初開催のQAアナリティクス会・参加レポート #QAAnalytics

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はい、ごめんください。クラリティ大好きコスギです。

Microsoft Clarity セミナーの日中、QAアナリティクスミートアップ が開催されたので、新潟(長岡)から神戸にファシリテーターとして参加してきました。つまり、半分(以上)裏方です。そんな立場の振り返り記事。

目次

そもそも「QAアナリティクス」って……?

要するに、WordPress 用のアクセス解析ツールです。このサイトを見ている方なら「アクセス解析……?」ってことはないと思いますが、ウェブサイトがうまくいってるかどうかを評価するツールですね。Google アナリティクスよりも使いやすい感じのやつ。

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WordPress の公式プラグインディレクトリに登録されているため、「QAアナリティクス」と検索すると以下のように出てきますので、あとは[インストール]→[有効化]とポチポチするだけで導入できます。

QAアナリティクスのプラグイン画面

“カンタン” なアクセス解析ツールなんですが、説明文は Cookie 問題などを知っている方向けなので、ターゲットによってはちょっとわかりにくいかなという印象は拭えません。どこまで初心者向けにするのかは悩ましいところですが、個人的には、初心者向けに見せておいて上級者も納得のツール、みたいな出し方のほうがわかりやすいのではないかなあとは思います。ただ、これをやるとウェブリテラシーが低い方を相手にすることが増えてサポートが大変なのでバランスが大事ですねえ……。

ただ、うちのブログを読んでいるような方にはめっちゃオススメです。解析データを自社で持つ(ファーストパーティーデータ)ので、このあとの活用につながるんですよー

ちなみに以下から進んでもらったら、上限3,000PV が 5,000PV まで上がるフレンドライセンスで導入できます。「もう公式からQAアナリティクス入れちゃったよー」という方にも適用されるので、まだフレンド登録していない方はぜひ(/・ω・)/

Google アナリティクスと何が違うの?

今の Google アナリティクスといえば GA4 ですが、QAアナリティクスは、昔のユニバーサルアナリティクス(UA)に近いです。それ以外の違いとして、私が認識しているのは以下の4点。

  1. 解析データを Google ではなく、自社のウェブサーバーに持っている
  2. 数字だけでなく、ユーザーの行動が色でわかる(ヒートマップ)
  3. 数字だけでなく、ユーザーの行動を動画でリプレイできる
  4. 開発しているのが神戸住まいの日本人

つまり、UA と Clarity が連携されたようなツールです。サンクスページの閲覧などを目標に設定することもできますし。まあ、3つめまでは「ふーん、便利なんだな」という印象を持つことでしょう。

大きいのは4つめの「開発者が日本人」という点です。開発元は、神戸のウェブジョブズさん。つまり、ユーザーの細かい要望が届きやすいのです。QAアナリティクスはここに大きな可能性があります。

コミュニティであってセミナーにはしたくないという思い

開催前に打ち合わせランチ。ウェブジョブズさんはみんないい笑顔してるんですよね。ステキ。

ということでQAアナリティクスのミートアップは、ただのツール紹介イベントではなく「日本人がつくっている WordPress のプラグインだからこそ、一緒に解析を楽しんで役立つものにしていきたい」というコンセプトがあります。

ただし一般的なユーザーは、使い勝手が良ければ使うし、悪ければ使わないので「もっとココがこうなったらウレシイ」と声を上げる人はほとんどいません。WordPress のコミュニティで活動していると忘れがちですが、そもそも WordPress ユーザーは目的を持った建設的な対話に慣れている方が多いわけではない、という前提があるんですよね。だから基本姿勢が「情報収集」になりがち。目的がほんのりしているから、「勉強になった」で終わることも少なくありません。

普段からアクセス解析をしているような方は、アクセス解析が手段でしかないことを認識できています。目的はウェブサイトを通じたビジネスの改善だから。でも、こう考えている方は少数派です。「意外と、ホームページを改善したいと思っている方ってあまりいないのかも」とはウェブジョブズのコダマさんの弁。

それでも、今回の参加者さんからは「解析って手段でしかないのはわかってるんだけど、どうやって活かしたらいいのかはピンと来ていないから、それがツールを触るだけでわかるといいんだけどな」というニーズを強く感じられました。これは GA4 にも Clarity にも感じるものだと思います。

「ウェブサイトに訪問したユーザーの情報」に価値を感じられるかは、マーケットインの感性を持っているかどうかで決まるんじゃないかと、個人的には思います。プロダクトアウトは悪ではありませんが、バイアスにはなると考えています。ウェブコンサルティングをやっていると、こういったメンタルモデルへのアプローチをすることが多いのですが、技術課題の解決に追われてしまうこともよくある話で。

だからこそ目先の課題解決だけでなく、ユーザーの行動を見ることで、自分たちのマーケットをじっくり悩める時間がミートアップになってもいいんじゃないかなあ、とも思うのですよね。もちろん、「そんな悠長に考えてられない!」ということなら、自分たちでデータを見るより、プロにコンサルティングを依頼したほうが早いです。タイムイズマネー。マネーイズタイム。

とはいえ「ツールベンダーなんだから、サポートしてくれなきゃ困る」という思いを持つ方もいらっしゃると思います。そこをコミュニティ “だけ” で吸収するのは、私も少し違和感があるものの、基本は「WordPress を使うなら自己責任」論主義者なので、お互い対等な立場で建設的な対話ができればいいと思っています。あ、バグはすぐ調査してくれますよ。

「やっぱりこういう機能がほしいよね」と言語化できるようになれば、めっちゃいいツールになると思うんですよ。QAアナリティクスも、そういった場をつくろうとしているようですし、私はそこに共感してお手伝いしています。

実際どうだったの?

そもそもの対象者が「WordPressをお使いでウェブの活用に興味をお持ちの方」なので、「ウェブサイトの改善といっても、何をどうしたらいいのかわからない」「データをもっと活かしたい」といったニーズを持つ方々が集まりました。

車座になって自己紹介スタート

会場設営は椅子とテーブルを持ち込むところからだったので、ちょっと時間はかかりましたが……会場に入られた方は、前の方にテーブルが追いやられて、不格好な円形に並べられた椅子にギョッとしたのではないでしょうか。セミナー形式にしたくないという思いを、環境で表現した結果です。

私がオーガナイザーをつとめていたオフラインの Niigata WordPress Meetup ではたまにやっていた方式(下の写真)で、きれいなサークルに並べることで、対等な雰囲気をつくることができます。これを最初から聴講型(前を向いて数名ずつ座る感じ)に並べてしまうと、当然、気持ち的にも聴講するものだという意識が生まれます。そういうことは最初から書いておけって思いましたよね、すみません。

2019年に行っていたNiigata WordPress Meetup の一場面
こんな感じのきれいな車座になれるとベストだったんですけどね……?

最初は10名くらいかと思っていましたが実際には20名以上来られたので、2つの円に分かれて自己紹介をしあっていただきました。その後、くーすけ(QAアナリティクスのマスコットキャラクター)のぬいぐるみを投げながら質問しあっていただき、自己紹介タイムは終了。

なお、くーすけのぬいぐるみは一度も落とされることはなかった模様です。みんなありがとう。

運営課題のディスカッション

次に、1つのテーブルに4名程度座っていただき、それぞれのグループでディスカッションタイム。ウェブサイト運営で感じている課題について、自由に話していただきました。ウェブジョブズの皆さんには、それぞれのテーブルで参加者さんから出てきた話題を付箋に書いていき、あとでまとめる書記役になっていただきました。

私も書記役として入ったのですが、割とウェブの問題を解決する側の方が集まったこともあり、ウェブサイト以外の話に脱線していたこともあり(笑)、出てくる話題を片っ端から解決しつつ、話したいことを話していましたね。LINE公式アカウントとかどうなんだろうね?とか。

なお、私は突然のポンポンペインで若干離席してました……

QAアナリティクスの画面を見てみよう

先のディスカッションで得られた付箋をホワイトボードに貼って、出てきた課題から共通しそうなテーマで解析をしてもらおうかと思っていたんです。が、眺めてみたら内容があまりにもバラバラだったので、グループごとにQAアナリティクスをすでに導入している方の画面を見てもらったほうが良さそうだと判断。

ということで「トップページのデータを見て、改善案をみんなで出し合おう」というテーマで見ていただきました。

1つの画面を4人で見ているので、当初想定していたようなハンズオン形式にはなりませんでしたが、「これってどうなの?」「他に何が見れます?」と活発に質問が出されており、各テーブルのウェブジョブズの皆さんが答えるような感じになりました。私のテーブルにはちょうど中級者以上の方が集まっていたので、ディスカッションの続きをしつつでしたねー(腹痛が続いていたのでちゃんと聞けていなかったですゴメンナサイ)

そもそもネット回線が遅すぎてどうしようレベルだったので、ここはちょっと会場の再考は必要かもしれません。

振り返りタイム

各テーブルに再度くーすけのぬいぐるみを置き、話したら次の人にくーすけを回してもらいながら、今日の振り返りをしてもらいました。喋りながら両手でぬいぐるみを包み込む人、しっぽを持って振り回す人、ムニムニいじりながら話す人、などの個性が出るなあと思いながら眺めておりました。

ミートアップ全体を振り返ると、初回から伸びしろだらけですが、何かしら持ち帰っていただけたものがあったようなので一安心です。主催者側の「セミナーにはしたくない」という思いは尊重しながらも、それでもある程度のレクチャーの必要性は感じたので、今後も継続しながら模索できたら良いんじゃないかなと思っています。

めちゃくちゃレトロな喫茶店の外観なのに、ビールと唐揚げがウマいといわれたお店で懇親会

QAアナリティクスの今後

「やっぱりこういう機能がほしいよね」とみんなで言語化できるようになれば、めっちゃいいツールになる ―― それはそうだと思います。ただ、早い馬を追い求めても、自動車には敵いませんよね。QAアナリティクスは、この自動車になる可能性を秘めています。

QAアナリティクスで取得したデータはすべて、自分たちの管理しているウェブサーバーに入っています。このデータとAIを組み合わせたら、「アクセス解析データと会話できる未来」が実現するんです。つまり、わざわざデータを見て読み解く必要がなくなります。

それが、会場でちょろっとお知らせした「Brains」。ウェブサイトの規模やニーズに応じたAIが、アクセス解析データを分析してアドバイスしてくれる機能……って、すごくないです?めっちゃワクワクしますよね!!データを見ながらコンサルティングをしている私が、ずっと願っていた機能でした。ただでさえ、Microsoft Clarity の Copilot を ChatGPT に食わせたりしているくらいですし。

個人的には、マーケットインの認識を深めてくれる問いを出してくれるブレーンがいてくれると、アクセス解析データの活用をしやすくなるんじゃないかなあと思っています。結局、データを扱うのも人ですから。何より「なぜそのような情報を発信して、ユーザーを求めているのか」の答えは、提供側である人の中にしかありません

GA4 や Microsoft Clarity はベンダーが大きいので、提供される機能の意図などを読み取りながら扱うことができますが、QAアナリティクスはやっぱり、私たちで育てていける余地のあるツールだと思っています。

一緒に楽しみませんか?

とりあえず私としては、「みんなで画面を覗き込むのはしんどいから、QAアナリティクスの閲覧のみができるユーザー権限が欲しい」と伝えておきました。Google アナリティクスにも権限が細かくありましたし、これができれば各々の画面で好きなように確認できますから、ミートアップでも役立つだろうなって。次回が楽しみです!

初開催のQAアナリティクス会・参加レポート

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この記事を書いた人

はい、ごめんください(/・ω・)/
WordPressをメインとした制作、開発、ウェブコンサルと、ストレングスファインダーを活用したコーチングを行っています。このブログでは、ユーザーの行動分析をモリモリできる Microsoft Clarity(クラリティ)を研究した備忘録としています。解析のお仕事は中小企業向けにご提供しています。

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