。個人の集まりではなく、チームとして課題解決を進める仕組みとしてのワークショップです。
“知る” のと “やる” のでは学びの量も質も違うから
知識を仕入れただけでは使えません。実際に脳と手を動かすことで点と点が線になり、“知る” が “わかる” に変わります。
関わりを通じた経験と成果を大切にしたいから
人は、関わりのない物事に興味を持ちません。自社サイトを通じて自分たちで課題を出すことで自分ごとになり、チーム力の向上にもつながります。
継続ワークショップ後を見据えた、本研修のポイント
研修が終わったあとも社内で自走できるよう、3つのポイントがあります。
担当者以外のメンバーも一緒にツールを確認します
担当者だけでなく、チームの視点を活かします。これによって、WSが終わったあともチームでツールを活用するイメージがつきます。
ユーザーの行動を自分ごとにして解析します
事前課題によって、ユーザーの行動を自分ごととして捉えられるようになり、WSが終わったあとも興味を持って解析できるようになります。
効果を検証するために課題の優先順位をつけます
施策を具体的に実施して検証し、改善するためのサイクルを見据え、課題の扱い方を重視しています。
アクセス解析ツールを難しく感じてしまう理由
数値に苦手意識がある方は少なくない
アクセス解析ツールとして、Google アナリティクス(GA4)を導入している自社サイトは少なくないと思います。ですが、使いこなせている方は本当に一握り……というか、プロでも戸惑うことの多いツールなので、実際、かなり難しいものです。私は GA4 が好きではないので、使わなくて良いなら使いたくありません。
この画像は、弊社サイトにアクセスしてきた人の1ヶ月の推移ですが、折れ線グラフを見て「増えてるっぽい」くらいはわかるかもしれません。ですが、それ以上何をしたら良いのかわからないのですよね。
そもそも、数値に対して直感的に興味を持てないというのは大きいでしょう。
- データを見ても、良し悪しをどう評価したらいいのかわからない
- 「私は数字に弱い」という固定観念があって、アクセス解析に苦手意識がある
- 普段の業務で使っていない専門用語が多く、何を示しているのか理解できない
……まあ、「数字を見たって、わからんもんはわからん」ってのがホンネではないでしょうか。
色や録画で直感的にわかると興味が持てる
この画像は、トップページに来てくれた人が、どれだけスクロールして見ているのかを色で示した「スクロールヒートマップ」です。
天気予報で各地の気温を色で示すように、よく見られているところは赤やオレンジになり、そうでなければ緑や青になります。つまりこの画像を見るだけでも、トップページなのにほとんどスクロールされていないことがわかります。
すると「え!なんで!?どういうこと!?」と驚くのではないでしょうか。これが、Microsoft Clarity(クラリティ)の面白さです。
研修前の事前課題で効果を上げる
「Microsoft Clarity(クラリティ)を使えば、そこまで難しくはなさそう!じゃあ早速解析してみよう!」と、ツールを使おうと思っても、実際には、何をどう見たら良いのかわからなくなります。
そもそも研修の目的は、Microsoft Clarity(クラリティ)の機能を知ることではなく、自社サイトの改善ですから、自社サイトがどんな目的で誰のために存在するのかを知らなければ始まりません。それ以前に、自社サイトに興味を持っている人はどれだけいるのでしょうか。
- 日常業務で自社サイトを見ることがないため、存在を認識していない
- 自社サイトの存在は知っているものの、その目的などを考えたことがない
- 自社サイトの運営に関わっていないため、興味がない
業務として自社サイトに関わっている担当者でなければ、社長すらこの程度のモチベーションかもしれないのです。スタッフが興味を持っていないホームページなのに、お客様には興味を持ってほしいというのは、ちょっとどうかと思いませんか。
これは、今までの体制の良し悪し以前に、「わからないことがわからない」んですよね。そのため、事前課題では企業として言語化しておいていただきたいことと、スタッフとして自分ごと化するために考えておいていただきたいことをお願いしています。
「うちは全社を上げてウェブマーケティングをやってますよ!」という企業ならともかく、ほとんどの中小企業は「そこまで考えたことがなかった」という反応になるため、ヒアリングを含めてフォローしています。
3つのワークショップが果たす役割
事前課題とワークショップには、それぞれ役割があります。
第1回 ワークショップ〈序〉:事前課題をふまえ、課題を発見する
最初のワークショップは導入です。
基本的な Microsoft Clarity(クラリティ)の使い方を実践的に学びつつ、事前課題を元にワークを進めます。
一般的な「Microsoft Clarity を学んでやってみよう」程度の研修なら、事前課題と合わせたこの〈序〉で良いのですが、出てきた課題をどのように扱って、いつまでに誰が何をどうするかを決めていただきます。
何をするのかを具体的に決めることが大切で、解析して満足するだけでは改善できません。
想定成果物
- Microsoft Clarity の一連の活用スキル
- ウェブサイトにおける課題
想定時間
- 5時間(休憩含む)
第2回 ワークショップ〈破〉:施策を検証し、改善案を出す
次のワークショップは改善サイクルの後半であり、実際に行った施策を検証するためのクライマックスです。
1回目のワークショップで挙げられた緊急度の高い課題から確認し、どれだけのインパクトがあったかをチームとして評価します。その評価を元に、前回と同様、次の行動を決めます。
2回目のワークショップを経ると「確かに変化はするけれど、意外とインパクトが足りないなあ……」と気づきやすくなります。そして「そもそも、もっと大事なことがあるのでは?」と課題が深まりやすくなります。
このように、自分ごとになればなるほど意見が出やすくなります。こうして生まれた熱量が自社サイトを改善するガソリンになるのですが、空中分解させないために、次のワークショップがあります。
想定成果物
- 施策の実施結果
- 新たな問題
- いくつかの改善策
想定時間
- 5時間(休憩含む)
第3回 ワークショップ〈急〉:これまでを振り返り、継続できるようにする
最後のワークショップは、改善サイクルを一回転以上まわしたチームの活動や成果をふりかえり、継続するためのまとめです。
2回目のワークショップ同様、実際に行った施策のインパクトをチームとして評価します。その評価を元に、得られた改善策を次につなげます。ここまでは前回と同様です。
3回目ではウェブサイトの評価だけでなく、自社サイトの課題の評価方法やチームとしての動きなどのメタ視点での課題についても話し合います。今後、チームとして改善サイクルを継続していく方針を決めましょう。
想定成果物
- 施策の実施結果
- 新たな問題
- いくつかの改善策
- チームとしての評価
想定時間
- 5時間(休憩含む)
この3つのワークショップは実際に施策を行っていただくため、事前課題を含めると3〜4ヶ月間を想定したものになります。チームワークに問題がなく、1回行えば行動できるようなら短めのカスタマイズも可能です。